セミナーレポ―ト【フィンランド発『自分を生きる』とは?②~青年期編~】05/15/2020

■参加動機

前回に引き続き、フィンランド教育のエッセンスを理解。特に、社会に出る前に青年期でどのようなマインドセットがされていくのかに興味。

■内容

フィンランド発『自分を生きる』とは

https://peatix.com/event/1453168

主催:エココンシャスジャパン 

ガイド:ヒルトゥネン久美子さん(フィンランド在住26年、教育と福祉のスペシャリスト、フィンランドで結婚生活、子育て、社会参加、起業を経験)

第2回テーマ:「自分を生きる~自分を知り、受け入れること~」
人生曲線:青年期(小学校高学年~職業学校or高校・大学、就職or起業)
・フィンランドの教育システムとは?
・進路と職業決定
・自分と出会う様々な機会(教会キャンプ、兵役など)
・自立と巣立ち
・やり直しがきく教育

ヒルトゥネン久美子さんからのメッセージ「”互いに足りないことを補い合うのが素敵な社会”です。そんな社会を一緒に作りましょう」

●フィンランドの教育システムとは?

・"優しくも厳しい"

自分が何をしたいのかを自分で考え自分で選択し答えを作っていく。半分が高校、半分が職業学校に上がる。高校に行くと途端に勉強が難しくなり、大学に行く目的も明確に持たなくてはいけない。学力が上がっていく。

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・フィンランドの基礎教育

個々のニーズに沿った教育、考えさせる教育・自分発見の教育

考え、対話し、参加し、体験して。未来の自分を見つめる学校環境。自由な表現を演劇で行うなど。

基本、日本と似ている年数だが、「10年生」がある。基礎教育の進路が決まらない、または成績を上げて再チャレンジしたい(約3%が利用)

ユースギャランティ=若者探せプロジェクト:2013年以来(25歳未満対象)=若者が勉強・生活についていけないドロップアウトを防ぐために、大丈夫かをケアする。

先生以外の信頼できる大人の存在、プロフェッショナルチームによるサポート。生徒カウンセラーなどのプロフェッショナルチームが細かくサポート、助けを求めて子どもたちは自分で決断する。

・やり直しがきく教育、生涯教育といわれる(18歳で成人となる、その年から大人・学校のサポートはなくなっていく)

●進路と職業決定

・自分で決める進路

・高校~大人の学びは自分の未来と結び付けて

・生徒カウンセラーなどがいる

・大学での学び:社会と通ずるために、ディスカッション・ワークショッププロジェクトが多い。大学内の選考分野別の学生が1つのワークプロジェクトに集う。(デザイン、ビジネス、理系など)

●自分と出会う様々な機会(教会キャンプ、兵役など)

【学校以外の自分をさらけ出す場】

・教会キャンプ:15歳対象:

-自分と出会う様々な機会

-友情・仲間

-世界・社会・未来について話し合う(演劇を通して。独裁者と社会について、それぞれの社会で生きる多様な人々についての内容など)多様性を受け入れる(性別を理解する)

-「人生・心のこと」について話し合う仲間、授業や成績と関係がない話、正解答えがない対話

・兵役軍隊(男性が主、女性は希望すれば):

男になるところ(規律・集団行動・気力体力限界挑戦・仲間意識)

痛み・不安・恐れをクリアした後の自身=一任前の自立と巣立ち

社会の一員として、平和の大切さを体感

●自立と巣立ち

・痛み、不安、恐れがあっても:でも大丈夫、なんとかなる、助けがある、一緒にクリアする仲間がいるという体験

・自立は、自分で何事もできることだけではなく、社会・他者を理解し受け入れ、自分をも理解してもらい、その関係性で、自分の助けが必要な時に声を上げ、逆に人を助ける。仲間と共に生きていく姿勢である。

■自身の感想/今後へ活かすこと

●26年滞在し子育て教育と向き合われたガイドだからこその視点で、パーソナルなフィンランドでの体験から分析しているのがとても興味深かった。

●ワークショップ:「自分が生きる自立とは?」を通して

金銭的生活仕事面と、精神面から、自分で判断し責任をもって生きていく姿勢と能力のことだと思った。でもそれで自分が意固地になって意地を張ってなんでも自分中心で生きることではない。社会と仲間と共に生きている自分として、ともに生き、助けが必要な時には相談し声を上げ、助けが必要な人に手を差し伸べる。こういった姿勢が自立といえるのではないか、という新しい見方を提示していただいた。

●フィンランドには、優しくも厳しい教育があること、自分の学びを自分で選び、困ったら自分で助けを求めるという方針がある。学びに困ったときに手を差し伸べたり、学びをどうしていきたいのか考えるときに、プロフェッショナルサポートの大人(学校以外も)や10年生というギャップイヤーなど、学びのスピードを自分で選ぶことができるという素晴らしい制度がある。受け皿がこうも広いとは本当に素晴らしいことだ。日本の教育はどうできるのだろう。

●進路選び、職業方向性選びについては、どうしているかもう少し詳細が知りたかった。自身の経験だと、様々な社会人やインターンシップなどを通して社会と向き合うことが自分の選択の1つとなっていたと思う。

●教会・軍隊の話は、フィンランド特有の話として驚きをもって聞いていた。軍隊の兵役は、自身の精神の成長にとても影響していると感じた。







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