千羽鶴。

「きっと良くなる・・・。」

そぉ~思って折り始めた折り鶴。

「今日は無理だったけど、きっと明日は・・・。」

そぉ~思って折り続けた折り鶴。

でも、10羽折っても、100羽折っても、アナタはそこから出られなかった。

丁度、1000羽を折り終えた夜、奇跡は起きた。

長い、長い、本当に長い時間、そこから出られなかったのに・・・。

新しい陽の光の中、アナタは外に出ることが出来た。

信じて、願って、自分に出来る限りのことをして。

周囲の人間は短命だと言う人の意見を信じて疑わなかったけれど、アナタは精一杯生きた。

小学校の制服も着れた。

そして、中学校の制服も、高等学校の制服も着ることが出来た。

誰もが無理だと信じて疑わなかった。

それでも、アナタは念願だった振り袖を身にまとい、満面の笑みを浮かべて写真に自らの姿を記録した。

同年齢の人間と比べたら、決して、自由だったとは言えないかも知れない。

でも、アナタは、自分に出来る限りのことをして、精一杯生きた。

アナタが短くて長い生涯を終えたとき、最後の最後までアナタは笑顔だった。

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