9/7,8 重賞展望

全レース良馬場想定。


紫苑S

◎ 4.イゾラフェリーチェ

サトノクラウンやハーツクライのストライドとKatiesの脚高掻き込みパワーが融合された走りで、中山2000~2200がベスト。本質的には中長距離馬だが前進気勢が強いが故の折り合い難で、スイートピーSは前半3F34.7秒のペースで掛かり気味に追走したので息が持たなかった。一方でデイジー賞では圧倒的イン前有利のTBに恵まれており、同じ場所で競馬した2着馬も(その後の重賞実績の割には)そこまで強くないので大して評価できないが、坂路で楽にL1F11秒台を叩き出す脚力から能力は高いはず。
(追記) 1週前追い切りではルカランフィーストと互角の動き、最終は手控えるも折り合いバッチリ。鹿戸厩舎は時計が遅い時の方が寧ろ好成績なので気にしなくて良い。ブービー人気は流石に舐められすぎ。

○ 7.エラトー

父Saxon Warrior×母父Siyouni×母母父キングズベスト、デインヒルにAllegrettaのクロスというコテコテの欧州血統なので、チューリップ賞の敗因はハイペース先行だろう。今回高速決着への対応はやはり課題となる。
ただ前走内容は優秀。過去10年の函館芝1800mで「(2F目)≦11.5かつ(L4F)≦47.0かつ(L1F)≦11.9かつ(タイム指数)≧96」を満たしたのは本馬の2勝クラスとホウオウビスケッツの巴賞のみ。
エラトー(斤量52kg)
1:47.3(タイム指数101/馬場指数-8)
12.1 - 11.2 - 12.2 - 12.5 - 12.4 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 11.8
ホウオウビスケッツ(斤量57kg)
1:46.8(タイム指数106/馬場指数-8)
12.4 - 11.2 - 11.8 - 12.3 - 12.2 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 11.8
ラップ構成は酷似している。
(追記) 高速馬場対応に疑問と言いつつも、未勝利戦で2F目に10.6秒を刻んで逃げてヴィレムの2着なら悪くない。平坦函館から高低差の大きい中山への舞台替わりと考えればプラスだし、斤量52kgとは言え前走のラップは偉い。ホウオウビスケッツより上がり速いからね。如何にも堅軸。

▲ 9.レイククレセント

前走はL4F~L2Fで11.3-11.3-11.5とかなり早いラップを3~4コーナー外3で刻む負荷の大きい競馬で見直し可能。更に4コーナー出口での手前替えがぎこちなく色々とロスがあった。Haloのクロス持ちらしい機動力を見せた点は評価できる。走法的には父ハーツクライや母父の持つSeattle Slewが色濃く、平坦大箱高速馬場向きっぽいのだが、未勝利勝ちでは冬の中山の稍重馬場で直線だけの競馬でL1F11.6秒の脚を使い、マイネルオーシャンを差し切った。
(追記) 3頭併せの真ん中でレベルの高い調教。

△ 6.クリスマスパレード

フローラSはレース後コメントで「初めての東京の環境に対応できず、繊細な面が出てしまった」とあった通り、折り合い面で苦労した印象。中山で2連勝しているが、2戦ともコーナーで並ばれてから直線で振り切る内容なので中山巧者の感はない。もっと言うと、ストライドが大きく機動力が微妙なので、同じ中山でも水仙賞の外回りから内回りに替わるのはマイナス。また、フォーティーナイナー持ちでパワフルなフットワークなので時計の掛かる馬場向き。

△ 11.ボンドガール

母方の米国ストライド(TiznowやA.P.Indy)ではなく父ダイワメジャーのピッチで走る。ダイワメジャー産駒の傾向から中山2000は苦しそう。素質は認めつつも、妙味がないのでここでは軽視したい。

ダイワメジャー産駒 芝3勝クラス以上の成績
全体: 7.3/15.3/23.8(53/74/71.2)
コーナー4回: 4.4/10.7/19.2(36/67/59.0)
コーナー4回かつ直線平坦(札幌函館新潟京都小倉): 8.6/18.3/28.0(59/94/99.5)
コーナー4回かつ直線坂(福島東京中山中京阪神): 2.7/7.6/15.6(26/56/38.2)
(コーナー4回かつ直線坂かつ高低差大(中山中京): 1.8/7.1/16.8(20/66/26.2))

ダイワメジャー産駒 芝OPクラス以上の成績
全体: 7.2/15.3/23.9(51/71/68.1)
コーナー4回: 1.4/7.0/15.0(9/48/19.4)
コーナー4回かつ直線平坦(札幌函館新潟京都小倉): 4.7/14.1/21.9(32/55/56.4)
コーナー4回かつ直線坂(福島東京中山中京阪神): 0.0/4.0/12.0(0/45/0.0)

