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詩42 畔



ある晩 ある人をとふ ある夜更け
かやうに風の吹く 風の流れる
夜に似てゐる夜に
ありとある風のほとりで
人をたづね 人の心の戸を叩く
夜もすがら
ある人をおとなふ 数の少なひ
言葉より 何をか話し合ふ
人へ 風の風量をとひ
だういふ風に吹かれると 風が在るかと
考へる さうして言葉を手にたづさへ
夜の中空に こゑを置くやう
人に言ひ 別れて歩き 夜道を帰る
時のある道路を
やうやくこれを けふの 夜のとほりかと
心に何も思ふこともなひまま
今を夜かと思ひつつ
こゑを両手に握つたり離したり したと思ふ

/小倉信夫

   (2022年7月27日のツイートより引用)

@hapitum Twitter 2022/7/27

 この頃は暑い日が続いていて、寝苦しかったり詩を書くのに頭の中がボーッとしたりしている中、一篇書いてみたくなって書いた詩だった気がします。夏の、余り暑いあたりは詩が書きづらいのですが、しかしここで書かなければ書き方を忘れてしまい、より苦しい思いをすることになるので書きたかったのかも知れません。

 武蔵村山に住んでいたときは、一つの長篇詩を書きながら別の短篇を書くということをよくしていたのですが、そうするとより書きづらくなるらしく、近ごろはやめてしまいました。詩を書くペースについてはつかめてきたようなまだつかめていないような、複雑な感じです。

 文フリ東京の申込みが八月中旬頃までだったかと思うのですが、どうも忘れがちでまだ申し込めていません。今年五月の文フリ東京は申込みを忘れていたので、十一月の開催分は、出られたら出たいです。

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