セミナーレポート【デンマーク発世界で活躍するReD Associateに学ぶ「時代を超えた本質的な問いとは?」】05/14/2020

【セミナー概要】

主催:Laere 内容:デンマーク発世界で活躍するReD Associatesに学ぶ「時代を超えた本質的な問い」とは? 〜人文科学をベースとしたセンスメイキングアプローチ〜 Pop Up Creative Class Online Vol.4
https://peatix.com/event/1476576

 【イベントメッセージ】ReD Associatesというデンマークのイノベーションコンサルティングファームをご存知でしょうか?同社は、哲学、歴史学、考古学、美術史、心理学など、博士レベルの専門家を擁し、人文科学を基盤としたコンサルティングを専門としています。
人間の行動や社会、文化への深い観察と没入により導き出される洞察は、企業にとってビジネスの意義を再考する本質的な「問い」をもたらします。科学・技術・工学・数学といったSTEM教育やビッグデータ、AIが脚光を浴びる時代に、定量的な「正しさ」よりも、人間の知性に根ざし、文化への確かな眼差しから「真実」を探ることに重きを置いています。この「意味を作り出し、意味を解釈するのは、人」という信念のもと行われる同社のアプローチは、創業者クリスチャン・マスビアウ氏により「センスメイキング〜本当に重要なものを見極める力」という書籍にまとめられ、日本でも大きな話題を呼びました。現在、新型コロナウィルス感染拡大によりあらゆる分野で「意義」を問い直す必要性に迫れています。「正しい答え」を求めても得られない状況下で、いま何が起きていて、自分たちはどこに向かうのかの「意味付け」が求められているのではないでしょうか。
今回のイベントでは、ReD Associates・シニアコンサルタントであるダニエル・バード氏を招待し、同社のセンスメイキングアプローチから現在の状況を「意味付け」する糸口を探っていきたいと考えています。

【セミナー登壇】

ReD associate(デンマークデザインコンサルファーム)

画像7

画像8

【ReD associateとは】

「人間中心デザイン」「自分科学を基盤としたイノベーションコンサルティングファーム」

ビジネスにおいて、「社会科学」の考え方を持ってくる意味を作り出し、意味を解釈するのは人
画像1

画像3

-オフィス:デンマーク コペンハーゲン

-クライアント:グローバル企業(ファイナンス、ヘルスケア、テクノロジー、BtoB/C)戦略的、商業的課題解決

画像2


【ReDのPhilosophy】

① Deeply understanding customers experiences and behavior is critical to good commercial decision making.
人間顧客の行動・経験をよく理解することが、決断で大事。
② Product and service innovation should be driven by customers needs rather than technological capabilities.
人々のニーズ、フラストレーションに技術がフィットする。人間中心のデザインの考え方、戦略的に使っていく。
③ During research, by temporarily setting aside hypotheses, we open up to the chance of making new discoveries and can avoid falling into the trap of confirmation bias.
仮説を積み立てるとは思うが、仮説を一旦置いておく、ソリューションを探求する。リサーチを行う。
④ People are not always reliable authorities on their own thoughts and behaviors: we need to go further than asking people through survey and interviews
人間がなぜ行動するのかを観察、日常の中で、自然な状況で見ていく、そのままの状況を見る。

【ReD 分析/課題解決へのプロセス】

●Business/ Commercial QuestionsからSocial Science Questionに設定する

●仮説を立てずリサーチを行い、その後サンプルを見て仮説を立て検証  

●検証に当たっては、ディスカッション・対話を大事にしていく

1.Social Scienceの問いへリフレーミング
2.人間中心のリサーチ:人々の行動を掘り下げる、パターンがあるのかを見出していく、サンプル数の中から何が見つけられるかを見る
3.仮説を立てる:一度仮説を置いたがここからサンプルを見て仮説を立てる
4.仮説分析:正しいかを分析していく、顧客ユーザーで学べたことを述べる
5.新規サービス開発の意味・インサイトを創出:ビジネスバリューとして実現につなげられるような明確な価値を見出す            6.日常の中でエスノグラフィー的に観察・解決策を生む:対象者の気持ちをヒアリング 

7.ディスカッション・新しい価値を生み出す:膨大なデータを踏まえ、戦略的示唆につながるようにディスカッションを行う、そしてクライアント技術を理解しながら、新しい視点を生み出す。新しい成長・R&Dを得るために、インサイトをどういう活用をしていけるのかを具体的アイデアで創出する。常にBusiness Sceiece/ Social Scienceを行き来きする。    

例)医療新薬開発:患者が病気と毎日向き合う気持ち、どこで助けを求めるのかなど気持ちに寄り添った分析を踏まえ、新規開発の課題解決を行う

画像5

画像6

■感想/今後に活かしたいこと

●「人間中心」の考え方をもとに、リサーチ、課題抽出、感情・エスノグラフィー分析、など、商業的アプローチではなく、人間科学中心アプローチからコンサルを行う点が勉強になった。

●"定量的な「正しさ」よりも、人間の知性に根ざし、文化への確かな眼差しから「真実」を探ることに重きを置く。この「意味を作り出し、意味を解釈するのは、人」"というコンサルティング会社のフィロソフィーは、本質をついていると思った。

●初めから仮説を立てない、という点も面白かった。リサーチをする前に仮説を立てるものだが、先入観を持たずに、ありのままをとらえ、その後、調査サンプルを見て、仮説を立てるという手法は斬新だと思った。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?