(追記) 流石に人気なさすぎるので抑える。

1.ミアネーロ

母方の米国大跳びダート血統、特に母父のPulpitが色濃い柔らかい大跳びなので、戦績に反して平坦向き。2400を走るスタミナはないが、かと言ってマイルで走るキレもなく坂を登る馬力もないので、ゆくゆくはダートだろう。

5.サロニコス

父ロードカナロア×母父ディープインパクト(Secretariat=Syrian Sea≒Sir Gaylord)という血統で、脚低大跳びで柔らかさを感じさせる走法。明確に平坦大箱向き。

10.ホーエリート

オークスやフラワーCは走破時計自体は評価できない。脚高掻き込み大跳びで、ルーラーシップ×母父ステイゴールド×母母父クロフネ×母母母父Caerleonと血統を見ても明らかにスピード不足。高速馬場では厳しいし、一瞬の加速力がないので内有利馬場との相性も良くない。

12.ハミング

父産駒らしくないインから抜け出す器用な競馬で2連勝。父ブリックスアンドモルタル×母父ディープインパクトらしくナスキロ柔らかさを感じさせる走りで、京都小倉で2連勝。中山への舞台替わりは疑問。またスプリント色の強いロンドンブリッジを母母に持ち、近2走もダッシュ力が求められるラップ構成。父産駒の距離延長成績からも強くは推せない。

馬券

危険な人気馬と見ていたカンティアーモが回避したり、同じく軽視予定だったボンドガールが意外に人気していなかったりと少々渋い状況だが、◎の舐められ具合は異常で流石に馬券を買う他ない。

◎は良血馬で単勝は売れそうなので、代わりに馬単流しで。

馬単 4>6,9,11 100×3
馬単 4>7 200
馬単 7>6 100
馬連 9-4,7 100×2
馬連 4-7 300
3連複 4-7-6,11 100×2
3連単 4,7>4,7>6,11 100×4
3連単 4,7>6,11>4,7 100×4
3連単box 4,7,9 100×6

セントウルS

中京1200のポイント

大箱&急坂&コーナー半径&向こう正面の短さに加え、3~4コーナーで向かい風が吹いている確率が高い点から直線勝負になりやすい。それでいて直線向いてすぐに坂を向かえるので、坂での加速(登坂力)が求められる。従って坂路好調教馬の爆走が目立つ。血統的にはデインヒル~Danzigやロベルトのパワーが要求される。ロードカナロア産駒で好走したダノンスマッシュは母がDanzig2&Roberto3×4、ファストフォースは母母父がデインヒル。「ロードカナロアが好相性」というのは表面的な気がする。

アサカラキング

前走の敗因はよく分からないし、そもそもどうして短距離で戦えているのかも分からないが、いずれにせよ父キズナ×キングヘイローで、3代母エールノコイビトが父Caerleon×母が父父SecretariatでBold Ruler3×3なのでこれは平坦巧者。

サウザンサニー

馬力型で急坂コースは良いのだが、タリスマニック×ワークフォースで1分7秒前後の決着は厳しい。

ダノンスコーピオン

ロードカナロア産駒で3代母の父Son of BriarticがRound Table2×3。中山のスローからのL2F11.6-11.5で差された全弟を見ても登坂力に不安あり。そもそもスプリントは短すぎないか。

テンハッピーローズ

父エピファネイア×母父タニノギムレット×母母父SS×3代母オエノセラ(ドイツ芝2000mリステッド勝ち)という中距離血統。VMでは絶好のスタートを切った後、リズム優先で後方に下げて追走。個別ラップは12.75-11.25-11.2-22.7-22.25-11.65。中京と言えど流石に1200は短いか。

トウシンマカオ

京王杯SCは個別ラップでL1F11.45秒差せない流れではなかったにも関わらず、ゴール後にウインマーベルと一緒に突き抜けてたことを考えると、母父スペシャルウィークらしく外から差す形が合うということなのだろう。イン前有利のコース形態とは相性が悪いし、3代父サクラユタカオー&4代母の父はHabitatでウッド調教馬。あと左回りは苦手。

ピューロマジック

脚の上がらない掻き込みピッチ走法で小回り平坦パワー馬場向き。血統的にもディープインパクト×Strom Catの2×(4×5)なので平坦向き、母父フレンチデピュティでその父Deputy Ministerと母父Hold Your Peaceのクロスを持ち、3代母メジェールもGraustark=His Majestyの4×5を持つなどゴリゴリの米国スプリンター。兎に角北九州記念とはレース質が180度変わるので、あのレースで人気以上に走った馬は買いたくない(その1)。

