THE BOYZ 【KINGDOM解釈】

こんにちは!アイドルコンテンツ(主にステージ)から設定を勝手に作ったり、勝手に解釈したりするのが三度の飯より好きなオタクです!
今回は私の愛するザボーイズくんたちのキンドム舞台とKINGDOM COME の解釈をしていこうと思います!
짱보이즈 ステージ全部最高だ〜!

※この記事はキングダム最終回放送前に書きました。ゲームオブスローンズ未履修のため、完全なる思い込み記事です。

1. The Stealer (Epic ver.)

100秒パフォーマンスとして公開されました。
こちらは歌詞を見ればわかる通り、THE BOYZくんたちのキングダムへの意気込みが伺えます。

以下ソヌラップ部分抜粋

 번의 전쟁  번의 Win
2度目の戦い 1度目の勝利
또다시 우리들에게 들이닥친 
またもう一度 俺たちに押し寄せた
혼돈의 시기
混沌の時期
위기를 이미 겪은 자들의
危機を既に経験した者たちの
움직임은 어지럽고 지침
動きは乱れていて疲れている
피할  없는 내일이 우릴 쫓고 
逃げることのできない明日が俺たちを追って
오늘은 만나게  이미 전장 속에 놓여있어
今日が出会って 既に戦場の中に置き去りだ
역경을 느껴
逆境を感じる
끝내 Winter is Coming
最後まで 嫌な予感がする

※和訳は自分でしたので意訳・誤訳あります。

サバイバルの過酷さを知るものだからこその強い覚悟を感じますね…。さすがロキン経験者!がんばれザボーイズ!
というわけでここはそこまで触れることはないので次に進みます。

2. No Air (A Song of Ice and Fite)

第一次競演として公開されました。
歌詞が変わっているところはないかな?と思っています。あったらすみません。
まず、No Air の歌詞自体がかなり自己犠牲的で切実な感情を歌った曲だと解釈しています。
‘君のことが好きで息ができないほど苦しいけど君がいるから大丈夫(だから離れないで)’みたいな感じですから…
A Song of Ice and Fireでは、そんな切実すぎる感情を煉獄として表現しています。

①氷と炎

まず『煉獄』とは、生前に微罪を犯した人の魂が火による罪の浄化を受けるとされる場所です。ここでは罪の浄化のため、地獄のような責め苦や試練を受けます。
つまり天国と地獄の中間の世界であり、煉獄は終末の時に最後の審判をもってその役目を終えます。
ランブール兄弟『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』の煉獄では、炎の川と氷の川で微罪を犯した人々が責め苦を受ける様子が描かれています。

下画像:ランブール兄弟『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』より「天使が魂を煉獄から引き上げる」

従って、人々が死後に救いがあることを信じながら微罪を償うための苦痛に耐える様子をA Song of Ice and Fireでは、’君’からの愛を享受するために息ができないほどの苦しみに耐える様子として表現していると解釈できます。

②魔王ルシファー

また、詩人ダンテの『神曲』では、煉獄の成り立ちについてこのように説明してあります。

下記: 真野隆也 『マンガでわかる聖書』株式会社池田書店 より引用

ルシファーが天界から落下したのはエルサレムの対極にある南半球だとする。ルシファーが地球に接近するにつれ、大地は恐怖と嫌悪のために体をよじらせ、衝突を避けようと北半球に逃れた。そのため南半球は海ばかりになった。ルシファーが地上に衝突すると、衝撃で地球の中心までめり込んだ。そこは氷に閉ざされた不毛の場所で、のちに地獄と呼ばれた。巨大な穴の周囲は吹き飛ばされた土が小山となった。これが煉獄の成り立ちだと、ダンテは説明する。

ダンテの『神曲』は「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」3部構成の長編叙事詩で、「地獄篇」には地獄の様子が細かく描写されています。

「地獄篇」に描かれる地獄の最下層、「地獄の第9の圏」は音さえも凍りつく氷地獄コキュートスです。
コキュートスには4つの地獄があるとされ、そのうちのひとつジュディッカの中心のさらに中心にある、地球の重力が全て向かうところに、魔王ルシファー(サタン)が氷の中に幽閉されており、『神曲』ではダンテたちがその体を足台にして地表へと登り、地球の裏側、煉獄の山へと進みます。

