セミナーレポート【北欧フィンランドの「アントレプレナーシップ教育」を学ぶ! 自己肯定感を高める「Self-awareness(自分を知る)】05/18/2020

■参加目的

世界の幸福度No.1北欧フィンランドの教育の本質を理解する。特に起業家精神・自己理解を養う教育は、どういう内容かを知り、なぜ北欧で展開されているかを理解したい。そして教育現場の方とつながりながら、ともに日本社会にヒントを得て探っていきたい。

■概要

"北欧フィンランドの「アントレプレナーシップ教育」を学ぶ! 自己肯定感を高める「Self-awareness(自分を知る)」"

主催:Edu Live Talk  日程:2020年5月17日Finlandよりオンライン

ガイド:"北欧フィンランドの教育都市オウルのオウル大学大学院で「教育学」と「グローバリゼーション」を学ぶ田中潤子さん。「自己肯定感を高めるヒント」として、フィンランドでも年々注力されている「アントレプレナーシップ教育」を日本でももっと取り入れることが出来ないかと考え研究"

■内容

●メッセージ:「自分が自分であって大丈夫」と思える人を増やしたい。

●「自己肯定感を高める」ため「Self-awareness(自分を知る機会づくり)」

●「自己肯定感」・自分が自分であって大丈夫と思えるためには?

-自分を知ること/客観視できること ⇒自分を知る機会(考え、感情、特性)

-大事にされた経験、自分が失敗しても受け止めてもらえる経験、表現したことを受け入れてもらえる経験

●人口わずか500万人、資源のない持たざる国・北欧の小国フィンランド

ヨーロッパ全体でアントレプレナーシップ教育、かつてのソ連の影響もある。自分の人生を自分で作るしくみを生み出す。

●フィンランド教育の目的/特徴:

<教育の目的>

・イノベーションを実現できる力の育成 

・すべての子どもに「健康で安心できる幸福な状態(Well-being)」提供

<教育の特徴>

・自立した学び手の育成:徹底的に個人特性に合わせた環境作り

・平等、公平性、信頼:

平等=家庭環境、個人の特性(特性が違うのに、象に猿でないのに木をのぼらせることはできない)

参考>9割以上公立小中学校、学費無償、受験なし(高校卒業試験のみ)、移民への言語補修授業

・家庭と学校の関係性=日本とは違う
家庭の教育方針を提出する、家庭が主体、学校がそれをサポートする役割

●フィンランド アントレプレナーシップ教育

人々が自分自身に対して責任を持ち、積極的にかじ取りをしていく準備をするもの。スキル・知識・態度など必要な力を獲得し、自分自身で進めていけるように。生涯学習のベース。

※幼児期から大学まで各ステージでアントレプレナー的な仕事生活スキル目標。それを学ぶ環境と手法についてがガイドラインにもなっている。

<自分を知る機会>

①日々の気分を表現するツール

②学習環境、場所の選択

③自分で自分を評価する:小学生は学期ごとの自己評価、学期の終わりに3社面談実施、小学1年生から自分の学びについて考え、責任を持つ。

他人軸ではなく、自分軸、自分がどうしたいかを言う。答えのない問いを追求していく。

④自分に向き合う:自分の感情を扱えるようになる、他者と生きていく中で落ち着いて行動できるように。学習を含めた学校生活に生きる。強み理解も。小学生で8週間ほどの授業、時間を作ること、身近に感じられるストーリー。

⑤Me&My City:小学6年生対象、中学3年生でビジネスに特化した内容へ、全10回の授業と1日体験、社会・経済・仕事生活について学ぶ。自分の強みのPRシートなど。

⑥小中学生で起業体験:自分の好きなこと得意なことがあるからやっている。

●メッセージ

“なぜ学ぶのか、なんのために学ぶのか、どうやったら学べるか?など自分の学びに責任をもつ。学ぶことについて小学生より話して体現してきた。学びには、学び方には違いがあること、難しさを感じる特徴があることは当たり前に会話され、弱さやタブーとされない。時間が必要な場合もある。むしろエンパワーされるツールとされている。自分の学びが分かっていて周りに助けを伝えていける、周りもサポートできる。言語化して形にしていける。自身のことを主張し、自身の強みに合わせた選択ができる。”


●日本と北欧との違い「子どもに対して」(参加者コメント)

日本)子どもの能力は真っさらの状態、だからつめてあげなきゃ=悪意のない善意となっているのではないか?
北フィンランド)子どもはGifted、大人が子供に何を引き出してあげようかを考える。大人もガチで外遊びするなど、好きなことがあって熱中するのが人であることを前提にしている。それは年齢関係ないのでは。

リモート中

日本)早く宿題出して、学校が何とかして。
フィンランド)家庭が子どもを育てる前提なので、そのまま家庭で学習スムーズに進める。2日後にリモートICT対応。ICTが進んでいるだけの背景ではない。家庭の中で親も子供も自分たちに主体的に学ぶ社会がある。


■自分の感想/今後に活かしたいこと

・このワークショップでは、教員の方々が多く参加されており、現場でどう活かせるのか実践的に考える場となった。実践できない現状課題では、保護者への配慮があるよう。フィンランドの教育モデルは、人間の本質(問を立てる・考える・学び)、学び、家庭・学校の在り方など、とてもシンプルで大事な要素がつまっていると感じた。人間社会のあるべき姿を体現しているので、どうにか導入していけないのか。

















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