ワタシの特別はフツー
世界のどこかに、ぼくと同じ気持ちのやつはいないんだろうか。
ごく平穏を装いながら、まったりと絶望しているぼくのような誰かは。
凪良ゆう
「滅びの前のシャングリラ」
へびのおんなはしつこおてあかん、きがつよいからもっとあかん。おばあちゃんが言う。
履歴書に書く決まり文句は、長所は粘り強く根気がある、短所は諦めが悪い。他人の評価は間違っていないかもしれない。
「きがつよい」から攻撃力が強い、というのではない。一点を譲らないという、防御力の方が強いと思う。その一点以外なら他の全てを譲渡してもいいと思っている。
将来のことで家族とオオモメニモメテ家を飛び出し、自力で生活し進学、就職を果たした。家出したムスメに腹を立てた両親は一切の援助をしなかった。ゴメンナサイの選択はワタシにはない。苦労は買ってでもしろっておばあちゃんが言ってた、まさにその時だと思っていた。コレは持久戦?籠城戦?逃げるが勝ちという、攻撃は最大の防御という、でもワタシには忍耐一択が勝機だと思っていた。
若かりし頃の無謀な行動って意外となんとかなる。
なんとかなったようで、今がある。
もしかしたらを考えると、両親のもとで過ごしOLになり、ケコンして夫に仕えてハウスキーパー、なんて安定の未来があったかもしれない。豊かな未来はワタシ自身を肯定できたのかもしれない。
でも。。。。
ワタシの自立心は譲れないナニカだった。
誰にも理解されない、という孤独感は誰もがみんな持っていて、世界にひとりじゃなくて、自分だけ特別じゃなくて、ありふれたフツー。
フツーのニンゲンでも譲れないナニカで自分を守る、自分との約束を守ることができるらしいよ?
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