見出し画像

暗黙の了解 VTuberヲタク編

※写真の画像はTwitterでの暗黙の了解の一例であり、本筋とは関係ありません

•はじめに 

 今に始まった話ではないが、配信業界、特にVTuber業界においては暗黙の了解なるものが多数存在する。しかし、何故こんなものが半ルール化されているのか?と思うものも多い。今回は「暗黙の了解 VTuberヲタク編」と題して、色々見ていこうと思う。


①VTuberの魂については触れるな

 VTuberを見る中で一番最初に上がってくるのがこの問題である。アニメキャラと同様、VTuberというものはそもそも元を正せば2Dであり、誰かが声を吹き込まないとキャラクターとして成立しない。しかし、アニメキャラの声優を知ることは容易で、スタッフクレジットにも載る為、それを知ることタブーとする動きなど存在し得ないが(中には声優など見ない!キャラクターだけを見たい!というヲタクも当然存在はする)、VTuberの声優、いわば「魂」について触れることはご法度とされている。一体何故なのだろうか。

 ⅰ 契約問題

 まず、企業VTuberの場合を考えた時、VTuberの声優として活動する為には、その企業と雇用契約を結ぶ必要がある。この時には当然三次元での本名名義で契約をすることになるのだが、その三次元での過去の行動に問題が出てしまった場合、契約に支障が存在するのだ。企業の信用問題に関わる人間は雇用しない。一般の会社でも同じである。
 そこで、企業は過去の行動についてリサーチする必要がある。具体的に言うと、ニコ生主やツイキャス主としての配信実績である。にじさんじの一般公募枠のような場合はその調査は省かれ、単なる素行調査だけになるが、そもそもVTuber企業は元々配信で実績を残している人間を重用する傾向がある。にじさんじ、ホロライブ、774inc.など現在VTuber企業として実績を上げている企業がまさにそうである。
 何故そういう結論になるかと言うと、当然、名前を挙げたこの三企業ですら色々契約問題があったのだ。にじさんじでは真堂雷斗(未成年飲酒、未成年喫煙、未成年淫行)、ホロライブでは人見クリス(未成年援交、機材持ち逃げ)、774inc.では有閑喫茶あにまーれの桃乃ゆらり(契約違反判明、詳細不明)が、声優の素行不良による契約解除になっている。真堂はゲーム実況者、人見は協力者がいる中で配信業界に参戦しようとしていた立場、桃乃は原因不明だが、あにまーれが元生主やツイキャス主を積極的に雇用している点を考えると、その活動で何かしらの問題があったと考えるのが一番自然だろう(あくまでも推測)。
 企業側が問題を起こして演者が契約解除や長期休止を申し出るケース(アイドル部:夜桜たま、アイドル部:猫乃木もち、アズマリム、ホロライブ:夜空メルなど)も存在するが、今回は割愛する。
 このように、魂に問題があった場合に契約を解除する場合がある為、触れると色々面倒なのである。

ⅱ 転生へのケア

 そもそも、VTuber自体、配信者からの転生だろ?と思うかもしれない。それはその通り。
 しかし、元々VTuberとして活動していた魂が別のVTuberとして再始動することも最近増えてきているのだ。ここで、魂の新たな活動を推すのか、それとも新規VTuberとして新たに推そうとするのかの葛藤が生じるが、いずれにしろ、魂について触れることを避けるのである。これは暗黙の了解化しているが、前名義と全く変わらない活動をしているVTuberもいるのであまり気にしなくて良いのかもしれない。
 具体的には、現在活動しているVTuberでは個人勢:現よみ(あにまーれ:稲荷くろむ→)、個人勢:楠栞桜(アイドル部:夜桜たま→)、ギャザリング:柾花音(アイドル部:猫乃木もち→)、ホロライブ:姫森ルーナ(にじさんじ:闇夜乃モルル→)、VOMS:緋笠トモシカ(にじさんじ:名伽尾アズマ→)、クロスシスターズ:桃杏ゆり(にじさんじ:八朔ゆず→)といった面々である。
 前世の活動から継続して推していくのか、それとも推すのをやめるのか。転生前の活動を知るということはその選択を強いられることでもある。
 この為、転生したVTuberの魂には敢えて触れようとしないのである。

