冬の続き

意外な驚き。

私の地元広島は、いわゆる瀬戸内海式気候というやつで、冬もそれほど気温が下がらない。特に、私はどちらかといえば沿岸部の方の出身であることもあり、雪もそれほどみたことがない。年に一度見れればよいほうだ。上下を山脈に囲まれていることもあり、雨も雪もたいして降らないし、風もほとんどない。穏やかではある。

たった数百キロの距離が、彼の「冬」と、わたしの「冬」を、大きく隔てている。
雨雪が少なく、風も少ない、穏やかな気候の土地。
わたしにとっては、想像の彼方の風景だ。憧れる。

温度が下がり続けると、雪は氷になっていく。
雪のうちはまだいいのだ。
凍れば断水するし、車の運転は危険を極める。
からだが冷えきればひとは死ぬし、きちんと除雪しなければ家はつぶれてしまう(空き家はよくつぶれる)。
「自然には逆らえない無常感」は、まさしくその通りである。

文字にするとつまらないが、本当に寒いときは、あったかいお風呂に入ってさっさと寝るに限る。
ひとによっては、そこに日本酒でもはさめばなお良い。

逃げ込む場所も多いから、その点は嬉しい。地下鉄や商業施設、カフェなどなど、歩いていれば避難できる場所がいろいろあある。

これは、東京の冬の魅力だ。
すばらしいと思う。
特に、駅や繁華街のカフェの窓際の席で、ひとがたくさん行き交うのを見るのが好き。

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