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娘の結婚まで なんだとコルァぁぁぁ・・・

写真は我が家の愛猫、チビスケ(きりり)


2日後。
息子夫婦が、
「明日から旅に出る」
というので犬猫を預けに来た。

おはぎ
ツナ
上 とろ 下 ささみ とろはささみが産んだ子です

コーヒーを淹れながら、息子にやっぱり聞いてしまう。

「あのさ」
「だから普通」
「もう少し何かないの」
「普通にさわやか」

へぇ。

息子からの情報はそれだけだった。これで営業マンなのだろうか。
私の不満顔というか、不安顔というか、それを見ていたYちゃんが

「おかあさんはいつも通りでいいんですよ」

なんてなんて優しい。この普段からガサツで勢い余る姑に、こんな言葉を言えるなんて。でも、Yちゃんは話を聞きながらずっと笑ってもいた。多分私はよほど滑稽だったのだろう。

私は要領をえない息子の返事に、自分でもよくわからない感情やら何やらを、更にややこしく困惑させつつ、ただただ持て余していた。

私の狼狽は全部オットに伝わり、大変気の毒であった。ムッツラした顔でいる私が、深いため息をつく。そのため息の理由が私自身わからないのだ。
だから傍で私を見ているオットは、どこかビクビクだったかもしれない。

彼は何を思ったか、サッシを外して洗い始めたり、おはぎ(息子から預かった犬)を散歩に連れて行きながらも、
「何かしなければ」
という焦りと、私への怯えが常にあるらしく、私は申し訳ないと思いながらダラダラと掃除をしたり、当日の献立を考えるのであった。

いよいよ明日、という晩。夫の携帯がチロリンと鳴った。

「Mちゃんだ」
「何ですと」

娘から
「明日はよろしくお願いします」
などとメールが来たそうだ。オットは何か返事をしながら、メールの内容を私に言おうとするが
「聞きたくない、言わないで、あなたに来たパーソナルメールでしょ」と逃げる。なぜ逃げるのか自分でもわからない。

何度かチロリンがあり、気が付くと、私にもメールが来ていた。時刻は夫とのやり取りのあとのことである。開くのが怖い。

「何か言ったの?」
「お母さん、なんか悲しそうだよって返事したよ、そしたら母の気持ちはよくわかり…」
「ひぃぃぃ・・・言うな!!」

私は自分でもわからないクヨクヨや、ショボン(´・ω・`)状態なのである。が、それを娘に知られるのもいやだ。娘がとって付けたように私にメールを寄こしたのは、夫から聞いて私の
「塩もみされてクタっとなった」
ような数日を想像したからに違いない。

メールにはこうあった。(当時はまだガラケーだった)

     

懐かしや、ガラケーのメール画面

  

ここでまた、私は自分でも予期しない気持ちになった。

何だとコルァァァ!!!


何でこうなるのか、自分でももうわからないのであった。

「友達を連れて来るようなイメージ」

とはなんだ??? 私は娘より、まだ見ぬそのカレに腹を立てていた。
30過ぎという男が、のこのこと娘の父親や兄に会い、母親にまで会いに来るというのに、
「友達」
とはなんだ!!!
緊張して、背筋伸ばして来るんじゃないのか?
友達たぁどういうことだ、娘はな、今の今までカレシだの恋バナなど私にしたことがないんだよ。娘がこういう重大事を言うときは、事後のことで自分の中で醸成されたからこそなんだぞ。
それなのに・・・


どういう了見でこの、この私に会いに来るのか!!!


娘も娘だ。友達ならいつものようにふらっと来ればいいのだ。なのに、事前に電話寄こして、夫にも、この日は居ろと言い、こっちはな、それなりの覚悟をしなければと思いつつ、あたふたとして、夫なんか、せっかくの10連休私の不機嫌な顔を見ながら、娘の懇願に振り回され、玄関ドアまで外して綺麗に洗ったり、アレコレ体裁整えるのに惜しまないでいるんだぞ、今日だって・・・・

ああ・・・嫌な母親だ私は・・・と思いつつ、どうしたわけかプンスカしている自分に、私はさらに混乱するのであった。


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