詩18 春の道
春の道
本を
たづさへて
春らしひ
郊外の
道を歩ひた
午の
日の
明るひ道を
本をたづさへ
駅に向かつてゐた
鞄の中の
本を
しのびつつ
春の花のかたはらを
歩くほど
本をかへりみ
今の暖かさを懐かしんだ
たづさへ歩く折ふしのしづけさよ……
/小倉信夫
2021年3月11日に、詩人の和合亮一さんが Twitter で行った企画、詩の礫「Ladder」に参加しました。そこに投稿した詩です。
※ Ladder =梯子
※新型コロナウイルス感染症に惹起された現況を「有事」と考えて創作物をツイートする企画です。
※題を付しました。
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