シーリングスタンプの話

 シーリングスタンプ楽しいよ。


ちょいちょいハマる趣味ってのがあるんですけど、つまり飽きてはやめ、やめてははまり、ハマっては飽きるの繰り返しをしてるんですが。
趣味の遍歴、はて自分でも思い出せない。思い出せないものはないものだ。なにそんなものは存在しない。そう存在しません。はい。
実在についてぐるぐる考えるフェーズに入るかな。横道脇道逸れるだけできっと空に帰りましょう。なにが?

閑話休題。趣味の話をしたいのだ。そう、いくつかはまっている趣味の話です。

その中の一つにシーリングスタンプがあります。スタンプもいくつか集めたよ。集めたら使わないのがもったいなくなって結構使うようになった。常に机の上に置くようになった。そうするとなんか放置するのも座りが悪いんですね、飽きるに飽きれなくなってしまった……。

 まあ片付ければいいんですけど。

 片付けられないからこんな事態になっているわけでね、明日片付けようと思います。
 いやいいんです家のキレイさ汚さ片付けられなさについては。

シーリングスタンプは面白いって話ですよ。

 シーリングスタンプってなに。

 シーリングスタンプってのはまあ目の前のその板で検索してください。なにを使ってこのインターネットを楽しんでいるんですか。文明の利器だよ。
 あれですあれあれ、なにやら火を灯して、たらーっと柔らかい何かを垂らして、その上に印鑑とか指輪とかギュッと押し付けると、凹凸が残るってやつ。家紋とかだとこれがまたかーっこいいんだな。ふっと香るロウに、マッチのリンが一瞬混ざる。チラチラ炎が照らす中、赤く暗く沈む紋章に、鈍く輝く印章に、その時その場の歴史を思う…というのが映画の話。この実にステレオタイプな蒼古的な印象というのも結構好きでして。
シーリングスタンプの本てのが我が主要な情報源だった時、やはりそういう実に歴史的な、実用的な、そういうところから話が始まるものですから、わたくしみたいなこういう古いタイプの人間としては実にロマンを感じるわけ。いいね。

今やカジュアルにパステルにゆめかわスタンプをキュキュッと押して、やれASMRだこの待つ時間が癒しの時だとまあそういう話です。わかる確かに癒しの時間。楽しい。色々工夫する人もいて、多色遣いあり、ビーズ使いあり、紙にこだわりスタンプにこだわりロウにこだわり全く飽きることもありますまい。
実に楽しいひとときであります。

情報源が限られていた学生時代、パケ代に苦しめられていた苦学生(笑)にとってはシーリングスタンプといえばエルバン、エルバンといえばシーリングスタンプ、ついでに万年筆、みたいな。
自分のイニシャルから始めてちょっと碇マークとかね、バラとか伝統的なモチーフに手を出したいなあと思いつつ、自分の趣味に何千円か出すのも憚られるお小遣い制。
そもそも買えるものもイニシャルとか碇とか、それくらいしか身の回りになかったんですよ。
おかしいなあの時すでにインターネットはあったし検索できたはずなんだけど。検索してたっけか。なんか輸入サイトのすっごく高いやつしか印象にないな……。Amazonも記憶にないですな。

何しろそういう感じなわけで、参考になるのは本。
しかし今やそういう動画を見るのもどうも一大ムーブメントのようで。
YouTubeというのは画期的なもので、ありとあらゆるシーリングスタンプの動画がアップロードされております。ありがたい。

果ては名高き100円均一セリアにても一式買える時代。走りはダイソーであったかどうか。細かき歴史は他の筆に任せるといたしましょう。2023年には早くも盛大な売り場が存在しているようで。なに私はもっと前からユザワヤやらでみておりました故……100均のそのような。ねぇ。結構使用に耐えるじゃないですか…ふぅん…やりますね……。
2024年に入ってから100均のそれを手にしたのですが、まあなかなかよい品揃え。スターターとしてはいいんじゃないでしょうか。細かい使用感はまたレビューしたくなる出来栄え。いいですね、お得感倍増し。このお値段で?これが?できるんですか?最高。
やけどには注意と言ったところです。

