九日目

 朝から古い住宅をうろうろ…。来たがるくせに歩かないので、車が通らないのを良いことに放置プレイ。長年通った稽古場である公民館の斜め前には、昔から沢山の犬がいた。通わなくなったせいで犬の歴史を知る手がかりを失ったが、ゲートの外からぼーっと見つめるふわふわに気付いて走って来たのは、漆黒のラブラドールだった。中からは小型犬が吠える声がする。現在も、最低2頭は暮らしているようだ。
 ふらふらぶらぶらしている子を置いて、辺りを見ながら進む。いややな~と思いつつも、犬が何とかついて来る。突然裏口の柵越しに犬が吠え立てたかと思ったら、あまり見かけないスコッチテリアだった。朝っぱらから騒ぐ=近所迷惑…というのは誰しも懸念するのだろう。家の中から窘められたテリアは、「コナちゃんっ!」と呼ばれていた。
 エネルギー源が回転焼きになっている。小麦とあんこ。それ以上にカロリーの高いものを食べている気がしない。しかし、朝食をパンやごはんに戻すきっかけが掴めない。甘くてほぼあんこ…という形が、まだ〝食べよう〟という気力を起こさせるから、冷凍ストックがある間はこれで行こうと思っている。
 家事が済んだらそのままダウンした。流石に今朝は、母も無理をしなかったから、私の作業が増える。したらしたですっきりするが、体調が悪いと辛い。しなければしないで気になって気持ちが悪いから、無理してでもした方が自分や周りのためにもなる。唯、犬の重みと下腹部痛、太腿痛で眠れないので、睡眠不足。また、大分食べられるようになったと言っても、通常にはまだまだ遠いせいで、体力不足をひしひしと感じる。階段の上り下りだけで息切れする。老齢になったらこんな感じなんだろうか…なんて、じいちゃんばあちゃんがしんどがっていたことを思い出し、ついまだ老齢程は年をとっていない現在の自分と重ねた。
 頼るはロキソニン。コロナと診断された時に出された薬がようやく無くなったから、やっと飲める。効いているうちに、眠れるだけ眠らないと…。今日は弟の誕生日だから、どうせ文章を打っても大した言葉は返って来ないから、ありったけの〝おめでとう〟スタンプを連続で送った。
 昼はスルーし、グリーンティーとプリンでお茶。コーヒーを、未だ飲む気になれない。
 散歩が住宅内で済んだのは、犬が歩かなかったばかりでなく、もう降らないと思っていた雨が、激しくなり始めたからだ。あずき父さんに会って話をしていたら、反対方向から雨を手で翳しながら様子を訊ねるロッキー母が走って来た。私から母へとコロナが移動したことが、ご近所さんにバレる。あずき父も嘗ては羅患したから、別に良いのだけれど…。
 夕方散歩を歩かないのは何故か…。いつも二人なのに一人だからではないか…と母と同意。様子がおかしい。母さんがずっと寝ている…と、心配しているのか、時々様子を見に行き、この夜は母と一緒に部屋で眠った。犬に移るのではないかと心配していたが、回復は私よりも早そう。ワクチンと対処薬の結果かも知れない。お陰でようやく、犬の重みに魘されずに済みそうだ。
 夕食は昨夜と同じメニュー。母が雑炊なら食べられるというので、私の分も白ご飯から汁飯に戻った。

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