『鹿の王 水底の橋』-2

2021年2月18日

久しぶりに本を読んだ。この日記を書いた後も少し読めたら読もうと思っている。このところ、発行日が近い小倉信夫私家版詩集の編集作業が大詰めとなっていて、時間もなかなか取れずにいた。まだもろもろの準備作業が残っているが、これからはもう少しペースを速めて読みたい。

今日は古本屋さんで、いくつか古書を売ってきた。もう読まぬだろう、ということもないが、時勢の折仕方のなさもあり、いささかなどとなく惜しい思いでいる。中井久夫ファンの私は、お店で中井久夫訳ヤニス・リッツォス詩集を探したりした。この頃リッツォス詩集が出版されたと聞いたが、中井さんの詩が読みたくて探しており、そちらの購入は迷うところだ。中井訳カヴァフィスやヴァレリーも読んでみたいが、長詩が多く、短い詩も読みたい。『コロナ・コロニラ』はどんな詩集か、いつか確かめようと思うまま、確かめられていない。中井久夫さんの詩は訳で読むほかなく、なかなか全集にも収録されないので、いつか手に取ってみたい。

そういう一日の終わりに今日の読書はあったのだから、何か格別の思いを持って読んでいた。詩集も無事に入稿を済ませることができ、ややほっとしたのもあるのかも知れない。上橋さんの言葉は、研ぎ澄まされているのにまろみを持った優しさを湛えていて、思わず、ぼうとしたのだった。
今は酒を飲んでいる。久々に瓶から注いだら、まさか発酵が進んだのかみづみづしい甘さと爽やかさがあり、驚いてしまった。もしかしたら私が上気しているのかも知れない。しかし上気といっても、まだ寒い頃である。

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