一昔前に見た100均の製品では、スタンプの凹凸がおおよそ一般のシーリングスタンプとは逆だったもんで、押した時の凹凸が逆だったんですけども。まあそれも味と言えば味なんですが。
一個バラ柄の凹凸逆のスタンプがありますよ。前に買ったやつを実家に放置していたようで、実家を掘り返していたら出て来ましたとも。ふーむこれは5年前!どうかな…放射性炭素年代測定法でもしてみますか。

シーリングスタンプを やってみる

溶かす時


 ロウを垂らして使うわけなんですが、ロウを溶かすのに蝋燭とかヒーターとか、とかく熱源を用意する必要があるわけです。
私は断然蝋燭派ですね!
なんせ炎というやつに魅せられて早10数年、幼少のみぎりにはすでに蚊取り線香やらで遊んでいたものですからなに筋金入りの火遊びヤロウと言えるでしょう。
のんびり火がついているのを見るも好き、マッチにライター、火打石…は流石に持っていませんが、火のつく瞬間を見るのもいいね!

つまり、 火 最高!

たらすとき、押すとき、剥がすとき

つまりシーリングスタンプって丁寧な暮らし……ってコト⁉︎
まっすぐ円に垂らすのも大変なわけ。
まっすぐおすのもなんか中心ズレるわけ。
むにゅって押したら端っこがなんか穴が空いたり固まってたりするわけ。
しかも今度は剥がすの失敗したりするわけ。
ちゃんと工程を踏まないとめちゃくちゃ失敗するんだなぁ……

とかくシーリングスタンプってのは難しい。と思う。
だけどキレイにやってる動画がある。楽しそうだなぁと思って上手くできないものかと思う。やってみる。なんか違う。
こちとら高校だか中学だかの図書館でシーリングスタンプの本を読んで以来、やってみたいなぁ調べてみよう、あゝなんて素敵…とため息をついて本を閉じていた人間なれば、イメージだけは鮮明に、だけどそれを出力する我が両腕はけして思うとおりには動いてくれないのでした。悲しいね。

理想とするところが高すぎるのかしらと思いつつ、どうも生来の不器用なところやらせっかちなところも出ているようで、急いては事を仕損じる、急がば回れと申しても、光陰矢の如し、猪突猛進、ブルーオーシャン、ファーストペンギンを目指さざれば己が希望も今ここまで、とばかりにまあついつい進めてしまうわけです。なにも考えずに。

なにも考えずにというところがどうもいけない。
何しろなにも考えていないわけで、改善の要素もなにもない。積み重ねもない。あらまあ。
ひたすら同じ間違いを繰り返したりまたやってアラと思い出す、そんな三日歩けば忘れる鳥みたいなことをよくもまあ続けられるものです。続けたくて続けてるわけではない。

どうしたら上手くできるかなってんで、色々動画とか見てみたんですよ。うまいなぁ……精神統一すれば上手くできるんかな……
それで上手くいくにも、とりあえず練習ありきだと思うよ…という心の中の熱血マンに背中を押されて、結局やっぱりひたすら押したり割ったり削ったり。楽しい。なんかシーリングスタンプらしかぬ表現。まあいいか。
没頭できるのいいよね。
あゝなるほど、上手くなるよりも没頭できるものが欲しかったんだなぁ……
結局それって下手の横好きってやつじゃない……?って思いつつ。


没頭できること、を趣味、とよぶのであれば、そりゃその時々の身体の調子によって、天気によって、それぞれによって没頭できるものはかわる。これが!飽きたりハマったりピンてくるやつが変わったりする理由ってことですか……?

気づいちゃったな……なんか今日は色々、本当に色々、気づいちゃったな……



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?