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富山のまちなかにキャンプ場!?私の目線で「HUB」をお伝えします!

本記事は、昨年(2021年)12月に富山県富山市の総曲輪通り沿いにオープンした「インフォメーションスタジオ HUB(ハブ)」の立ち上げ経緯や構想について、設立者であるエイションワン合同会社代表の島田氏に話を伺い、その内容を筆者の専門分野でもある「建築の視点」も交えてまとめたnoteとなります。

「HUB」ってどんな場所?

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「HUB」という名前には、ヒトとヒト、ヒトと地域をつなぐ役割を担う場所でありたいという願いが込められている。

Human Unite Base(ヒューマン・ユナイト・ベース)
それぞれの頭文字を取って「HUB(ハブ)」

拠点は、富山県富山市の中心部「総曲輪(そうがわ)通り商店街」の一角
、ガラス張りの角地ビルの2階にある。

総曲輪通りといえば、富山市の中心地である。

しかし、かつては買い物を楽しんだり、娯楽施設を利用する人々で賑わっていたこの場所も、最近では生活スタイルの多様化や、郊外型の大型ショッピングモールの乱立により当時の賑わいは影を潜めつつある。

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通りを歩く人の流れも、当時に比べるとやや少なくなったようにと感じる。そんな場所に「HUB」はできた。

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ガラス張りで通りと一体化しているような開放的な空間。
この建物の中をちょっと覗いてみよう。

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普段の生活とは、いささか違った異空間。
(まちなかなのにキャンプ場???)

ここは一体、どういう目的で作られた場所なのか?
どんどんと謎が深まる・・・

この謎を解き明かしてくれるのが、この場所を設立・運営するエイションワン合同会社代表の島田氏だ。

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画面左がエイションワン合同会社代表の島田氏。
画面右は共同運営をしているライブリード株式会社の杉谷氏。

事業を立ち上げたきっかけ

島田氏は富山市のまちなかで生まれ育った。
同氏は次のように話す。

「子供の頃は、スクランブル交差点を歩けば、知り合いの人とばったり出会い、商店街を通れば、店主のおっちゃんやおばちゃんが声をかけてくれる毎日。休日は父親と一緒に映画館へ出かけたり、祭りの季節になれば夜店の灯にワクワクさせられた」

まちなかは、少年時代の島田氏にとって色々な魅力が集まるワンダーランドだったのだ。大人になるにつれ、この思い出の場所で、お世話になった方々や自分を育ててくれた地域に対して、何かで貢献したいと考えるようになっていったそうだ。

少し話は逸れるが、島田氏の経営するエイションワン合同会社の業務の一環として「人と人との対話の仕組み作り」がある。誰かと誰かが出会えば、対話が生まれる。対話が生まれる場所を自分が生まれ育った地元に創りたい。そんな思いが「HUB」の原点に眠っていることも教えてもらった。

拠点場所(富山のまちなか)にも、強いこだわりがある。まちなかには、商業施設や文化施設がコンパクトにまとまっている。近くには、「総曲輪ベース(SOGAWA BASE)」をはじめとした個性的な店舗も多く、定期的なイベントも頻繁に開催されている。

家族での買い物帰りや、美術鑑賞の後に、フラッと立ち寄れる自由なスペースがあったらワクワクしそう!せっかくだから、ついでにHUBに立ち寄ったらそこで何か新しい出会いが待ってるかもしれない!

構想段階から、設立メンバーと一緒に上記のようなビジョンを描いていたそうだ。そんな期待を背負い、HUBは2021年12月にスタートした。

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まちなかに詰まっているワクワクを発信!

