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詩38 対話

対話

よふけ……、草のしづか(であり……、
その草と草の鋭ひならび方の
ほとり(の夜……、へ
夜に霞み 充ち 濡らして広がる
よふけ……、の雨が
とても寂しく降つてゐる
蒼ひ空より
土のうへ……、あるひは
土の片はらの草の穂の立つ
濡れたかほりのうへへ
空の(余程の……、蒼さを
思はせるくらひ
雨音のこゑの響き 下垂り
私の 夢(……、のやうな心……、の周りを
湿らし ずつと降つてゐる
雨が時と同じやうに
降つては生まれ 生まれては漂ふ 夜らしひ

/小倉信夫

詩興が生まれたので、推敲しました。二稿です。これより眠ることにします。改めて、noteにも投稿します。

   (2022年6月6日のツイートより)

 @hapitum Twitter 2022/6/6


 夜になって、雨がザアザア降る音を聞きながら、考え事をしていました。考えながらスマホをいじっていて、思いついたことを即興でTwitterに書き込んだのち、お風呂に入っていた辺りからふと詩興が起こってきて、今ほど書き込んだ詩を原稿用紙に書き起こしてみたいと思い、そして二稿としたのが上の詩です。
 その前にツイートしたのは以下のような連投でした。


さっきから、聲と聲が行き交う表にある、そして、あなたと私がここにいて、また同時にそれが誰でもなくあなたであり、またあなたでもないこと、それら私であり、私でもないそこにある声の響みのことなどを、凝と考えていました。静かに雨が、強まったり弱まったりしていて、ああこれだな、と思います。

   (2022年6月6日のツイートより引用)


(リプライ)
さつきから
聲と聲の行き交ふ表にある
そして
あなたと私がここへゐて
またきつと誰でもなくあなたと言はれ
またあなたでもなひひとの
私として
私でもなひ今に聴こえへる聲の響みにつひて
凝つと考へてゐた……
しづかに雨が 強まつたり弱まつたりしてをり
ああこのやうに降る……
と思ひ 私は切なひ

   (2022年6月6日のツイートより引用)


(リプライ)
題を付すなら、「対話」でしょうか…… 詩として書いたツイートではなかったのですが、大事なことなので、詩にしてnoteに挟みます。

   (2022年6月6日のツイートより引用)

@hapitum Twitter 2022/6/6


 この詩とも何とも言えない、詩想ばかりを投稿したあと、ふと行分けにしてみたくなり、リプライの形で繋いでみました。その後、詩としてはあまり面白くない、とツイートしようとしてやめてしまい、しかしずっと考えてはいて、それを書き直したのが上の一つ目の詩です。その意味ではあちらが初稿なのかも知れません。

 昨日が梅雨入りとのことで、今日は朝から雨ばかりの一日でした。しばらく雨の日が続きそうです。雨だれの音を楽しむのも良いですが、あまり雨続きだと日の差す日が恋しくなります。特によく歩く私としては雨が続くとうっとうしく、しかし暑すぎるのも困るので梅雨明けもまた嫌なようで、この涼しい雨の日々と、その合間のわづかな晴れの日を、いつも楽しんでいます。

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