春眠り(詩)

ひさしぶりによく眠った
沈みかけた日が磨り硝子をきらきらとさせる
興味のある出来事もないし
手近にあった本も早々に飽きてしまう
もう電気を点けなければいけないけれど
電気の紐が遠いのだ
日に日に上手になるクラシックギターがぼくを悲しませる
東京の友達に会いたい
早く
おみやげにもらった飴玉が溶けてなくなってしまったこと
鼻水と一緒に憑き物がとれたみたいに体が軽くなったこと
変な鳴き声のカラスを追いかけたこと
いろんなことが起こったのだ
大したことじゃないことが
日々日々降り積もってぼくは
つぶれちゃいそうなのだ

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