A Song of Ice and Fireの序盤からわかる通り、ジュヨンが氷の中に幽閉されていることから、ジュヨン=魔王であると言えます。

聖書では、神への反逆を企てた天使ルシファーは大天使ミカエル率いる神の軍勢に打ち破られたのち地獄に封印されます。そして千年の時を経ると悪魔たちは解き放たれ、最終決戦が起こります。

劇中では女性の手によって魔王ジュヨンの封印が解かれており、物語の続きは次の舞台へと続いていきます。


3. O Sole Mio (The Red Wedding)

なぜ魔王ジュヨンは神への反逆を企てたのでしょう?

第二次競演として公開されました、O Sole Mio (The Red Wedding) を見ていきます。


①太陽

まずタイトルにもある O Sole Mio とは、「私の太陽」という意味です。
聖書をモチーフにした絵画などにおいては、神やイエスはしばしば自ら光を放つ太陽のように描かれることがあります。

歌詞からわかる通り、’僕’は’君’に非常に救われたがっています。
例え地獄のような責め苦を受けても’君’がいれば大丈夫な’僕’からすれば、’君’とはまさに神と言っても過言ではないはずです。


聖書において鳥(とりわけ鳩)は、地上に緑が戻ったことをノアに伝えたり、ヨハネから洗礼を受けたイエスが水から出た時に聖霊が鳩のように舞い降りたりしたことから、清らかで無垢な存在であることを意味します。
鳥籠の中の女性は、’僕’にとって神であり、太陽であり、鳩のような清らかで無垢な存在である’君’だと捉えることができます。

この曲ではそんな清らかで無垢な’君’(神)を太陽に例え、愛の言葉をならべています。

以下原曲と異なるソヌラップ部分抜粋

고통스럽게 타오르는
苦しんで燃え上がる
그대의 모습  얼마나
きみの姿がどんなに
처절하고 아름다운가 
凄絶で美しいか
 춤은 당신에 대한
この舞はあなたに対する
나의 사랑
僕の愛
그대의 목숨을 거둔
きみの生命を奪った
몹쓸 몸이고 나의 몫이요
悪の身体であり僕の取り分だ
분명 운명의 장난
間違いなく運命のいたずら
 불명의 사랑
またはどう表現すべきかわからない愛
타올라 버린 너와의 밤은
燃え上がってしまったきみとの夜は
검붉은 핏빛으로 남아
赤黒い血として残る
가엾은 태양이 되리
哀れな太陽になる
나의 Amor eterno 
僕の永遠の恋人

※和訳は自分でしたので意訳・誤訳あります。

②魔王ルシファー

O Sole Mio (The Red Wedding) の編曲には、シューベルトの’魔王’も用いられています。

このことから、A Song of Ice and Fire に続いて魔王=ジュヨンであると考えられます。

魔王ジュヨンは、’君’(=神そして太陽)への愛の言葉を並べ、愛の舞を踊りますが無情にも’君’はジュヨンの手を離れ、天高く昇ってしまいます。

またルシファーとは、ラテン語で「光をもたらす者」を意味し、元々は天使だったことを思わせます。
天使たちの中でも最も美しい天使だったルシファーは、創造主である神に対して謀反を起こし自ら堕天使となったのですが、その理由については諸説あります。

旧約聖書の『創世記』をテーマにしたジョン・ミルトンの叙事詩『失楽園』では、ルシファーはヤハウェ(神)の偉大さを知りつつ、戦いを挑む英雄として登場し、神が創造した人間を堕落させようとイヴを誘惑します。