最近では、コワーキングスペースやシェアオフィスなどのビジネスワーカーが利用する施設については、富山のまちなかでも少しずつ増えてきているにように感じる。

しかし、会社勤めのサラリーマンや専業主婦、子供など、一般の方でも気軽に立ち寄れる昔ながらの「寄り合い場」のような場所がまちなかにはあるのだろうか。楽しい仲間が集って、気兼ねなくワイワイよもやま話ができるような場所が。

最近の推し💗について語らう場でもよし。
一人で抱え込んでた悩み相談の場でもよし。
夏休みの自由研究の追い込み場でもよし。

一人じゃできない事も、仲間が集まれば力は何倍にも膨らむはずだ。
それができるのは「HUB」ではないかと私は考える。

「中心地」といえばモノや情報が集まる場所だが、ひとりでそれらの情報を集め発信するというのは苦労する部分が多い。人が集まるような場所に身を置くことができれば、情報も自ずと集まり、新しい発見も生まれやすい。

「HUB」は、情報収集(交流)だけではなく、商品や自分の創作した作品を展示・販売できるスペースも併設されている。フラッと訪れた人に、コアな魅力を発信できる場としても期待できるはずだ。

また、室内は自由に活用できるように可動式のテーブルが多く設置されており、用途にあせてレイアウトの変更ができる。建物の目線から考えても、きっと喜んでいるに違いない。

インテリアのイメージは、写真を見ての通り「キャンプ場」だ。部屋の中央にあるのは、キャンパーがこぞって愛用しているヘキサゴンテーブル。野外だと焚火ができるように真ん中がポッカリと開いている。

機能的かつオシャレ~!
ここは室内なので、コンロをセットしてお鍋会も良いかも。

思わず、私の内なる声が飛び出してしまいました。笑

とにかく、寄り合い場の真ん中には囲炉裏がよく似合う。ここでは囲炉裏代わり!?のガスコンロを囲んで気が合う仲間同士語り合う事もありなのだ。

ワイワイとよもやま話ができる寄り合い場がここ富山のまちなかにあった。

このあとにご紹介する「HUB CHANNEL」でのひとコマ

寄り合い場は情報の源。かつてはおばちゃん達がおしゃべりするだけだった場所も、今は令和の時代・・・SNSで遠くの人に情報発信も出来れば、自分自身がプロデューサーになって自分の作った動画を日本中、いや世界中の人に見てもらえる凄い時代。

一般の方が動画配信となると機材を揃えることが難しくハードルが高い。しかし、HUBに来ればプロジェクターや撮影機材は揃っている。情報発信の内容は個人の自由で、友人仲間同士や家族の記念に残るようなアルバム的な利用でも面白そうだ。

「ワクワク」は水などが出てくる様子を意味する「沸く」「湧く」から生まれた言葉だそうだ。それぞれの心から沸き上がったワクワクを共有できる場所として「HUB」を大いに活用していただきたい。

「HUB」では、動画コンテンツを定期的に配信している。
その名も「HUB CHANNEL」だ。

コチラの記事もぜひ参考にしてください。

ご覧の通り、スタッフ顔出しでゆる~く配信されている。ライブ配信なのでチャットで話しかければすぐに質問にも答えてくれる。配信者だけが知っている新しい情報もキャッチできるかもしれない。広報やフリーペーパーの広告的な内容では受け取ることのできない親近感もライブ配信で得られるはずだ。これからも色々なスポットを巡って「HUB CHANNELらしい情報発信」をお送りされる予定なので、是非ともYoutubeのチャンネル登録を!

HUBのこれからの展望

島田氏との会話の中に「偶発的」という言葉がよく登場する。ある共通の知人を介して知らない人同士が偶然に友達になることも偶発的な出来事のひとつ。コミュニティは、そういう偶発的な出来事が重なってできることがあると同氏は考えている。

その逆もしかりで、あるコミュニティに参加したら、その中の一人と仲良くなるということもある。私は「Npo法人滑川宿まちなみ保存と活用の会」に参加しているが、その中でも知り合いが増えてきている。新しい事にチャレンジしてみたら、人の輪が広がったということを実際に体現している。

島田氏は言う。


人のバックグラウンドには自分が生まれ育った地域がある。人と人を繋ぐことは地域と地域を繋ぐことであり、結果的には人と地域を繋ぐこととなる。来てくれた人が何かを見つけて飛び立ってくれる出発点であればいい。

ここは地域と人を繋ぐという目的のゴール地点ではなく、繋いで広がっていく出発点でありたいと願う島田氏の言葉の意味が分った気がした。

執筆:田嶋 由美子


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