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【文字起し】【渡辺啓太】スポーツアナリストとは何者か?

【文字起し】【渡辺啓太】スポーツアナリストとは何者か? 


スポーツに特化したプレゼンショー ALE14(エイル・フォーティーン) ※2017.12.01開催のイベントより プレゼンター/渡辺 啓太(日本スポーツアナリスト協会 代表理事) 「ITをスポーツに活用すること」を志して大学時代に独学でアナリスト活動を開始。在学中に全日本女子バレーボールチームのアナリストに抜擢され、以後10年以上にわたり情報戦略活動を担当。2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと3度のオリンピックを日本選手団役員として支援している。 全日本チームの支援を続ける傍ら、アナリスト育成セミナー等を開催して後進育成にも注力。

■文字起し
全日本女子バレーの初の専属アナリスト
20歳の時
当時、オリンピックに出場できない低迷していた時期
復活のために鍵ととされたデータバレーを取り入れていこうという時期だった
世界で主流と言えど日本は遅れていた。
2,3日寝なくても分析できる人を探していたのだろう
大学生の自分が、どこの馬の骨ともわからぬ自分が行っても「あんた誰? 何してくれるの?」という目線で見られていた。
選手のサポートをさせてもらう。内側に入っていって、朝5時からモップをかける。とにかくボールを拾う。
アナリストの仕事と違う。
どんな形でもいいから自分がチームの役に立ちたい。選手たちに認めてもらうことが必要だった。勝負の世界で一緒に戦っていく中で、同じ思いで
データとか、戦術とか、ダイレクトに選手とできるようになっていった。
普段からビデオカメラみてパソコン持ってる。冷たい冷徹な人間だと思われているだろうが、実際はアナログでエモーショナルな仕事
アナリストのミッションは目標達成のため、トームや選手が情報面で困ることがないようにサポートする。
客観的な視点とデータをもって、現在地はこういう今日。ミスがあと何本減らさないといけないか。というアプローチをする。
スランプに陥った時はデータの分析をして、良かった時の動画をみる。
最適なルートはわからない。正解がない。スポーツアナリストはカーナビ。精密な位置情報でどの道を進むかを見出す。

分析はキリがない。
結局、もっと強くなってほしいと思っているからもう一回この試合を見返したら違った見方が見えるのではないか。終わりがない。徹夜で分析するし、選手に向き合ってボールひろって声を聞いたり。何日徹夜してもコートで生かさなければ意味がない。
ビデオをみて対戦相手の弱みを少しでも見つけられないかなと分析する。
作戦が見えてきた。ミーティングで伝わった。最終的に、選手たちのプレイに、パフォーマンスに戦術が活かされなければ意味がない。
どうすればコートの中で選手たちがパフォーマンスを買えるようなデータになるか最大発揮できるか考える。
強い信頼関係。人間がやることだから同じデータでも信頼するのか疑われるのかは全く生末が違う。
①情報を集め、選び
②加工し、分析し
③役立つ情報として提供する
集める情報とは
体育館の下見をしてエアコンの空気の流れ、審判のジャッジのクセ、証明の配置。どこにいるとサーブ打つときに目が入るなと調べる。
インターネットで世界の情報を集めて翻訳。
記者会見のコメント。監督や選手のコメントからプレーでは見えないことが見えてくる。
スリーステックを料理人の世界に例える。アナリストは料理人。
素材を集めてみて、調理をする
同じ材料を使ったとしても力量によって味付けも盛り付けも違う。
最後の目的はおいしいと言ってもらいたいということだが道のりで色がある。
データを集める中で、自分で集めたデータじゃないと信用ならないというアナリストもいる。
外で集めたデータを買い取る人もいる。
提供のポイントはシンプルにすること。①とってきたデータを伝えたくなる。これもあれもあるよと。選手とコーチに必要なものだけ。できるだけ余計なものを削ぎ落して真のものだけ伝える。抵抗があるが。
②タイミング
お腹が空いてる時とそうでないときと感じ方が違う。伝えるべきタイミング。ここで伝えたら効果を発揮するという時にデータを提供する


いろんな競技の中で。バレーやバドミントンの中で

分析を担当するアナリストとして1、2を争うやりがいを感じられる物じゃないかと思う
なぜならば、バレーボールは規則がゆるい。規則が緩いとはどういうことかと言うと、
球技において試合中に外部から情報伝達を受けていいスポーツは非常に限られている
バレーボル以外で
監督がipadをもって選手へ指示をしている姿をみるだろうか
また、バレーボールの場合はスパイクが決まったとというとき瞬間から次のサーブまで、およそ14びょうあります。時間が止まっています。
ボールが動いている時間はなんと5ぶんの1だけ。のこりの5ぶんの4は時間ボールが止まっている
止まっている時間に前のプレイを反省したり、次のプレイに対する準備、作戦を考えたり何か修正をしたり。そういったことができる時間が80%ある
試合中に発する
トランシーバーで繋がってるのですが、監督やコーチに伝える言葉が、あるいは手で打っているデータがパソコンを通していく。
ダイレクトに試合に関われるスポーツはなかなかないだろう
アナリストならでわの
試合前の公式練習
試合と同じコートで10分だけ与えられる時間

その時間にわざわざ試合でやろうとしてることと真逆なことはしない。サーブの練習の時間で打つエリアを練習する。わざわざ苦手なコースに限られた時間で打つ人はいない。
レベルが高くなればなるほど技術も高くなるので見抜けるものも少なくなってくるが見えるものもある。

ゲームの序盤、試合において、自分たちのゲームのプランは自分たちが分かる。しかし相手のゲームプランは試合が始まってみないとわからない。
相手の出方を見ること。一周まわって。または8点まで見るとこの選手を狙って着てるなとか気づく。
③1セットめ終了後ぼやーっとする。気づいたことあると聞いてもなかなか言えない状況になる。フォーカスを絞ってみることが必要。勝ったチームはセオリー通りでいけば変化はおこさない。負けたチームは変化が起きやすい。2セット目は何としても勝たなければいけない
取らなければいけない。何かしら変化を起こす可能性が高い。メンバーを変える。セッターの配球を変える。そちらに注目する

タイムアウトを取った時に、例えば監督がブロッカーに向かって猛烈に何か言っている。次ブロッカーが特殊な動きをする。例えばセッターがある特定の選手にいつもと違う形相でサインを出している
恐らく、その選手がいつもと違うパターンに入っている。念入りに何かを確認している。データ以外の観察からもいろいろなチームを助けることが出来る

最後にこれからのアナリストが担うこと
アナリストは翻訳家
テクノロジーの変化はスポーツに競技フィールドにおいて
取れなかったデータがとれる時代になった。センシングデータ、映像からの自動抽出。トラッキング。ものすごく細かい座標データに近いようなデータが取れるようになった。
取れました。こんなことができます。
スゴーイってなるが勝つために結び付けるには難しい。
レベルとのギャップがあるが、アナリストが間にはいって、こういうことができないかという話をする

貢献できるフィールドが広がっている