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桃モッツァレラとわたくし

みなさまごきげんいかがですか?
半ライスです。



そろそろ初夏か…と認識した途端に私の心がそわそわする原因、それは桃です。
これは丁寧な暮らしでもなんでもなく、野菜でも果物でも旬のものを食べていれば体に良いだろうというほとんどおまじないのような感覚で私はその時々の旬の物を食べるようにしています。

桃といえば、実家にいる間は母ライスが桃を買ってきて、しばし父ライスの仏壇にお供えをした後の熟れた頃に切ってくれて、種の周辺に残った果肉をしゃぶる権利は母ライスに譲り…というのが我が家の恒例だったように思います。
(兄ライスもいますが、彼は桃に興味がない人。)
果物に関してはありのままに、カットするのみで食べるスタイルを20年以上続けていました。


いつ頃だったか失念しましたが、ツイッターでバズり存在を知ったのが「桃モッツァレラ」。
果物は切るのみしか知らなかったので、ンハァ〜おしゃれな人はおしゃれなものを食べよる…と思っていました。
ちなみに元祖?は2014年ごろだそうです。

桃とモッツァレラ…まあ…わかる……塩とか胡椒とか…し、白ワインビネガーだァ〜ッ!?
お洒落ぶっこきやがって…と思ったことを今は大変反省しています。

みんなが絶賛するなら、当然気になりますが半ライス家には大問題がありました。
母ライスが「断固スイカに塩を掛けない」の人だったので、果物に塩を掛けることへの絶大な抵抗感があったのです。
こういった話をすると「切ったリンゴの色が変わらないように塩水に漬けたりしないのか?」と聞かれたりしますが、リンゴ1個を切ると即手を付け即食べ終わる家庭だったのでその経験がありません。
スイカに塩を掛けることに関して、母ライス曰く塩の味の方を強く感じてしまい気持ち悪いとのことです。

特に禁止されていたわけではないですが、スイカに塩ってさあ…て話を振るとゲーッという顔をされます。
ゲーッの顔ののち、あんな不味いモン!絶対にやらんといてよ!と間接的に罵られる(本人その自覚無し)ので、
こりゃやってるところ見られたらおしまいかも…という気持ちもあったので抵抗感があるのです。

母ライスの名誉のために言いますが、何か子に対して制限を掛けるような毒親などでもないし、食に関しても強制されていたわけではないです。
思ったこと大体全部口に出す人なので娘としては特に気にしてません。
まあ、今となっては私も思ったこと全部言う(池の水全部抜く)なので、確実にこの人の娘ということ…。
そんなこんなで、母の顔がよぎるのでスイカに塩は一人暮らしになった今も未経験です。

母ライスのことはさておき、こんな食環境で育ったため桃に塩を掛けるなんてあまりにも背徳的すぎる。恐ろしい。
でもなんか…おしゃれな食べ物だから…そういうこともあるのかも…(???)
そしてなにより、一人暮らしをしている今、誰も私を止めない。誰もいないし。

なんだか「今だーッ!行けーッ!」の気持ちになり、早速桃とモッツァレラチーズを近所のまいばすけっとで捕獲。
まいばすけっとに白ワインビネガーなんておしゃれすぎるものあるわけないので、駅前にある少しお高い方のスーパーへいくとさすがお高いスーパー、白ワインビネガーが普通にありました。
黒胡椒も買ったし、塩もアジシオじゃなくてちゃんとミル挽きの岩塩を買っちゃったりするわけですよ。
すごい、なんか、わたし…キラキラOLみたい…などと思ってる自分がおもしろかったです。


結果として人生で初めて果物に塩胡椒振るという大罪(当社比)を犯してしまった半ライスなのですが、言わずもがなもう罪を犯す前の私には戻れないんですよ。
正直、人生の最後の晩餐はチョコパイが良かったのですが、桃モッツァレラも晩餐に加わってほしい。
もう桃モッツァレラを食べていない私には戻れないんですよ…!

桃モッツァレラを知って私の人生は確実に豊かになりました。ありがとう、桃モッツァレラ。
一人暮らしを初めて数年、以来桃モッツァレラを食べることは私の夏の恒例行事になりました。


ちなみに今も我が家の冷蔵庫には桃が鎮座しています。
2つ入りを買ったので、1つはもちろん桃モッツァレラに、もう1つはもう台所の流し台で我が子を食らうサトゥルヌスのように食べちゃおうかな…ククク…。
(サトゥルヌスの参照↓)


それではごきげんよう。