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乙瑛碑 禮器碑 曹全碑

乙瑛碑(永興元年153)、禮器碑(永寿二年156)、曹全碑(中平二年185)、漢代を代表する隷書の石碑です。漢隷の理想を示しています。隷書の頂点に達し、これ以降は山の頂上から四方に水が流れ落ちるように、いろいろな隷書の書風が分出していきます。100字を抽出して方寸の界中に再構築を試みた結果、この三碑がもつそれぞれの結構を多角的に比較することができます。

① 乙瑛碑 強靭にして温雅な波勢が一番の見所です。この筆勢は短い画にも見られ、隅々まで行きとどいた緊張感がこの碑の主題を明確にしています。

② 禮器碑 当時の代表的なスタイルで、しかも刻り方も三碑の中でも突出しています。保存もいいので、軽妙な線と重厚な構えが明瞭に伝わってきます。

③ 曹全碑 荘重な理想を実現した書道史上でも白眉の石碑といえます。格をはずれずのびのびと書くさまは、技術的にも最高峰です。

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