太陽は神やその御使いである天使を指し、月は悪魔を指します。

魔王ジュヨンは地獄の奥底で、’僕’の愛の数々に応えてくれなかった’君’(=神そして太陽)に復讐を誓います。

サブタイトルの「The Red Wedding」とは、このように複雑に拗れた感情がもたらすであろう血濡れの結婚式を示唆しているのでしょうか…笑


4. Monster (Stormborn)

では、復讐を決意した魔王ジュヨンはどうするのでしょうか。

第三次競演として公開されました、Monster (Stormborn) を見ていきます。

①救い

神への反逆を企て、地獄の奥底に幽閉されていた魔王はその最中で復讐を誓い、ついに封印が解かれました。

以下原曲と異なるソヌ、エリックラップ部分抜粋

어둠이 내게 덮쳐 
闇が僕に覆い被さる
너를 집어삼킬 
君を奪い取る
순간에 바뀐 감각
瞬間に変わった感覚
찰나에 잡힌 
刹那に捕まった
희망마저도 전부 짓밟힌
希望さえも全て踏み躙られた
바닥까지 망가져버린 밤이
底(最後)まで壊れてしまう夜が
처참한 끝을 향해 
凄惨な終わりに向かう
 걷잡을 수도 없이 변해가 
僕は止めることもできず変わっていく
도와줘 아무도 없어
助けて 何もないんだ
허공에 외쳐 
虚空に叫ぶ
메아리 들려오는
こだまが聞こえて来た
타락한 지배감 
堕落した支配感

끊임없이 도망가도 
絶え間なく逃げていっても
결국에 다시  손안에
結局はまた僕の手の内に
맴돌다 쥐어질  
離れられない 捕まるだけ
  이상
僕はこれ以上
자비없어 무너트려 
容赦なく崩れて
피할수록 망가질 
逃げれば逃げるほど壊れるだけ
원망해도 좋아
恨んでもいい
Gonna dominate you
君を支配するつもりだ

※和訳は自分でしたので意訳・誤訳あります。

この’僕’が抱える圧倒的な絶望と、それでも’君’に執着せずには、救いを求めずにはいられないジレンマがなんとも言えない切実さで迫ってくる感覚がわかりますか。 
ザボーイズマンネくんズは天才です。

また、’僕’が悪魔(Monster)でありながら神に救いを求めていると取れる場面が他にもあります。

下画像: ヒエロニムス・ボス 祭壇画「来世の幻想」(「地上の楽園」「祝福された者の天国への上昇」「地獄」「呪われた者の墜落」の4部構成 ※有力説)の「地上の楽園」「祝福された天使への上昇」
画像元: http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/bosch_paradise.html

ヒエロニムス・ボス 「祝福された天使への上昇」(画像右)では、人々が天使に付き添われ光に満ちた天国へのトンネルに昇っていく様子が描かれています。

これを踏まえると背景の映像にある光の穴は、天国へのトンネルだと考えられます。
映像は光のトンネルに近づこうとしますが、一向にその距離は縮まらず、ついに辿り着くことはありませんでした。

②魔王ルシファー

蛇は悪魔の象徴であり、ルシファーを意味するものでもあります。

下画像:エル・グレコ「イエスの御名の礼拝」

また、エル・グレコ「イエスの御名の礼拝」ではレヴィアタンの口が地獄の入り口として描かれています。(画像右下)

レヴィアタンとは、ヘブライ語で「ねじれた」「渦を巻いた」という意味を持ち、この金の大蛇が登場した後の背景画面には無数の渦や竜巻が起こっています。

このことから、金の大蛇は悪魔及び魔王ルシファーであり、地獄の入り口レヴィアタンであると考えられます。

劇中では、ソヌが地獄の入り口からやって来ています。このことから、千年の封印を解かれた魔王と魔王率いる悪魔軍が神との最終決戦(世界の終末)に向かっていると解釈します。

つまり、あんなにも切実に恋焦がれた’君’は結局のところ’僕’を救うことはなかったのです。
しかし’君’(神)への執着を捨てきれなかった’僕’(魔王)はMonsterとなり、’君’(神)の元へ向かいます。

