H a p p a n o U p d a t e s - No.213

音楽家と音楽業界を後押ししたスペシャリストたち❷
シカゴのブロードキャスター、ブルース・ダフィーが聞く
ハンス・ハインスハイマー(音楽出版者)
だいこくかずえ:訳

このシリーズでは、レコード・プロデューサー、音楽出版者、パトロンなど音楽業界の5人のスペシャリストのインタビューを紹介していきます。

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第2回は20世紀の現代クラシック音楽に大きく貢献した出版人、ハンスハイマーのインタビューです。ユニヴァーサル・エディションやブージー&ホークスといった世界的な音楽出版社で、バルトーク、ベルク、クルト・ヴァイル、コープランドなどの作曲家をプロモートして、世の中に紹介し広めました。ハンスハイマーは、第2次大戦中にニューヨークで困窮していたバルトークを支援しつづけたことでも知られています。

動物たちの外科手術(4) 
ウィリアム・J・ロング著『クマさんの小さな弟分』より 
チャールズ・コープランド:絵 だいこくかずえ:訳

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<ケワタガモの荒療治>

塩水にしか住まないケワタガモが、真水の池にいるところを見つけた著者は、不思議に思って観察をはじめます。ケワタガモは頭を水に突っ込んでしばらくそのままの体勢。そして頭を出してまた同じことを繰り返します。いったいここで何をしているのか。もう一つおかしなことは、塩水の岩にいるはずのイガイという貝を、ケワタガモが舌の上に乗せていたことでした。海にいるはずのケワタガモとイガイ、この二者がそろって真水の池にいる。著者の謎解きがはじまります。

*来月から同じ著者による『オオカミの生き方』を連載します。

今月のピックアップ | Choice of the Month
オッケ川で(『ヤールー川はながれる』より)
ミロク・リー
だいこくかずえ:訳
写真:Caitriana Nicholson, Brandon HowardFollow

旧サイトから毎月一つ、作品を選んで紹介しています。2月のピックアップは、朝鮮半島出身でドイツ語で作品を書いていたミロク・リーの自伝的小説から。朝鮮半島が日本統治下となった1919年、11歳だった主人公は、混乱と失意の時代を過ごすことになります。「オッケ川で」には、主人公が日本の軍隊と間近に接したときの衝撃とともに、父親と過ごした最後の夏の思い出がつづられています。

English version "On the Okke Brook" by Li Mirok

happano journal 活動日誌
2.14/20 ネットレーベル&DJカルチャー
2.28/20 オオカミの生き方

クラブやネット上で、すでに録音された音楽を素材としてつかい「新たな音楽」をつくり発信する人たち、DJあるいはトラックメイカー、あるいは作曲家。非常にクリエイティブなことをしているのは間違いないのですが、従来の音楽の考え方や方法論からは外れるところがいろいろあります。彼らの音楽を聞いたり調べているなかで、サウンド・リサイクルという言葉に行き当たり、起きていることの全容がおおよそつかめた気持ちになりました。

葉っぱの坑夫からお知らせ

動物の森 1999 - 2001』(葉っぱの坑夫、2014年、新版)の大竹英洋さんが、写真集『ノースウッズ─生命を与える大地─』を出版されました。大判の正方形に近い判型で、カナダの湖水地方の自然や野生動物がたっぷり広々と楽しめる本になっています。大竹さんは2017年に出版した『そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森ノースウッズ』で梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞しています。こちらは写真家になるまでの経緯やノースウッズでの暮らしやカヌーの旅を綴ったエッセイ集です。

Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org


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