読書レポート【フィンランドの教育はなぜ世界一なのか】(著者:岩竹美加子 2019年 新潮社) #⑤考える力 #⑥兵役

【フィンランドの教育はなぜ世界一なのか】(著者:岩竹美加子 2019年) 

https://honto.jp/netstore/pd-book_29675707.html

※下記、要素を抜粋

#⑤フィンランドはこうして「考える力」を育てている

【高校】

・学習する義務はあるが、学校に行く義務はない

日本)学校に行く義務がある、不登校はお上に逆らうような響き

・ホームスクールという選択 ・普通高校(60%)と職業学校(40%後仕事につく)

・高校の時間割は自分で作る

ソーシャルスタディーズ:大統領選前に各政党の候補者を呼びディスカッション、誰が大統領にふさわしいかを、その高校生たちが投票し、議論

・全国一律ではない高校の卒業試験:年に2度3回受けられる、テストがないフィンランドの中で唯一の試験といってよい一斉試験

・高校卒業は一大イベント

【大学】

・大学と応用科学大学(50%, 50%):理論と実践の違い:博士まである、と、学士まで

・親の経済力に関係なく高等教育が受けられる理由

経済的な理由で教育が受けられない経済格差をなくすため

日本)

-貧困化が進む:6人に1人は貧困(所得122万円以下が16.1%)経済格差に加えて、大きな地方格差もある。親の収入が伸びない一方で、大学の授業料は値上がりしており、経済的理由で進学を諦めざるおえない若い人たちがいる。奨学金を借りるためには、保証人が必要で、親や親類が保証人になっている場合は、返済の義務が移行する。支払いに苦しんだり、破産が連鎖したりしていくケースも多い。

-教育の公的負担が少ない:2018年OECD調査で、加盟国中の公的支出は最下位。国は教育に責任を持たず、親が責任を持つという考え。多くの親は、子どもが小さい時から学資保険に入るなどして高い教育費を賄う。

・無理がない学習ローンの返済

・大学の仕組み

緩やかな組織・制度、自分で学んでいくスタイル(教えてくれるというよりも)、インデペンデントスタディーズ

学生と社会人の線引きがない、何年で卒業できるかわからない、一斉卒業ではなく論文が認められると卒業、教員数授業数が少ない、大学院は存在しないに等しく授業がなく自分で進めていく、博士号を取るに40歳までかかる人もいることがあったかつてが、今は5-6年でが推奨される

・学生も大学の運営に参加

【就職】

・どうやって仕事を見つけるか

働いたり学んだりして生き方を模索している

一斉卒業と一斉就職はない、大学は進路指導ない、

最初から正規の雇用はなく非正規雇用で契約を更新していく方式

徐々に経験しながら正規雇用を見つけていく

失業保険や住宅手当が整っているので職探しも安心

職場は年功序列ではなく平等

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#⑥フィンランドの愛国と兵役

・兵役義務

-憲法で定められる、男性18-60歳(高校卒業から29歳の間が推奨)、シビルサービス(兵役義務拒否)選択では義務なし -5.5~7.5~11.5か月 -ソ連崩壊後の世代は戦争兵役を肯定的に語る風潮(男らしさ)

・愛国教育と独立の歴史

高校卒業後で英雄墓地を訪問

かつてからロシアの自治区、1917年ソ連に立ち向かって独立を勝ち取った

国民国家は、戦争と軍事によって独立を守るという思想に

・軍隊での生活・兵士の誓い・日当や諸手当(8,000円程度)

・シビルサービスという選択肢・エホバの証人の兵役義務免除

・トータルな拒否

・女性の任意兵役・エリサベト・レーンという政治家・国防婦人組織

・北欧の兵役事業:スウェーデン:2010年廃止だが2018年再会(クリミア併合・バルト海エリアでの緊張の高まりに呼応したもの)、ノルウェー:男女の兵役に関する平等

・国防の目的:独立と不可侵、権利を守る、NATO不加入の視点で、市民が自分の身体で国を守る

パトリア:武器製造、販売、輸出をしているフィンランドの会社、政府出資、政府所有の会社、戦闘エリアへの武器輸出を行っていることに批判も

■自身の感想と今後に活かすこと

#⑤フィンランドはこうして「考える力」を育てている

高校では好きな科目を自由に選びながら、自分の学びをどう学ぶか(楽しさ・哲学・知りたい興味の深さを追求)を学ぶことが分かった。学ぶことが自分のために行っている自発的なことである体験を行っている。学校から指示されて、もしくは世の中の通年で勉強はやるものだと無理強いされてやる行為ではない。純粋に自信の学びをどうつなげていくのか、自分と向き合って行う時間がある。一斉試験の内容が、情報の確認ではなく、問いに自分なりに答えていくものであったように思うが、もう少し深く知りたくなった。

(エッセイなどもあるのかなど)

#⑥フィンランドの愛国と兵役

日本にない制度に驚いた。平和のフィンランドでも過去の歴史と今の考え方において、兵役がある。国防の目的が、独立と不可侵を意識し、権利を守る、市民が自分の身体で国を守る、という意識があることを理解した。そして現代の若者がそれを受け入れていることも意外だった。かつての世代よりも軍国であることを純粋に愛国心として受け入れている印象。

日本においては、戦争経緯があり、戦争や軍、愛国心については、センシティブに取り上げられ、むしろネガティブなこともある。本当の愛国心とはどうあるべきなのかを考えさせられる章であった。






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