藤井風とブランディング
こんにちは。福田屋百貨店ブランディング推進室です。
いつも福田屋百貨店のイベントやSDGsプロジェクトについてご報告させて頂いておりますが、今日は少し個人的な内容を記事にしますね。
ブランディング推進室の私ですが、2022年9月にブランディング推進室が発足するまでは、婦人服のバイヤーを6年半務めさせて頂いておりました。
バイヤー時代には、全国のメーカーや縫製工場を巡りました。
その中でも、岡山への出張は個人的に印象に残るものでした。
岡山の倉敷地区はデニムを中心としたコットンを扱うメーカーが非常に多い地区です。倉敷には美観地区と言う、素晴らしい歴史ある場所があります。
その倉敷の美観地区にショップを構えるアパレルメーカーの社長と、なぜか地元岡山出身の藤井風の話で盛り上がり、取引につながることになったのです。
私と藤井風との出会いは、『帰ろう』と言う曲をたまたまカーラジオから聞いた時です。
2020年のコロナパンデミックにより、福田屋百貨店も来店数が大幅に劇減し、営業が厳しい状況でした。当時婦人服バイヤーであった私の所へは、取引先の営業からアパレルショップの営業自粛や、閉店の打診の電話が毎日のようにかかっていたのでした。
そんなナーバスになる仕事場からの帰り路。
地元のコミュニティFM、そして在京FMから藤井風のこの曲が流れてきたのです。
20代前半の彼が唄うこの曲。
明らかに人生を達観している人にしか書けない詩です。
20代とは思えない素晴らしい詩と曲を彼は作ったのです。
そして、コロナ禍で少し疲れた私の心を癒してくれました。
なぜか、『帰ろう』のPVに写る風力発電に興味を持った私は、どこにあるのか気になりました。
PVに写る風力発電は、茨城県神栖市の太平洋沿岸に建てられたものでした。
その風力発電をこの目で確かめたいと思い、宇都宮市から車で片道3時間半かけて
風力発電を見て来たのが、冒頭の画像になります。
そんな彼が、また素晴らしい、そして美しい唄を私たちに届けてくれました。
『満ちてゆく』
このタイトルを付けることも、達観しているとしか言いようがないと思います。
手を放す 軽くなる 満ちてゆく
大切なものは、自分の手にしていたい。出来れば永遠に。しかし、それは不可能。
それは時に執着心と言う、めんどくさいものになる。そんな自分が嫌になる。
この唄を聴いて、このフレーズを知った時、一度自分が手にしていたいものを放してごらん。そしたら手や心が軽くなるでしょ?そして、なんか心が満ちてゆくでしょ? じんわりと。そんな自分が好きになるでしょ。
そう藤井風は私に問いかけているように感じたのです。
20代の頃の私は、社会に出たばかりで野心ばかり先走り、毎日をがむしゃらに生きていました。その時に、人生の大先輩に、一度、心を解いてみてごらんよ。と
声をかけられました。
心を解く? 自分の心に絡みつく無数の野心やエゴという紐を解いてみてごらん。
その時聞いた時も、この藤井風の『満ちてゆく』を聴いた時も同じような感覚だったことを覚えています。
『帰ろう』も『満ちてゆく』もずっと聴いていたい唄。
藤井風、本人にとっても彼の人生を代表する唄だと私は思います。
世代や国境を超えて、彼は愛される。
今の時代に現れた彼は、救世主なのか。
今日も彼の唄に癒される自分がいる。
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