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6月6日、雨の午後

10cmくらい窓を開けた。
風と呼ぶほど強くはない空気の流れが生まれ、部屋の温度が少し下がる。
今日は雨。湿度が高いが、暑くはない。
肌に空気中の水分がまとわりついてくる感じと、「潤う」の違いを、うまく認知できないままでいる。

6歳児も3歳児も、外に行けないのを残念がっている様子はない。
100色の色鉛筆を引っ張り出してきて、6歳はずっとポケモンの絵を描いている。
3歳の方の遊びは、おもちゃや絵本を荒らすことが目的。
たぶんもうすぐ充電切れになって、いきなり昼寝すると思う。

雨を憂いても仕方ないけど、憂える気分になるのは雨の日が多い。
水分過多の仕事部屋で、白い壁を眺めているのは心安らかなことなのに、何か欠落したような感覚から逃れられない。
夫が積み上げた仕事の資料やポストイットを入れているレザープレート、くしゃくしゃっと丸まったブランケット。
当たり前にそこにあり、気にしたこともない物たちとの距離感が奇妙に歪んで、よそよそしいようなすごく親しいような気持ちになる。

こういう時は、後から後悔するほど苦いコーヒーを飲む。

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