なんてことない幸せな日々
春の匂いがする。冬靴で外を歩くのは少ししのびないが、まだ中途半端に溶けている雪や氷が残っている。一昨年の春に下ろしたばかりのローファーは結局二シーズンくらいしか履かずに靴箱の中。せっかくの陽気なのだから引っ張り出したいけれど、まだ少し早い。
ベージュ色のピーコートをブレザーの上に羽織り、リュックを背負う。これが最後の投稿だ。感傷ともいえる寂しい気持ちに浸りながら通学路を歩く。この道を毎朝歩くことはこれからなくなるのだ。長かったようで短かった高校生活もこれで終わり。そう思う