[図書館ができるまで②]コンセプトを再考する
どーも、よーたです。今回は僕が取り組んでいる図書館の設計をもう一度やり直していく段階で、「コンセプト」を再考しているのでそこを考えなおしたのでそこを紹介していこうと思います。
建築の「コンセプト」とは?
最近、どこの業界でも「コンセプト」という単語を聞くと思いますが、そもそもコンセプトとは何なのかを知らない人も多いと思います。
コンセプトとはそのプロジェクトの全体を通して取り組むべき概念です。このコンセプトを指針にして建物の「形態」や「機能」を決めていきます。
今回の建物の場合は、「本」と「人」を守る図書館です。
このコンセプトの理由としては2つあります。
1.本とは歴史をしるための大事な資料となるから後世に受け継いでいく必要があるから
2.近年増える水害が増えいる。この図書館も川沿いに位置していて水害対策が必要であるから
このコンセプトをたててどのような形態にしたかは次のとおりです。
・川が氾濫しても本を守れるよう日本の蔵書スペースを上部に持ち上げる。
・持ち上げた結果、その蔵書スペースを支える柱を巨大なものとした
・その巨大なはしらを外側にもっていくことで、誰もがみても安心するようなファサード(見た目)にした。
しかし、改善点も多くみつかりました。
前回の設計課題の改善点
人の視点の欠如
前回の設計課題でやはり抽象的な改善点は使う人の視点が足りなかったことだと思います。災害などの都市の視点でのみ設計を行っていて、使う人がどのような機能、配置が求められているのかが足りなかったと思いました。
図書館を利用する人の視点からもう一度図書館を考えてみました。
地方図書館の役割の変化
情報革命が起きた現代において、もはや地方の図書館にしかない知識などありません。Google先生に頼ったほうがよっぽど早く多くのことを知ることができます。
そこで、今後の図書館は「知識を知るきっかけ」の場、もしくは地方の図書館の場合は、ローカライズされた情報をゲットできる場、オフラインの本につまった情報を知る場所になるのかなと思います。
知識の集積
↓
・知識を知るきっかけ
・ローカライズされた情報で地方の情報の入手を容易にする
・本自体の情報から人々が使った痕跡などの情報の方が重要
まとめると上のような図になります。そこでこれを建物の形態に落とし込むと次のようになります。
・人が本を触れるきっかけを多く作る
・歴史コーナーの重要性が高まる
・オフラインにある本を守る
このようなコトがあげられます。このようなことを踏まえて、もう自身のコンセプトを再び考え直しました。
コンセプトを再考する
地域を伝承する
本を守る意味は、「地域の歴史伝える」ことにあります。ならば、前回の「本と人を守る」だけでは不十分です。守ったものを未来で利用されなければなりません。そこで、
「本を守る」→「歴史を守り、それを新しい形に再編成」
これが図書館を作るためには必要です。そこで、コンセプトを
地域を伝承させる
というものに変えました。
このコンセプトをデザインに落とし込むと次のようになります。
1.本を災害から守る
2.様々な人が訪れやすい
3.クリエイティブ空間と歴史コーナーをプログラムとして設ける
1.本を水害から守る
これは前回の図書館と同様で川が氾濫しても守れるように、蔵書スペースを高い位置を上げておくことが重要です。
2.様々な人が訪れやすい
これは、知識を知るきっかけを増やすためにひつようです。これを具体的にと建物の形態に落とし込むと
・周辺(川沿い、公園)からも入れるようにする
・下のピロティ空間は多くの人が訪れやすい空間にして、そこと上の図書館をつなぐ。
こんな感じになるかなと思います。
3.クリエイティブ空間と歴史コーナーをプログラムとして設ける
ここが、サードプレイスとしての図書館とつながっています。しかし、ここの説明は長くなるので、今回は、単に、図書館に、雑談できる場所と地域の歴史を解説してある場所がある図書館だと思ってください。
新たな課題
こうして、新しいコンセプトを作ったのですが、実は新しい問題がでてきました。それが、災害というものを基準に大きくものをあげたのに、下の空間とは視線とか、身体という小さな基準で接続させないといけません。
具体的にいうと、洪水から本を守るためには、3m、蔵書スペースを地面から上げる必要がありますが、それでは、周囲から訪れる人が本に触れるきっかけはできません。ここのスケールの違いを今後、課題にしていこうと思います。
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