★今日の問題★

Aは、Bの代理人と詐称して、Cとの間で、BがCから金銭を借り受ける旨の金銭消費貸借契約を締結した。その後、Aは自ら、Bのために連帯保証人になった。
この場合において、CがAに対して連帯保証債務の履行を求めたときは、Aは、代理権の不存在を主張して連帯保証債務の成立を否定することはできない。


胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒

10秒

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「ええっと……。この事例は、AはBの代理人としてCからお金を借りたということだよな」
胡桃「そうよ。そして、AはBのために連帯保証人になったということね」
建太郎「その後で、Aは、Bのためにした連帯保証契約を無効だとCに対して、言えるかどうかということ? 」
胡桃「Aは、そもそも、Bからお金を借りることについて、代理権を与えられていなかったということね。だから、連帯保証契約を無効も無効でしょと言う話よ」
建太郎「うーん。この事例で、AがBのためにした連帯保証契約を無効だと主張するのはおかしいよな」
胡桃「そうね。判例も、この事例では、無権代理人から代理行為の相手方に対し代理権の不存在を主張することは信義則上許されないとしているわ」

他人の代理人と称して、金銭消費貸借契約を締結するとともに、みずからその他人のため連帯保証契約を締結した者が、債権者の提起した連帯保証債務の履行を求める訴訟において、代理権の不存在を主張して連帯保証債務の成立を否定することは、特別の事情のないかぎり、信義則上許されない。(最判昭和41年11月18日)

※参考条文
民法
(基本原則)
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。


※問題は、ノベル時代社の判例六法 丸暗記100問ドリルシリーズを利用しています。下記サイトから入手できます。

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