また、サブタイトル「Stormborn」の Storm とはレヴィアタン=地獄を指し、「Stormborn」とは地獄の誕生あるいは終末の始まりと言えるでしょう。


5.KINGDOM COME

魔王ジュヨンとジュヨン率いる悪魔軍は封印を解かれ、レヴィアタンの口を介して再び地上へ戻りました。

①『ヨハネの黙示録』

地上に戻った魔王と悪魔軍はどうなるのか。

以下 KINGDOM COME 歌詞

Frosted,Kingdom Come
穢された天国
Lost in Kingdom Come
失われた楽園
Frosted,Kingdom Come
穢された天国
Lost in Kingdom Come
失われた楽園

하얗게 얼어버린 midnight
真っ白に凍りついてしまった midnight
 안에 나를 던져 
その中に僕を放り投げて
마지막 숨을 걸어 끝내
最後の息をかけて終わる
타오를 end game
燃え上がる end gene(終末)
(I’ve got to be on my way)
(行かないと)
태양과 달이 겹쳐 멈춘
太陽と月が重なって止まった
 순간  시간에 빛이 드리워
その瞬間 僕の時間に光が差し込んで
이미 지나간
既に過ぎて行った
때론 잔혹한 기억을 위로하듯
時には残酷な記憶を慰めるように

시린 어둠이 겨눈 Timing
冷たい暗闇が狙った Timing
손에 잡힐  순간까지
その手に掴まれる瞬間まで
It’s killing me (killing me)
耐えられない (耐えられない)
Yes,killing me (killing me)
ああ、限界だ (耐えられない)
  가혹하게 다룬대도 to myself
僕をもっと酷く扱っても 自分自身で
 동이   아침으로 chase for me
遠い東の空から この朝に 僕を追いかけて
세게 할퀴고 물어 뜯어 피할  없었단 war
強く引っ掻いて噛みちぎる 避けられなかった戦い
절정의  순간 let it snow
頂きに雪を降らせる瞬間

거친 폭풍 속에 숨이 내게 오는 
嵐の中で息を吐く夜
 어둠을 베어버린  순간 
長い闇を傷つけてしまったその瞬間
높은  앞에 louder, 무너뜨려 louder
高い壁の前により高く、崩してももっと高く
맞이해  light of Kingdom Cone
迎えて 僕を 天国の光で照らして
 밤의 끝을 넘어서
長い夜の終わりを越えるから
 다시 이어지는 길을  
もう一度 続く道を歩いて行こう
종이 울리게 louder, 깨어나게 louder
鐘が鳴るように大きく、目が覚めるように大きく
문을 열어, time of Kingdom Come
門を開く、召される時が来る

멀리선 아름답게 빛난  길에 데인
遠くの線 美しく輝いた炎の道で火傷する
처절함  끝을 향해 걸어
凄絶なその終わりに向かって歩く
흔들리지 않은  (I'm on my way to the end)
揺れ動かないまま (終わりに向かっている)
마지막 빛을 겨눠 날린
最後の光を狙い撃つ
 화살마저 나를 향해 멈춘 
その矢さえ僕に向かうのをやめたことを
받아들여  끝내
受け入れて 僕は最後まで
가혹할 순간들의 입맞춤
過酷な瞬間たちの口付け

나를 부르던 kings landing
僕を呼んだ 王が来る
검은 심장을 바칠 테니
黒い心臓を捧げるから
Please, killing me, more, killing me
おねがい、もう耐えられない、限界なんだ
  앞을 모를 칠흑 같은 어둠에
一寸先もわからない漆黒のような闇に
어느  동화되어가는 save for me
いつのまにか同化していった 僕を救って
찢긴 깃발을 높이 들어 애초에  몫이던
引き裂かれた旗を高く上げる 最初から僕のものだった
격정을 터트려 let it burn
激情を爆発させて 燃やせ


거친 폭풍 속에 숨어 내게 오는 
嵐の中で息を吐く夜
 어둠을 베어버린  순간
長い闇を傷つけてしまったその瞬間
높은  앞에 louder, 무너뜨려 louder
高い壁の前により高く、崩してももっと高く
맞이해  light of Kingdom Come
迎えて 僕を 天国の光で照らして
 밤의 끝을 넘어서
長い夜の終わりを越えるから
 다시 이어지는 길을 걸어 
もう一度続く道を歩いて行こう
종이 울리게 louder, 깨어나게 louder
鐘がなるように大きく、目が覚めるほど大きく
문을 열어, time of Kingdom Come
門を開く、召される時が来る

