ピアスとタトゥー


 ※個人の嗜好、考え方などが大きく関わる話なので好まない方はお読みにならないでください。

 私はアナボコだらけでお絵描きだらけボディの持ち主である。耳に11個、舌に2個のピアスを開けており、左胸上部、背中、腰にタトゥーが入っている。服を着ていればわからないし、舌ピアスというものは案外見えないものなのだが。

 舌ピアスは開けて二週間は倍くらいに腫れたし、軟骨ピアスは激痛の上に安定するまで一年かかった。タトゥーは施術中に変な声が出ることもある。あふん、みたいな。

 舌ピアスは見れば引くだろうし、タトゥーはもうあれよ、ぼろっくそに言われるものですわ。幸い見た人は綺麗だね、これはアートだねと言ってくれるが、世間のイメージなんてもう下の下でしょう。ジムにも入会できない、プール温泉スーパー銭湯全滅(昔ながらの公衆浴場は入れる)、そういうのを全部覚悟の上で入れたがめんどくさいにはめんとくさい。幸い私は湯当たりしやすく温泉やスーパー銭湯にさほど興味がないのでよかったが。プールはつらいが。

 じゃあなぜ自分を傷つける如く穴を開け、絵を彫るのか。
 起爆剤なんである。今あるじゃない、帰れば俺には○○があるんだぜ、とかいうの。あれが私には舌ピアスでありタトゥーなんである。
 背中や腰は自分では見えないのであれなんだが、風呂に入る時や着替える時、自分の肌にある百合の花束を見るとなんというか、すごく上がるのだ。
 万が一、天地がひっくり返って私に今彼氏ができたとしよう。それでムフフな夜が来たとしよう。ビヤ樽ボディーをお見せした時、すごく綺麗なタトゥーだね!なんて言われた日にはもうそりゃハッスルハッスル。逆にうわ…とか言われたらその場で服を着てさようならだ。
 私の命の鼓動がピアスであり、タトゥーである。存在を示すものである。だから否定する相手とは友人にはなれてもそれ以上にはなれないし、消せば?とか言われたら友情が消える。

 私にとってピアスもタトゥーもファッションではない。それは魂だ。
 穴の数だけ、彫られた絵柄の数だけ魂がそこにあり、それで生きていける。明日を生きられる。

 ゆえに、ピアスはともかくタトゥーはおすすめしない。あれはおしゃれのために入れるものではない。文字通り一生物であり、一生添い遂げるものであり、そのための不便を耐え抜くものだから。MRIも今は普通に使えるし、まともなスタジオなら感染症などの心配もまずないが、おすすめしない。後から消すくらいなら入れなければいい。

 ちなみに私がお願いしてる彫り師さんはセンスも腕も抜群である。もしも拝みたければ私にアタックしてくれ。ビヤ樽だけど。


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