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あの日ザンギを食う、前夜の話

新しい常識の世界も、気がつけば3度目の春を迎えていた。

例年よりも積雪が異常に多く、あの札幌市ですら街が機能停止したほどに厳しい冬がようやく終わるも、まだ遠出をすると言う意識は薄かった。

2022年4月2日。
久々に札幌ドームへサッカー観戦に行ったもののナイトゲームだったこともあり直行直帰同然の行動を取っていた。
この時点では「また暫くは自宅観戦かな」と言う意識だった。


この2週間後、自分の意識が変わる大きな出来事が起きる。
と言うより、意識が変わったきっかけは「対戦相手のサポーター達」だったのである。


2022年4月16日。
北海道コンサドーレ札幌ーFC東京
試合こそスコアレスドローで終わったし、この試合自体は自宅で観戦していた。
だがきっかけとなったのは試合そのものじゃない。
試合に至る際の東京サポーター達の行動である。

・まだ本編どころかザンギの写真すら出てこないこの文章をここまでご覧の、心の優しい皆様へ
「#蝗活」と言うハッシュタグがあるのをご存じであろうか?
「蝗活」と言うのはFC東京のサポーターがアウェーの試合に遠征する際、その現地のグルメをみんなで蝗の如く食べ尽くす活動の事である。
彼らにとっては自粛明け直後というタイミングでの札幌、いや北海道ということもあり徹底的に溜め込んでいたエネルギーを北の大地で爆発させたのであった。

試合前後、特に試合後から精力的に動き出す彼らの行動を、ある意味試合以上に興味を持って追っていた。

試合前日
・新千歳空港に着いたというのに、試合会場のある札幌と真逆方向の苫小牧に向かいホッキカレーや牡蠣食べてた人

試合終了直後
・札幌市内市外を問わず「君らどうしてそこ知ってんだ」と言いたくなるような地元民御用達の店に徹底して向かう東京サポ
・15時に札幌で試合が終わったのに5時間後に美瑛でフレンチ食べてた人
・15時に試合が終わったというのに17時に丘珠空港から釧路へ飛んだ人

試合翌日
・早朝から音更の柳月に並んでいた人
・「だからどうしてそこ知ってんだ」音威子府の蕎麦屋に向かった人
・稚内に向かい日本最北端のマ○ドナルドにあるドナ○ド像にFC東京のタオルマフラーかけてた人

これらをツイッター上でリアルタイムで見ながら脱帽するとともに、「そろそろ行動してみるか!」という意識が芽生えた。

数日後にルヴァンカップの試合があるから厚別公園陸上競技場に行こう。そう決めた。

アイツらと出会う、前夜である。
次回、ようやくあのザンギ出てくるよ(続く)

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