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アイスの時間

5月14日、晴れ。

天気が良くて空を見上げると、太陽をぐるりと包み込むように日暈を見ることができた。あいにく、ぼくはバイクで移動していたので、それをゆっくり見ることはできなかったのだけれど、赤信号で止まるたびに空を見上げた。



「 しかさん、すごく綺麗な日暈が出てましたが、見てましたか 」


と家に着いたときに訊ねてみたが、しかさんは気づいていなかったらしく、


「 しか太郎さんはよく見つけますね 」


と笑顔で返してくれた。きっと上を向いていることが多いのだろうか。

そうであればいいことなんだろうなぁ。


日暈が見れるくらいいい天気のなか、今日も2人は作業に取りかかった。

小屋の2階で昔、何かに使われていたらしい木を紐でくくっていく作業。単純な作業だが、置かれてから時間が経っているその木には細かな埃がのっていて、大きく動かすとほわほわと宙に舞う。

2人ともマスクをかけて、

「 立ちくらみがする 」とか、「 腰にきますね 」とか、

言いながら木を縛っていった。


小さな窓が2つあって、そこから涼しい風が入ってくるのが心地よい。


作業がひと段落してから、近くのコンビニでご褒美のアイスを買いにいった。しかさんは、好物のチーズがビスケットの上にのったチーズステックを手に。ぼくはこれぞというアイスがなかったので、コンビニの冷蔵庫としばらくにらめっこしていた。

妥協して、あずき最中アイスを買おうとしたら、好物の井村屋あずきバーが冷蔵庫の底から顔を出した。作業のご褒美が天から降りてきた。というより、この場合、アイスのなかからご褒美が出てきたというのがしっくりくる。



しかさんと家に帰ってアイスを食べる。

しか太郎がアイスの写真を撮っている間に、しかさんはその好物をあっという間に食べてしまった。いつも食事の時はゆっくり食べているしかさんだったので少し驚いたが、みんな好物というのはそうなりがちだ。気づいたときには、半分以上お腹の中に入っている。

5月だけど、今年もアイスがおいしい季節がやってきた。