ホープフルS 展望
有馬記念が差し迫っているが、非常に難解なのでホープフルでも考えてお茶を濁す。
レース傾向
過去傾向
G1昇格後の近7年のデータ。
①"格上"の馬を狙う
②(特にスローなら)Danzigの血が強い
Danzigは早熟スプリンターでパワー馬場&急坂&小回り&瞬発力勝負に強い。
近3年のDanzig持ちの成績は2023が1-1-1-3、2022が1-1-0-7、2021が0-0-1-5とスローの近2年は特に好成績。ただ2021に関しても該当馬の単勝オッズがいずれも29.8倍(8人気)以下であったことを考えると十分に好成績。
③特注データ
前走平坦大箱の東京の馬が小回り急坂に強いDanzigを持っていた場合、かなりの好成績なのでは?
上段左の該当馬: レガレイラ、サンライズジパング、ドゥラエレーデ、フェイト、ダノンザキッド、ワーケア、ヴァンドギャルド (太字が馬券内)
上段右の該当馬で馬券内: ニシノデイジー
下段左の該当馬で馬券内: キングズレイン、オーソクレース (ともにルメール騎乗)
下段右の該当馬で馬券内: コントレイル (3冠馬)
いやはやこれは…
今年は?
NF生産: アマキヒ、クロワデュノール、ジュタ、ジュンアサヒソラ、マジックサンズ、マスカレードボール、リアライズオーラム
前走OP: アスクシュタイン、クラウディアイ、クロワデュノール、ジェットマグナム、ジョバンニ、デルアヴァー、ピコチャンブラック、マジックサンズ、マスカレードボール、ヤマニンブークリエ、レーヴドロペラ
前走東京: アマキヒ、クロワデュノール、ジュタ、ジュンアサヒソラ、ショウナンマクベス、デルアヴァー、ピコチャンブラック、マスカレードボール、リアライズオーラム
Danzig持ち: アスクシュタイン、アリオーンスマイル、クロワデュノール、ジェットマグナム、デルアヴァー、ファウストラーゼン、ヤマニンブークリエ、レーヴドロペラ
上3つ全てに該当: クロワデュノール、マスカレードボール
Danzig持ちかつ前走東京: クロワデュノール、デルアヴァー
Danzig持ちかつNF生産: クロワデュノール
Danzig持ちかつ前走OP: クロワデュノール、デルアヴァー、アスクシュタイン、ジェットマグナム、ヤマニンブークリエ、レーヴドロペラ
前哨戦の評価
東スポ2歳S、アイビーS
ラップ比較
2010年以降、東京芝1800mで「全体時計≦1:46.9 テン2F≦24.5 L2F≦22.6 L1F≦11.3」をクリアしたのは今年の東スポ杯、アイビーSと以下の8レースのみ。
セントポーリア賞(グレートマジシャン) 1:46.5 24.4-11.2-11.1
1勝クラス(アドマイヤマツリ) 1:46.4 24.3 10.9-11.1 →次走2勝クラス突破
1勝クラス(カニキュル) 1:45.3 23.6-11.1-11.3
2勝クラス(ウインエーデル) 1:46.0 24.4-11.2-11.3 →次々走3勝クラス突破
2勝クラス(ロシュフォール) 1:46.1 24.2 11.4-11.2 →次走3勝クラス突破、次々走新潟大賞典3着
3勝クラス(クロミナンス) 1:46.3 24.2 10.9-11.2
毎日王冠(エイシンフラッシュ)1:46.7 24.0-10.9-11.3
府中牝馬S(ブレイディヴェーグ)1:44.7 23.6 11.4-11.0
2歳戦でこの基準をクリア例は過去にない。この2つのレースレベルがべらぼうに高いというのが今年のホープフルS、ひいては来年のクラシック戦線の出発点。2歳馬が2F目に速い脚を使ったら、普通はドウデュースやアスクビクターモアのアイビーSのようになるんだがなぁ…
京都2歳S
過去10年のうち京都開催だったものにフォーカス。
