マガジンのカバー画像

人生を巡るエチュード #書き手のための変奏曲

15
ただただ自分のために。思い出、ルーツ、言葉にできなかったもの、私をかたちづくったもの、それらを言葉にしてみます。文章で自分と向き合う旅に出ます。
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

人生を巡るエチュード #書き手のための変奏曲

昔から何か作り出すことに興味があった。 絵でも字でも、詩、編み物、ビーズ、自分の手によっ…

いつでもやめられる

眩しいくらい光に溢れた舞台の上 そのとき私は確かに音楽とひとつになった ********…

息をするように

「芝居」と「演技」は違う。 これは、俳優の窪塚洋介さんが言っていたこと。「芝居」は「芝に…

偲ぶ

明日はピアノの調律がくるので、部屋を掃除していた。 途中何を思ったか、めったにさわらない…

簡単に思えることこそ難しい

 レガートが一番難しい そんな話をダンサーとした思い出がある。彼女は専門学校でミュージカ…

こんな日ぐらい昔の話を

いつも思い出してる訳じゃないんだけど。 こんな日ぐらい昔の話を。 * こないだおじいちゃ…

57回目の8月が来る

この人、なんかおじいちゃんに似てない? あぁほんとだねぇ 所さんの笑ってコラえて!のダーツの旅を見ながら祖母に話しかけた。 それが始まりだった。 * 私の家には祖母しかいなかった。両親と弟妹と6人家族。祖父は黒縁の中で合成された紋付を着て、微笑んでいるだけだった。私には祖父の記憶もないし、家で話題にあがることもない。それもそうだろう。父が12歳のときに亡くなっていたのだから。 我が家に”おじいちゃん”がいないと認識したのはいつだったかもう覚えていない。母の実家に行く

願いは叶う 思いは届く #蜜蜂と遠雷

ギフト。 皆さんに、風間塵をお贈りする。 あのとき出会ったから あのとき出会わなければ あ…

モデラートの本当の意味

「おまえたち、モデラートの意味を知ってるか?」 大学のオペラの授業で、演出家の先生から投…

感想がないなんて人間じゃない

小さいときから本がすきだった。 本屋さんの入口のクルクルまわるラックにたくさんつまってる…

海の音 海の風

初めての一人暮らしは埼玉は所沢だった。 お風呂とトイレが一緒の1R。ピアノ可の物件だった…

忘れる順番

声から忘れる。 次に顔が思い出せなくなって、 最後に、思い出を忘れる。 亡くなった人のこと…

誰かがそばにいる

先月末、教養のエチュード賞に初めて参加した。 読んでいただいた方から、温かい言葉を頂戴し…

かかっている呪いに気づくのは難しい

私は料理が苦手だ。 いつからかはわからない。 気づいたら苦手だった。 元々あんまり食に興味がなく、家で料理の手伝いをすることもほとんどなかった。 大学に通っていたころは(卒業してからも)お金が無いのも相まって、腹が膨れればなんでも良いというような考えで過ごしていた。 ”料理コンプレックスの呪いから解放されたい” このタイトルを見て、読まずにはいられなかった。 呪いって何だろう。そうか、料理を手伝うたびにお母さんに馬鹿にされていたのか。そりゃしんどいよな。自分は料理下手