【知らんがな】を解禁しよう!
「いや、それは違うと思う。だって、これはそもそも…… 」するとその発言に勢いをもらったのか、別の声が聞こえてくる。「いや実は、自分もスッキリしない思いを抱えていた。本来は……」
そんな声を聞きながら、ぼくは正直、こんなふうに思っていた。
知らんがな。
それは今日の会議、ぼくが一通りの説明を終えると、あちこちから不満の声が溢れ出た。
全く言いたいことばかり言ってくれるけど、自分が口にした言葉、ちゃんと責任とってよね、と、ここに書いてはいるが、その場では口にしない。かわりに、それは難しいと思いますけどね、そう言ってみても、ついてしまった火は収まらない。
「こういうことでいいですよね」ある参加者がそう言い切ると、他の参加者からはノーリアクション。そして、司会役の「じゃあ、そういうことで」で会議は終了。なんとも後味の悪い会議、少なくともぼくにとっては。
なのだが、これを書いている現在、意外とひきづっていない自分に驚いている。以前のぼくなら、いつまでも不満を抱えていた。
言いたいことだけ言うね
理想を語るだけなら誰でもできるよね
頭の中はそんな思いがいっぱいだった。実際、今だってそんな思いがないかと言えば嘘になる。だからこそ、こうして書いているわけだから。
ただ、それほど気にしていない自分もいる。
もちろん、それは、喜ばしいことだ。だけど、同時にモヤモヤしている自分もいる。と言うのは、ぼくは、自分が「どうしてそうなのか」が分からない。
なぜ、今、それほど、気にしていない自分でいられるのか、それを知りたい。そして、それを言葉として書き表したい。そうすれば、この先同じようなことがあったとしても、気にしない自分を再現できるだろう。
とは言え、そのままパソコンに向かっても書けるはずもない。まとまらない考えを、いきなり文章にするのには無理がある。だからぼくはいつものようにペンを取る。そして思いついた言葉を一つ書いてみる。
知らんがな。最初に出た言葉はこれ。
いや、そうなのだ。会議中も、その後も、ぼくが感じていたのは、この一言に尽きる。と言うのも、別にぼくは参加者たちのまとめ役でも、上司でも、なんでもない。ただ、ぼくの役割は状況を説明すること。それがぼくが果たすべき役割だ。
それを受けて、不明点があるなり、苦情があるなり、改善点があるなり、どう思うかは参加者の自由。さらに言うなら、その後のアクションを決めるのも参加者の自由。外に出て行って、自分で関係者にあたって、思うままにやればいい。ぼくになにを言っても変わらない。
ぼくはそう思って聞いていた。一定の歯止めになろうとか、これまでの経験をお伝えすることはできたけど、そこから先は、個人の責任、と思っていた。
だから、知らんがな、なのだ。
それ以上でも、それ以下でもない。そして、そう思っている自分を許している自分に気づく。
以前のぼくだったら、きっと違っていただろう。知らんがな、と思っても、相手を変えようとしただろう。もっとこうしたらいいですよ、そう相手を説得しただろう。そして、それでも変わらない相手にヤキモキしたりイライラしたり。相手を変えられない自分にがっかりしたり。
でも、今は違う。相手がどう思うかは相手の自由。そしてその結果を引き受けるのは相手の問題。ぼくができるのは、相手にどう関わるか。そんなふうに感じている。
もちろん、助けを求められれば、ぼくの役割の範囲内でベストを尽くす。でもそれだって、ぼくのアドバイスなり経験を受け入れるのも相手の自由。それしかできないし、それでいいのだ。
などと書きながら思いついた。そうか、これってアドラーの言う「課題の分離」なんだよねと。
ちなみに課題の分離とは、
健康的な人間関係に大切なのは、自分の課題と他人の課題を明確に区別すること。他人の問題に介入し過ぎず、自分の問題を他人に押し付けない。自己責任と他者責任を適切に認識して、自分にとって本当に重要なことに集中する。
なるほど、それを思うと、ぼくは会議中から課題の分離ができていたわけだ。知らんがな、直感でそう思ったぼくは、確実に成長している。
えっ、でもそれって、冷たくないですかって?
いやいや、そんなことはありません。ぼくは、ただ、文句・苦情はお断り
、そう言っているだけ。だから、安心してぼくのところに来てください。どうしたらよくなるか、精一杯サポートさせていただきます。
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