宅建士試験で40点取って合格するための最も簡単な方法はこのライトノベル小説を読むことです 権利関係編1-27

「そして、その遺言書の効力発生時期は、いつか分かるかしら? 」
「もちろん、遺言者の死亡の時だろ」
「そのとおりよ。相続の場合と全く同じね」
 
民法
(遺言の効力の発生時期)
第九百八十五条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。
 
「遺言って法定相続人に対してもできるんだよな。例えば長男にすべての遺産を相続させるみたいなことを書けるんだろ? 」
「そうよ。遺言による相続分の指定ね。被相続人による相続分の指定は、必ず、遺言によってしなければならないとされているわ。他の方法ですることはできないの。その点もいいわね」
「OK」
 
民法
(遺言による相続分の指定)
第九百二条 被相続人は、法定相続分の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、法定相続分の規定により定める。
 
「それから、用語に注意ね。遺言によって相続人以外の人に遺産を譲る場合は、『相続』ではなくて、『遺贈』するということになるわ。遺産を受け取る人は『相続人』ではなくて『受遺者』と言うのよ。要するに贈与契約みたいな形になるわけね」
「贈与契約なんだ? 」
「そうよ。例えば、宅本健一さんが法定相続人ではない他人に遺贈すると遺言を残していたとするわ。でも、その人――受遺者が絶対に、その遺贈を受けなければならないということにはならないわ」
「どうして? 」
「もしも、負債だらけだったらどうするのよ。相続人は相続放棄する方法があるのに、受遺者は遺贈を放棄できないなんておかしいでしょ」
「あっ。そうか。すべての遺産を遺贈する趣旨の包括遺贈の場合は、負債も含まれている可能性があるもんな。じゃあ、受遺者も遺贈の放棄とかを家庭裁判所に申述するのか? 」
「違うわ。受遺者は、家庭裁判所に申述する必要はないのよ。私は受け取らないって、きっぱりと断るだけでいいのよ。法定相続人と違って、『自己のために遺贈があったことを知った時から三箇月以内に、承認又は放棄をしなければ、単純承認をしたものとみなす』とは定められていないのよ」
「要するに、受け取らないで放っておいても問題ないってわけだ」
「そうよ」
「でも、他の相続人にとっては困るんじゃないかな。もしも、伯父さんが誰かに遺産を遺贈するって書いていて、その人が、どっちつかずの対応を取っていたら、じゃあ、俺が貰っていいのか。それとも、相手に遺贈しなければいけないのか、判断に迷うじゃん。まあ、さっさと俺が貰っちゃえばいいわけだけど、本当にそれでいいのかどうか? 」

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※権利関係編は完結しています。今年の合格を目指す方は、先に読み進めてくださいね。

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