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(舞台感想)彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで見ました。
ハムレットを見るのは初めてで、Amazonオーディブルで予習しました。

劇中劇

当方がシェイクスピアの素人ゆえか、序盤は少々忍耐が必要でしたが、劇中劇の場に来て、にわかに気持ちが盛り上がりました。
役者さんが客降りしたこともあり、空気がガラッと動いた気がしたのです。
劇中劇のパントマイムが素晴らしくて、劇中の王らと一緒に拍手しそうになりました。


ハムレット

想像していたより体育会系のハムレットでした。柿澤勇人さんは、泣いて叫んで転げ回ってポーズをつくり頭を振り、バレエダンサーが延々とヴァリエーションを踊っているようだと思いました。
超人なのかと錯覚しかけましたが、カーテンコールの疲労困憊のお姿を見て、そらそうだ、と思いました。
セリフ回しが明晰で、プリンシパルの優れた技巧を見せつけてくださいました。

しかしハムレットに負担が集中し過ぎているように見え、痛々しいとも思いました。
一人芝居の様相で、膨大なマシンガントーク(独白)が、当方のポンコツ頭では処理しきれませんでした。
尼寺の場を見て、ハムレットの悲哀や狂気は、優れた受け手が居てこそよくわかるのではないかと思いました。
(受け手が優秀でないと、そうではないと思う場もありました。)



オフィーリア

北伽耶さんのオフィーリアに心動かされました。
前半の、ハムレット好き好きを隠しきれない可愛らしさ。
そして狂ってからの衝撃。
調子外れに歌っていても元は上手いことがわかり、それが余計に哀愁を誘い涙が止まりませんでした。

北伽耶さんは歌のお上手な方とお見受け致しました。また機会があれば歌って頂きたいです。
映像で印象深い方は、舞台で拝見してもやはり深かった。見に来て良かったと思いました。


ご参考(オーディオブック)

前述の通り、Amazonオーディブルでハムレットを予習しました。定額聴き放題にあったのは、“60分でわかるハムレット”。
端折りすぎでは?と不安に思いましたが、聞いておいて良かったです。
最近、読書がめっきり出来なくなった私ですが、無料お試しから始めたオーディブルは重宝しています。

私が思うメリットは、
①通勤時間を有効活用できる②不安定な電車・バス内でもハンズフリーで楽しめる③サブスクリプションで今まで読まなかった類にも気軽に手を出せる、の3点です。

本屋大賞を受賞された、“成瀬は天下を取りに行く”をとりあえず聞いてみてとても面白かったり、新NISAの仕組みを毎日少しずつ聞いてやっと理解したり、“騎士団長殺し”の朗読が良すぎて自分で読むより面白かったり。
楽しいです。


お読みいただき、ありがとうございました。



●データ
公演期間 【大阪公演】2024年6月20日(木)~23日(日)
会場 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
出演
柿澤勇人・・・ハムレット
北 香那・・・オフィーリア
白洲 迅・・・ホレーシオ
渡部豪太・・・レアティーズ
豊田裕大・・・フォーティンブラス ほか
櫻井章喜・・・オズリック ほか
原 慎一郎・・・マーセラス ほか
山本直寛・・・ローゼンクランツ ほか
松尾竜兵・・・ギルデンスターン ほか
いいむろなおき・・・黙劇役者 ほか
松本こうせい・・・フランシスコー ほか
斉藤莉生・・・ヴォルティマンド ほか
正名僕蔵・・・ポローニアス ほか
高橋ひとみ・・・ガートルード
吉田鋼太郎・・・クローディアス/亡霊
作  W.シェイクスピア
翻訳  小田島雄志
演出・上演台本 吉田鋼太郎 (彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
美術  杉山 至
照明  原田 保
音響  井上正弘
衣裳  紅林美帆
ヘアメイク  大和田一美
音楽  武田圭司
殺陣  六本木康弘
フェンシング指導  和田武真
パントマイム  いいむろなおき
振付  藤山すみれ
演出助手  井上尊晶
舞台監督  大垣敏朗
技術監督  福澤諭志