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おっぱい、それから寄り添うことについての考察

寄り添うって、なんだろう

先日、観た映画に、
ついつい考えてさせられてしまった。
相手に寄り添うのがコーチだけれど、
それって、いったい、なんなのかと。

おっぱい、それから寄り添うこと
それについての考察なんて、
ふざけたタイトルに思う人もいるだろう。
でも本当に、おっぱいについて、
寄り添うことについて、真剣に考えたのだ。

「おかん」という生き方

というのも、この映画、
主人公は、乳がんになった大学生とその母親
彼女たちが、つぶされそうな不安の中、
悩み、苦しみ、ぶつかり合い、そして、
寄り添いあっていくという話だからだ。

特に、考えさせられたのが、
常盤貴子さんが演じる「おかん」の言動。

おせっかいで、頑張り屋さん。
人のことを放っておけなくて、
ついつい口を出す。
だから、失敗も多いんだけど、
だからこそ、みんなに頼られる。

大学生の娘、千夏のことを、
誰よりも大切に思っている。
でも、面と向かって言うことはない

そんな、おかんだから、
千夏の乳がんが判明したとき

「あんたにとって、一番、いい治療しよな」

なんて真正面からの意見を言ってしまう。

いや、おかんは全く間違っていない。
胸を切除するという選択肢は間違いない。

でも、千夏って……

失われた「今」

千夏って、好きな人はいるけれど、
まだ誰とも付き合ったことはない。
だから、おっぱいを触られるのが、
好きな人に体をさわられるのが、
どんな感じなのかも知らない。

だから、結婚とか、出産とか、
将来のことを考えて、
一番、いい選択しよな、
なんて話、考えられない。

だって、千夏の関心は、
そんな将来の話じゃない。
考えないといけないのは、
分かっている。
でも、いまは、
訳がわからなくなっている自分自身
そのことにしか関心なんて持てない。
つまりは、もう精一杯で、
溢れてしまっている。

なんだけど……

なんだけど、同時に、痛いほどに、
手に取るように、分かるおかんの気持ち。

千夏の将来のことを、誰よりも必死に考えて。
同時に、寄り添って、寄り添って、
痛みを分かろう、分かろうとして。
でも、分からないことばかり

こんなにあんたのこと、心配してるのに、
なんで分かってもらえへんねん、
なんて思っている自分自身に
腹が立って、腹が立って仕方なくて。

なんていうおかんの姿を見ていたら、
考えずにはいられなかった。
いったい、寄り添うって、なんなんだ。

寄り添うの真髄

相手のことを思う

もちろん、それは当然のことだろう。
でも、どこまで行っても、相手のことは分からない。
そんな現実があるのも、また事実。

そして、思えば、思うほど、
一人よがりになっていって、
結果、相手を傷つけることもある。

でも、それを恐れて、
「適当な距離」を取っていたら、
相手に寄り添うことなんて、できやしない。

果たして、寄り添うなんて、ぼくにはできるのか、
そう不安になったとき思い出したのが、
のぶ先生のあの言葉

「コミュニケーションの基本は信頼関係」

そして、信頼関係を築くための
最初のステップが、

「相手そのもの」ではなく、
相手の「興味・関心」に関心を寄せる

相手そのものを、理解しようとするから、
無理が生まれる。
相手のことが分からないと
苦しんだり、
こちらの意図を分かってもらえないと
悩んだり。

でも、相手の興味・関心なら、
理解できる可能性はある。
寄り添える可能性はある。

きっと、相手だって、
自分を理解して欲しいわけではない。
自分の気になっていることを
理解して欲しいのだ

だから、おかんだって、
千夏の気持ちに
もっと寄り添うことができたはず。
想像力を働かせて、
千夏が何に悩んでいるのか、
関心を持つことだってできたはず。

なんて、言うのは簡単。
だけど、実際は、ぶつかりながら、
わかりあうのしかないのだろう。
だから、傷つけることも、
傷つくこともある。
それが現実かもしれない。
しれないけれど、
改めてこう思った。

それでも、おかんみたいに、
一歩前に出る自分でいたい

上手に、立ち回れなくてもいい。
コーチとして、
相手の核心をつくような質問が
できなかったとしてもいい。

でも、寄り添おうという、
本気の気持ちは、
相手にきっと通じるはず。
だから、いつだって、
目の前の相手の寄り添いたい
その気持ちだけは忘れたくない。

これからも、わからないこと、
うまくいかないことが、
たくさんあるだろう。
でもわからないからこそ
希望も持てる
し、
うまくいかないからこそ、
うまく行ったときは、最高に嬉しい

だから……

不安 x 期待

映画のラストシーン、千夏が叫ぶ。

がんばれ〜 がんばれ〜

仕事探しがうまくいかない
幼なじみにかけたその言葉。
きっと、千夏は叫んでるのだ。
自分自身、そして、
おかあさんにも届け
と叫んでいるのだ。

だから、自分も頑張りたくなった。
不安も希望も丸抱えで
進んでいけばいいと思えてきた。
そうしたら、不思議なことに
不安なざわざわする胸も
期待、希望で熱くなる胸も
なんだか心地よくなってきた。

いや〜、やっぱり、映画って最高だ
よし、今日もせっせと
コーチング、コーチング、
なんて、思わせてくれるなんて、
みなさんにも、
ぜひこの映画、観て欲しい。

そして、みなさんが、
寄り添うことについて考えてくれたら、
最高だ。

その難しさに、
へこたれることもあるかもしれないけど、
それでも、
一歩前に出ることを選んでみよう
そう思ってくれたら
最高だ。

あぁ、そうだ、そうだ、
すっかり忘れていた。
この映画のタイトル、それは、
「あつい胸さわぎ」

不安でざわつく胸、
期待で熱くなる胸
ぜひ、その両方の心地よさを
味わってみて欲しい。

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