끝을 알리는  밤의 시작 
終わりを知らせた一晩の始まり
(Yeah, forever and never end)
(Year,永遠に、そして決して終わらない)
다시 마주한 불은 어느 
また向かい合った炎はいつのまにか
우릴 감싸  차갑던 모든
僕たちを覆ってきて 冷たかった全ての
시간들을 거침없이 붉게 태워 
時間たちをはばかることなく燃やしていく

거친 폭풍 속에 숨어 내게 오는 
嵐の中で息を吐く夜
 어둠을 베어버린  순간
長い闇を傷つけてしまったその瞬間
높은  앞에 louder, 무너뜨려 louder
高い壁の前により高く、崩してももっと高く
맞이해  light of Kingdom Come
迎えて 僕を 天国の光で照らして
 밤의 끝을 넘어서
長い夜の終わりを越えるから
 다시 이어지는 길을 걸어 
もう一度 続く道を歩いて行こう
종이 울리게 louder, 깨어나게 louder
鐘が鳴るように大きく、目が覚めるほど大きく
문을 열어, time of Kingdom Come
門を開く、召される時が来る

Until the Kingdom Come
天国まで
Until the Kingdom Come
終末まで
모두 기다린 savior, 손을 높이 higher
皆が待っていた救世主、手を高く 高く
사로잡아 closer, Kingdom Come
取り合う 閉ざされる楽園
Until the Kingdom Come
天国まで
Until the Kingdom Come
終末まで
지난 시간은 saber, 타오르는 fire
過ぎた時間は刃 、燃え上がった炎
지금 여긴 over, Kingdom Come
今ここが楽園のその先

※和訳は自分でしたので意訳・誤訳あります。

まず、KINGDOM COME には「天国」「あの世」「この世の終わり」「世界の終末」という意味があります。

新約聖書『ヨハネの黙示録』では、世界とその終末、そしてその先について詳しく記述されています。

下記: 真野隆也 『マンガでわかる聖書』株式会社池田書店 より引用

最初に子羊(イエス)が七つの巻物の封印を開ける。すると勝利を示す白馬、戦争をもたらす赤馬、飢饉を招く黒馬、死をもたらす青馬が出現する。(中略)
そして第五の封印が解かれると殉教者が血の復讐をもとめ、第六の封印を開けると大地震がおこり、太陽が暗くなり、月は血と化し、天の星が落下する。
ひとりの天使が四人の天使に語る。神のしもべらの額に刻印を押すまでは、大地も海も損なってはならないとしたのだ。(中略)
そしてしばらくの沈黙の後、第七の封印が開けられる。そこから七人の天使が現れ、それぞれラッパを与えられる。天使たちが香炉に祭壇の火を満たして地上に投げつけると、雷や地震が立て続けに起こり、そして、七人の天使たちが順々にラッパを吹きはじめると、次々に天変地異が発生する。
最初のラッパで地上の三分の一、木々の三分の一が焼ける。次のラッパで海の三分の一が血に変わり、海の生き物が次々と死んでいく。さらに、星が落下し、太陽と月が損なわれ、地上を闇が支配する。そんな中、額に刻印のない人間が苦しみだし、さらに、四人の天使が人間の三分の一を殺すのである。

最後のラッパが鳴り響くと、天の神殿が開かれ、契約の箱が現れます。地上では獣が増え続け、天界で戦いが勃発し、サタンが大地に落下、悪魔が仲間の人々に獣の刻印をつけていくのです。
神の怒りは頂点に達し、七人の天使が七つの鉢に入れた神の怒りを地上に注ぎ、終末が訪れます。
神により獣の国は闇に覆われ、地上を支配していた大都市バビロン(ローマ帝国)が滅亡し、悪が滅んで、悪魔と偽預言者は裁かれます。
そして殉教者と異教信仰をしなかった人々が復活し、キリストと共に千年間を支配します。