ママコチャ

夏馬なので近2走は度外視。スプリンターズSのような惰性での粘り込みも安土城Sのような後傾ラップの末脚勝負にも対応可能だが、米国血統なので登坂力については疑問符が残る。具体的には父クロフネ3代母ウェイブウインドともにナスキロの血が強い。納屋橋Sも今一つの内容だった。

モズメイメイ

母母の米国血統が強いから平坦前傾ラップ向きということなんですかね。兎に角北九州記念とはレース質が180度変わるので、あのレースで人気以上に走った馬は買いたくない(その2)。確かにアイビスは強かったけど、逆に言えば千直への適性を示したことになるので、距離延長馬の成績が壊滅的な中京1200との相性は最悪だろう。

ヨシノイースター

ルーラーシップ×ゼンノロブロイなので時計の掛かる馬場向き、ミスプロクロスが強いので平坦前傾ラップ向きということなんですかね。兎に角北九州記念とはレース質が180度変わるので、あのレースで人気以上に走った馬は買いたくない(その3)。あと、春雷S低レベル戦説を提唱したい。サトノレーヴは平坦洋芝巧者。

京成杯AH

中山1600のポイント

2コーナーが近い&2F目を過ぎてからずっと下り坂→ダッシュ力が要求されない一方で道中の追走力が要求される(つまり1~2F目は遅く、3F目以降は速い)

◎ アスコリピチェーノ

NHKマイルが流石に強すぎる。母アスコルティはデインヒルにサドラーなので中山も合う。

○ コラソンビート

前走桜花賞は折り合いが敗因。過去の戦績と個別ラップを見ると「高パフォーマンス🔛1F目が遅い」という図式が成り立っていて(添付画像を参照)、血統を見ても父スワーヴリチャード×母父オルフェーヴルでSSクロス、2代母はマイネヒメルと中距離馬っぽいので、ダッシュ力が求められにくい中山1600は合う。何より加減速が少ない分、折り合いがつけやすいのが良い。本馬は2代母マイネヒメル(父ロージズインメイ×母父Fusaichi Pegasus、Haloクロス)の影響が強いので急坂は無いに越したことは無いが、まあ惰性でなんとか。大箱から小回りに替わるのはプラス。

注: 横山武史騎手が阪神JFや桜花賞のレース後に「マイルは長い」とコメントしているが、一方で新馬戦(マイル)後には「もう少し距離があっても良い」と言っているので、「マイルは長い」云々は折り合い面での話だと思う。

youtube"うまけんch"より引用

○ サンライズロナウド

ハービンジャーっぽい掻き込みが目に付くピッチ走法で、高速馬場は微妙だけど小回り急坂は合う。あとシンプルに能力が高い。立ち回りは予測不可能だが、そこは典さんを信じたい。(前走の関屋記念は強引に下げて直線で詰まり散らかした上、進路が出来てからもノーステッキだったらしいが、元々ここを目標にしていて関屋記念で馬券圏内に入って斤量が上がるのを嫌った説ない?ローテ的にも叩きだったのは間違いないけど。)

△ ディオ

グラスワンダーのような走りで小回り急坂の時計のかかる馬場向き。近2走は真逆の条件で結果を残していて評価したいが、かなりハンデを背負わされそう。あと連続輸送での凡走前科がある。3/4兄のソウルラッシュも休み明け巧者みたいな話があった。

☆ セルバーグ

中山マイルのラップ構成は大好物。ただ走法や過去のレースラップから平坦巧者の感はあるし、高速馬場ではルージュスティリアに軽く捻られていたと考えると… 馬体重の軽い馬なので、ハンデ次第かな。

エエヤン

父シルステ×母母父Danzig×Katies牝系だからそりゃ中山巧者になるのだけど、母父ティンバーカントリーなのでパワー過多の感がある。高速馬場では厳しいか。

サイルーン

2,3勝クラスの連勝はジョッキーの好騎乗や展開に恵まれてのもので、エプソムCでの2番人気には驚いた。大して中身のない4着だし、ハンデ次第だが素直に能力が足りない。

ジューンオレンジ

中距離血統にSSクロス3×3で大箱の後傾ラップ戦向きだし、ここは抑えて教育騎乗しそう。

ディスペランツァ

右回り急坂は良いのだが、追走力が… ストライクゾーンが狭い。阪神外か冬の中山しか出番なさそう。

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