ⅲ 絶望したくない

 基本的に声さえ良ければそれで良いとする「声豚」と呼ばれるヲタクが世の中にごまんといるが、その人達にとっては声優を知り、その人があまり可愛くないと思ってしまった時絶望でしかないのである。失礼な話である。
 勝手に絶望するのは仕方が無いが、可愛さだけが全てではないことを声豚は基本的に分かっていない。「可愛いは正義」とよく言うが、「可愛い以外は悪」と同義として使う人が多いのだ。極端なのである。
 確かに、可愛いことは正義だが、可愛さを売りにしてないキャラクターだって沢山いる。面白い人、場を仕切る人、ドリブルの上手い人。色んな個性があるのである。
 可愛さ以外を否定することはそれを蔑ろにするようなものである。もう一度、自分のヲタ活、推し事を見直すべきだ。

②スパチャ読みの文化

 そもそも、VTuberというのは正式には「バーチャルYouTuber」である。YouTubeが主戦じゃないと筋が通らないのである。中にはSHOWROOMのような別配信サイトが主戦のライバーもいるが、その場合Vライバー(バーチャルライバー)と名乗っていたりする。
 そして、YouTubeにはスーパーチャットという投げ銭制度がある。投げ銭自体はどこにでもあるものの為、細かい説明は省くが、チップのようなものと捉えれば話は早い。
 で、今回はスーパーチャットの制度自体に触れる訳ではない。投げ銭したリスナーの名前を読み上げる「スパチャ読み」について触れたいのだ。

 当然、投げ銭は敬意を払うべき行為ではある。しかし、それを送った人の名前を読み上げることで配信の流れが止まるのである。それをリスナーが良しとしてるのもまたよく分からない。
 配信の流れが止まるということは、時間の流れを止めるのと同義で、特に雑談配信の場合脱線に繋がりやすい。やるなら配信終了時にやるべきだし、その方が締めとして良い。スパチャを投げられた時点ではお礼程度に留めて、最後にもう一度名前を含めて感謝の意を述べる。その方が綺麗だと常に思っている。これはメンバーシップの登録も同様である。


③VTuber同士のTwitterでの会話は割り込むな

 これが一番よく分からないのである。嫌な人はいるだろうし、実際にホロライブ:百鬼あやめは昨日その旨をツイートしているが、根本的なスルースキルの問題ではないのだろうか。
 とにかく、配信者、特にVTuberというのは全身が性感帯であるかのように敏感である。一番敏感なのは炎上に対してだが、気にし過ぎなのである。
 Twitterというものはそもそも発信系のツールで、自己陶酔の為のものである。自慰行為と同じである。本来何を呟こうが自由で(規約の範囲内にはなるが)、誰に対してコメントしようが自由で、あとは呼吸が合うかどうかの話なのである。嫌なら無視すれば良い。
 VTuberはその点、「自分が嫌なことは皆も嫌だよね!そうだよね!」という圧力のようなスタンスでツイートを投げる。思慮が足りない3歳児である。とにかく語彙と説明力が欠如している。
 今回の割り込みリプ、Twitter上での他人の会話に割り込むことを指すが、何故VTuber同士のリプライ合戦に割り込むことは悪とされているのかさっぱり分からない。マナー厨はこういう時、「現実でも人の会話に割り込まないでしょ?」と、まるでネット社会が現実であるかのような言い方をするが、ネット社会は擬似社会である。不確実性のもとで動いているものなのだ。
 しかも、Twitterは巻き込みリプをすることをそもそも想定した仕様になっているのである。嫌ならその制度の改善を米Twitter社に求めた方が良い(取り合ってくれないとは思うが)。なので、一生直らないバグみたいなものなのである。それを直せと言われても土台無理な話だ。
 理想的なTwitterの使い方である、

①嫌ならミュート
②それ以上に嫌ならブロック
③著しく不快なら報告

これで解決する話なのである(最も、ミュートやブロック欄が埋まることすら嫌なので使うことはないが)。
 Twitterの仕様の話で言えば、最近はツイートにリプライを付けられないような仕様も追加された為、特定の人だけのリプライを受け取る機能を追加することを検討する必要がある事になるのだろう(これもおかしな話だが)。
 TwitterはそもそもSNSと定義付けられていない点も注意すべきだ。


•終わりに

 ヲタクというものは本当に謎で、好くべき存在じゃない。コンテンツは好きだが、それを同じく好いている同族とは馴れ合いたくない。
 これからも、良いものは良いと言い、悪いものは悪いと言う、全肯定ヲタクに反した生活をしたいものだ。全てを肯定するような自我を失ったリスナーにだけはなりたくないなぁと思うのである。
 暗黙の了解も、おかしなところはおかしいと言うべきで、疑問を持つことを忘れてはいけないと思うのである。
 イエスマンにはなるな。それだけだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?