千年後には再び悪魔が現れ、天から炎が降り注ぎ、世界は滅びます。

これが『ヨハネの黙示録』に描かれる天地創造からの世界とその終末です。

では、終末を迎えた世界はどうなるのか。

『ヨハネの黙示録』では、終末と同時にキリストによって「最後の審判」が行われます。

死者たちは、祝福された者と呪われた者に裁かれ、呪われた人々は地獄に投げ込まれます。
そして、祝福された者たちだけが永遠に幸福に暮らすことのできる新しい天と地が出現するのです。


ここで一度 KINGDOM COME の歌詞に戻ります。

마지막 숨을 걸어 끝내
最後の息をかけて終わる
타오를 end game
燃え上がる end gene(終末)

「마지막 숨을 겉어 끝내」は最後のラッパが吹かれたことを意味し、それにより世界の終末が訪れたと捉えることができます。

※end game...チェス用語で「終盤戦」の意。他にも「最終段階」や「大詰め」という意味もある。

처절함  끝을 향해 걸어
凄絶なその終わりに向かって歩く
흔들리지 않은  (I'm on my way to the end)
揺れ動かないまま (終わりに向かっている)

また、「終わりに向かう」という表現が繰り返されていることからも世界の終末(KINGDOM COME)に向かっていっていることが読み取れると考えます。

끝을 알리는  밤의 시작 
終わりを知らせた一晩の始まり
(Yeah, forever and never end)
(Year,永遠に、そして決して終わらない)
다시 마주한 불은 어느 
また向かい合った炎はいつのまにか
우릴 감싸  차갑던 모든
僕たちを覆ってきて 冷たかった全ての
시간들을 거침없이 붉게 태워 
時間たちをはばかることなく燃やしていく

この部分からは魔王ルシファーが復活し、最終決戦を挑もうとしている様子が伺えます。

종이 울리게 louder, 깨어나게 louder
鐘が鳴るように大きく、目が覚めるほど大きく
문을 열어, time of Kingdom Come
門を開く、召される時が来る

聖書をモチーフに描かれた絵画において、通常天国への入り口は門で描かれます。
この歌詞は、「最後の審判」で神に祝福された者たちだけがたどり着く「新しい地(新しいエルサレム)」すなわち「天国(KINGDOM COME)」が訪れていることを示すと考えられます。

画像:フラ・アンジェリコ「最後の審判」
画像元: https://imagenavi.jp/search/detail.asp?id=51402013

②救済

歌詞を見ればわかりますが、’僕’(魔王)はこの期に及んでもまだ’君’(神)に縋ろうとしています。

나를 부르던 kings landing
僕を呼んだ 王が来る
검은 심장을 바칠 테니
黒い心臓を捧げるから
Please, killing me, more, killing me
おねがい、もう耐えられない、限界なんだ
  앞을 모를 칠흑 같은 어둠에
一寸先もわからない漆黒のような闇に
어느  동화되어가는 save for me
いつのまにか同化していった 僕を救って

この部分からは、’僕’が’君’への愛のために堕天してしまった(魔王になってしまった)絶望とそれ故に救いを求めて神に縋っている様子がよくわかると思います。

Until the Kingdom Come
天国まで
Until the Kingdom Come
終末まで
모두 기다린 savior, 손을 높이 higher
皆が待っていた救世主、手を高く 高く
사로잡아 closer, Kingdom Come
取り合う 閉ざされる楽園 

最後の部分には「savior(救世主)を待っていた」という歌詞もあります。
‘僕’がどれほど救いを求めていたのか、痛いほど伝わりますね…。

この先の歌詞については、私の中で2つに分かれます。

③『失楽園』

まず私の考える解釈の一つは、『ヨハネの黙示録』で魔王ルシファーが滅ぼされたように’僕’は救いを求めて手を伸ばしたが’君’(神)はそれを無視し、天国の扉を閉めてしまったというものです。

