春の陽気、遠足

「遠足に行きます！」

普段は出不精で、何もない日はおうちで過ごすのが好きな夫からの、突然の提案。

何か裏があるのでは…？と思ったが、遠足という響きにわくわくしたのだった。

土曜日はとってもいい天気で、まさに遠足日和。

前日に300円まで、と決めておやつを買い、いざ出発。

私の最近の外出と言えば、専ら通院。予約通りに到着するためにせっせと歩き、帰りは日用品を買って帰るというものだった。

しかしこの日は急いでいく必要はない。景色や往来を見ながら、気になった道を進む、とても自由な時間だった。

外の世界は思ったより春だった。

大学の入り口には、つくしが生い茂り、街路樹の根元にはチューリップが咲き、駐車場にはたんぽぽの大群。

上を見れば、桜やつつじやボケ、立派なユキヤナギも咲いていた。

春だねえ、きれいだねえ。

と草木を見るたびに言っていた気がする。

こんなにたくさん春を感じて散歩できるんだ、と嬉しくなった。

お天気も気候も良く、私の目にはよりきれいに外の景色が映っていたように思う。

ぶらりぶらりした後、昼過ぎにお店に到着し、二人でコーヒーを飲んだ。

約一か月振りにお店で飲んだ夫のコーヒーは最高においしかった。

なんてことないけど、予定も決めずにめっちゃ歩いて、ゆっくりして、そこからまた歩いて帰る、という一日がとっても幸せだったなあ。

というお話でした。