'23の走破タイムが抜きん出て良く、結果的に超ハイレベルレース。それ以外の年については軒並みレベルが低いのだが、そのうち上がり最速33秒台で1着を取ったカデナ、クラージュゲリエはまずまず。今年は入りも道中もゆっくりで、強風が吹いていた訳でもなかったが、33秒台を記録した馬はおらず。コーナーでもたついてラスト加速ラップを記録したエリキングに関しては、大箱の中長距離で活躍する可能性は残されているものの、他はクラシックで好走するレベルにないと見る。
各馬寸評
アスクシュタイン
父ドゥラメンテと異なるワンペースな大跳び走法。恐らく母父Bellamy RoadのSecretariat, Past Forgetting, CozzeneのNasrullah+Princequilloが表出しているのだと思う。DanzigやWoodmanといった中山内回り向きの血を持ち合わせてはいるが、実馬の走りを見るとあまり向くイメージは持てず。
Bellamy Road
Past Forgetting
アマキヒ
「非Danzig持ちかつ前走東京」に該当。過去好走したオーソクレース、キングズレインと同じく鞍上にルメールを配する。一方でこの2頭と異なるのは母系に欧州色が薄いこと。具体的には両者ともにサドラーの血を引いていた。
オーソクレース
キングズレイン
全兄バードウォッチャーも全く同じ臨戦過程で京成杯凡走。
クロワデュノール
Danzig始めFair Trialの血を幾重にも引いているのがコーナーでスッと動ける所以。キツいインブリードもないので気性的な不安材料もない。
ジェットマグナム
Hyperion色の非常に強い血統。トニービンクロスを持つので晩成型で、坂路時計を見てもまだ成長途上の感。スローペースを引いて3着があるかどうか。
デルアヴァー
如何にもサドラークロスの欧州馬といったタイプで、追走力に課題。跳びが大きく、大箱ベスト。母母父がサドラーだったキングズレインと被る。'22以前のような時計の掛かる馬場なら。
ピコチャンブラック
父キタサンブラック×母父ネオユニヴァース×母母バレークイーンとFair TrialやHyperionの血が濃く、小回りの後半持続力勝負向きで、欧州的な瞬発力も持つ。反面スピードの乏しい配合で、前走のような府中のスピード勝負では分が悪い。冬の中山2000への舞台替わりはプラスだが、
①SSのインブリードがキツく、揉まれる競馬になると苦しそう
②逃げ候補のアスクシュタインが飛ばし、その番手で競馬して追走力が要求されると苦しい
あたりが課題か。ただ、①はメンバーを見るに逃げor番手は容易く取れそうだし、②はアスクシュタインの勝った2走がいずれもスローであったことを考えると、どちらも確率的には低いシナリオではある。
マジックサンズ
Storm Catとフレンチデピュティを持ち併せる牡馬。この馬自身フレンチデピュティの影響が強い掻き込み走法なので、ダート馬と見るのが妥当。
実際に父ロードカナロア×母父フレンチデピュティのレッドルゼルもダートだし、父キズナ×母父フレンチデピュティ×母母バレークイーンのルリアン(牡)はダートの中距離馬。ダディーズビビッド(父キズナ×母父フレンチデピュティ×Katies牝系)は芝だが、短距離のHペース戦に強い。
札幌2歳Sは馬場だけでなく、ペースも13.3-11.7-12.1-12.3-12.2-11.9-12.0-12.4-12.4とダート競走のようなペース。実際このレースはフレンチデピュティ持ちがよく走るので…. ('15アドマイヤエイカン、'18エメラルファイト、'20ソダシなど)
マスカレードボール
ビハインドザマスク
ドゥラメンテ×ディープでHyperionが非常に濃い上に、2代母がビハインドザマスク(京都外回りの鬼)と、スローからの後半スピード勝負に滅法強い血統で、アイビーSはレース質が向きすぎた。自身の走りはビハインドザマスクの影響が強いように見える。アイビーSではコーナーでモタモタしていたし、新馬戦では直線で内にもたれて追えずと操縦性に難のある馬で、中山2000は明らかに適正外。また、インブリードがキツく気性爆弾を抱えているので、思わぬ大敗があっても。
1週前予想
◎クロワデュノール
○ピコチャンブラック
▲デルアヴァー