そして二つ目は、『ヨハネの黙示録』とは異なり’君’(神)が’僕’の手を取り、天国に導いたというものです。

「사로잡아」という歌詞を①救済を求める人々がイエスの手を掴むために取り合った(争った)のか、②イエスとルシファーが手を取り合った(繋いだ)のかで解釈が変わると思います。
私の予想を大きく離れるかもしれないですし、パフォーマンスが楽しみな部分の一つです。

そして KINGDOM COME の歌詞には、旧約聖書『創世記』でアダムとイヴが過ごした楽園(エデンの園)を思わせる部分があります。

 동이   아침으로 chase for me
遠い東の空から この朝に 僕を追いかけて
지난 시간은 saber, 타오르는 fire
過ぎた時間は刃 、燃え上がった炎
지금 여긴 over, Kingdom Come
今ここが楽園のその先

『創世記』には「彼(神)は人を追放し、生命の木に至る道を守るため、エデンの園の東に智天使と揺れ動く炎の剣を置いた」という記述があります。

※智天使…天使の位階において第2位の階級を持つ。智天使は、智天使、人間、獅子、鷲という4つの顔を持ち、それぞれに4つの翼がある。

また、旧約聖書には「明けの明星よ、お前は天から落ちた。お前は地に投げ落とされた」と記されており、この「明けの明星」はルシファーを指します。
「明けの明星」とは、明け方の東の空に見える金星のことで、「먼 동이 터 올 아침으로」部分から連想しました。

※「동이 터」は、夜明け(동트다:東の空が白む/夜が明ける)の意味を含みます。
※「동이 터」だけでも夜明けを表現するのに十分なはずなのになぜ「올 아침으로」を入れたのかについて、個人的には「동(東)」を強調したかったのかもしれないと考えてこのような訳にしました。(独学なので違うかもしれないです)
※また、この部分は本来「太陽が’僕’(月)を追ってきている」という意味だと思われます。上記の解釈は、隠された意味あるいはもうひとつの意味であると捉えます。

では、これが何を意味するのでしょうか?

旧約聖書『創世記』には、「天地創造」「アダムの創造」「イヴの創造」「原罪」「原罪の露見」「楽園からの追放」(以下省略) について記述されています。 

イヴをそそのかし、アダムとイヴを楽園から追放させたのは狡猾な蛇(魔王ルシファー)であるという話は有名です。

画像:アレクサンドル・カバネル「アダムとイヴの楽園追放」
画像元: http://art.xtone.jp/artist/archives/alexandre-cabanel.html

神と炎の剣を手にした智天使(左上)、楽園を追放されるアダムとイヴ(中央)、イヴを唆したルシファーとその象徴である蛇(左下)が描かれています。

Frosted,Kingdom Come
穢された天国
Lost in Kingdom Come
失われた楽園
Frosted,Kingdom Come
穢された天国
Lost in Kingdom Come
失われた楽園

歌詞の冒頭に戻ります。
つまり、2つ目の解釈である神は救いを求めた’僕’(魔王)の手を取り天国に導いた。だが、’僕’(魔王)は再び人を陥れ、楽園から追放し、天国を穢してしまったのではないでしょうか?

結局’僕’は、このようなやり方で神である’君’をだしぬき、手に入れたのだと思います。
そしてそれはまさしく’僕’の天国(KINGDOM COME)なのだと思います。

また、この歌詞が KINGDOM COME の冒頭にあるということは…?(これは邪推です😂)

以上で考察は終わりです。


余談ですが、

찢긴 깃발을 높이 들어 애초에  몫이던
引き裂かれた旗を高く上げる 最初から僕のものだった

この歌詞にある「旗」とは、キリストの復活をテーマにした絵画に描かれる’死に対する勝利を意味する旗’ではないかと考えています。
それが「最初から僕のものだった」とは…もの凄いこと言いますね

画像:ピエロ・デラ・フランチェスカ「復活」
画像元: https://www.musey.net/7394/7395

最後まで見てくださった方がいたら本当に嬉しいです☺️
ありがとうございました😊

参考・画像元
春燈社 編集・執筆『天使と悪魔の絵画史 キリスト教美術の深淵に触れる』辰巳出版株式会社
真野隆也 著『マンガでわかる聖書』株式会社池田書店

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