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パート感覚の主婦

求人に関して、一見して「いい人」であっても、やはり注意が必要です。

お仕事は指示通りにこなし、仕事ぶりも丁寧なパートの主婦がいました。子育てを終え、住宅のローンも終わり、定年後のダンナ様との二人暮らし。年金が出るまでにはまだ何年もあるので、その間の「つなぎ」の感覚で応募してきた人でした。

丁寧な仕事ぶりが評価され、あるお客様からそのパート主婦にご指名で仕事が来るようになりました。そのお客様は、自分の持っているマンションの一室を宿泊客に貸し出す仕事をしていて、そのお掃除をうちのパート主婦に頼むようになりました。

マンションと言っても2LDKだし、普段そこに住んでいるわけではないので、家具や家財道具もほとんどありません。ホテルと同程度に、歯ブラシなどの消耗品の補充や、タオル類の交換があるだけで、時間にも余裕がありますから、楽な部類と言えるでしょう。

ある意味「美味しい」お仕事だったのですが、回数を重ねるうちに、お客様から「値引き」の要求が始まりました。そうは言いませんでしたが、「ウチから切られたら困るよね」という感じで、取引停止をチラつかせながらの要求でした。当時は一件でもお仕事が欲しかったため、利幅を圧縮してでも値引きに応じました。

要求に屈した形で値引きに応じてしまうと、自分のお仕事の価値が否定されたようで、モヤモヤしたものが残ります。このモヤモヤは後で色々な問題を引き起こします。

そんな状況で、その値引きだけでは満足できなかったお客様から再度値引き要求がなされた時には「これ以下の金額ではお受けできません」とお断りをしました。

数日後、「あのマンションのお仕事、あの値段でどうしてやれないんですか!」とパート主婦が私に詰め寄ってきました。パート主婦には金額の話はしていなかったので、少し驚きながらも「その金額では合わないから断ったんです」と説明しました。

そこまで説明しても、パート主婦は理解しようとしませんでした。「やるのはアタシだからいいじゃないですか!」と言い返された時には開いた口が塞がりませんでした。

社員である以上私の指示に従ってもらわないと困ります。また私の頭越しに勝手に仕事を取って来てもらっても困ります。私よりも年上で、人生経験も積んでいるはずなのに、自分のお給料がどこから出ているのかまるで理解していないのです。恐らく自分が何を言っているのかも、分かってないのでしょうね。

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