Day856 ダニエル書6章

ダレイオスは、全国に任地を持つ百二十人の太守を任命して国を治めさせるのがよいと思った。
彼はまた、彼らの上にダニエルを含む三人の大臣を置いた。これは、太守たちがこの三人に報告を行い、王が損害を被らないようにするためであった。

新日本聖書刊行会『聖書 新改訳2017』 ダニエル書 6章1-2節

さて、王国を継いだのは、メディア人ダレイオスであった。彼は既に六十二歳であった。
ダレイオスは、王国に百二十人の総督を置いて全国を治めさせることにし、

日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ダニエル書 6章1-2節


ダニエル書 6章では

ダレイオスは、
全国に任地を持つ120人の太守を任命して
国を治めさせるのがよいと思った
彼はまた、彼らの上に
ダニエルを含む3人の大臣を置いた
これは、太守たちがこの3人に報告を行い、
王が損害を被らないようにするためであった
さて、このダニエルは、
ほかの大臣や太守よりも際立って秀でていた
彼のうちにすぐれた霊が宿っていたからであった
そこで王は、
彼を任命して全国を治めさせようと思った
大臣や太守たちは、
国政について
ダニエルを訴える口実を見つけようとしたが、
何の口実も欠点も見つけられなかった
彼は忠実で、
何の怠慢も欠点も見つからなかったのである
そこでこの人たちは言った
「われわれはこのダニエルを訴えるための、
 いかなる口実も見つけられない
 彼の神の律法のことで見つけるしかない」

それでこの大臣と太守たちは、
王のもとに押しかけて来て、こう言った
「ダレイオス王よ、永遠に生きられますように
 王よ
 国中の大臣、長官、太守、顧問、総督はみな、
 王が1つの法令を制定し、
 断固たる禁令を
 出していただくことに同意しました
 すなわち今から30日間、
 王よ、いかなる神にでも人にでも、
 あなた以外に祈願をする者は、
 だれでも獅子の穴に投げ込まれる、と
 王よ、今、その禁令を制定し、
 変更されることのないようにその文書に署名し、
 取り消しのできないメディアと
 ペルシアの法律としてください」
そこで、ダレイオス王は
その禁令の文書に署名した
ダニエルは、その文書に
署名されたことを知って自分の家に帰った
その屋上の部屋は
エルサレムの方角に窓が開いていた
彼は以前からしていたように、
日に三度ひざまずき、
自分の神の前に祈って感謝をささげていた

すると、この者たちが押しかけて来て、
ダニエルが神に祈り求め、
哀願しているのを見つけた
そこで彼らは王の前に進み出て、
王の禁令について言った
「王よ
 王は今から30日間、
 いかなる神にでも人にでも、
 あなた以外に祈願をする者は、
 だれでも獅子の穴に投げ込まれるという禁令に、
 署名されたのではありませんか」
王は答えた
「取り消しのできないメディアと
 ペルシアの法律がそうであるように、
 そのことは確かである」
そこで、彼らは王に告げた
「王よ
 ユダからの捕虜の1人ダニエルは、
 あなたと、ご署名になった禁令を無視して、
 日に3度、自分勝手な祈願をしております」
このことを聞いて王は非常に憂い、
ダニエルを救おうと気遣った
そして彼を助け出そうと、日没まで手を尽くした
そのとき、あの者たちが
王のもとに押しかけて来て、王に言った
「王よ
 王が制定したいかなる禁令や法令も、
 決して変更されることはないということが、
 メディアとペルシアの法律であることを
 ご承知ください」

それで王は命令を出し、
ダニエルは連れて来られて、
獅子の穴に投げ込まれた
王はダニエルに話しかけて言った
「おまえがいつも仕えている神が、
 おまえをお救いになるように」
1つの石が運ばれて来て、
その穴の口に置かれた
王は王自身の印と貴族たちの印でそれを封印し、
ダニエルについての処置が変えられないようにした
こうして王は宮殿に帰り、一晩中断食をした
側女も召し寄せず、眠ることもしなかった

王は夜明けに日が輝き出すとすぐ、
獅子の穴へ急いで行った
その穴に近づくと、
王はダニエルに悲痛な声で呼びかけ、
こうダニエルに言った
「生ける神のしもべダニエルよ
 おまえがいつも仕えている神は、
 おまえを獅子から救うことができたか」
するとダニエルは王に語った
「王よ、永遠に生きられますように
 私の神が御使いを送り、
 獅子の口をふさいでくださったので、
 獅子は私に何の危害も加えませんでした
 それは、神の前に私が潔白であることが
 認められたからです
 王よ、あなたに対しても、
 私は何も悪いことはしていません」
王は大いに喜び、
ダニエルをその穴から引き上げるように命じた
ダニエルは穴から引き上げられたが、
彼に何の傷も認められなかった
彼が神に信頼していたからである
王が命じたので、
ダニエルを中傷した者たちが連れて来られて、
その妻子とともに獅子の穴に投げ込まれた
彼らが穴の底に達しないうちに、
獅子は彼らをわがものにして、
その骨をことごとくかみ砕いてしまった

それから、ダレイオス王は、
全土に住むすべての民族、国民、言語の者たちに
次のように書き送った

 「あなたがたに平安が豊かにあるように

  私はここに命じる
  私の支配する国においてはどこででも、
  ダニエルの神の前に震えおののけ

  この方こそ生ける神、
  永遠におられる方
  その国は滅びることなく、
  その主権はいつまでも続く
  この方は人を救い、助け出し、
  天においても、地においても、
  しるしと奇跡を行われる
  実に、獅子の手からダニエルを救い出された」

このダニエルは、ダレイオスの治世と
ペルシア人キュロスの治世に栄えた

※文中の表記は『聖書 新改訳2017』を使用しています

高官たちの陰謀によって
獅子の穴に投げ込まれたダニエルは
何の危害も受けずに引き出されました

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