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飯能まちなか歴史建築スケッチ散歩

 今回私は、美術の学び体験、「飯能まちなか歴史建築スケッチ散歩」に参加させていただきました!

 2023年4月18日(火)午前、西武池袋線「飯能駅」近くにあります「マルトクカフェ」さんに集合。まずは今回の講師である小野たくまさ先生の「HENRO-遍路-」展を鑑賞しました。

マルトクカフェさんに集合
小野先生の「HENRO-遍路-」展を鑑賞しました

 小野先生は、画家・版画家として1980年代から活躍され、後世に残したい日本の自然風景を描いて国内外の展覧会に数多く出展。英国最大の環境保護団体「ナショナル・トラスト」の活動に共感し、イギリスや日本の保護地をスケッチしてこられました。
 2005年にロンドンの出版社から出版された墨絵の教本「The Simple Art of Sumi-e」は世界5カ国以上で翻訳され、2022年にはロンドンの王立芸術学院より招聘されるなど、世界的にも人気の作家さんです。

イギリスのナショナルトラストの風景が解説付きで展示されています
そよ風に揺れる葉音が感じられるようなすばらしいスケッチです

 今回開催された「HENRO-遍路-」展では、英国ナショナルトラストを描いた素敵なアート作品も飾られており、その作品を見ながら、自身もこれからアートの世界に入るんだ、とワクワクした気持ちで出発しました。

 旧・飯能織物協同組合事務所棟隣りの「蔵」の前で早速、小野先生より今回のスケッチの仕方の講義を受けます。

講師の小野たくまさ先生

 散策しながらのスケッチに必要なのは、「その場で早く描くことです」とのお話。
 理由としては、「たくさんの場所を散策しながら行うスケッチは、一つの場所に時間を割けない。また、ご家族やご友人と出かけている場合、長い時間待たせるわけにはいかない」ということだそうです。
 確かに、それは想定される状況だな~と納得。
 そのために早く描く技を、その場で伝授していただきました。

先生にスケッチの基本を教えていただきました
プロの技にみんな興味津々です!

 巧みな筆さばきに「おお~なるほど!」と思いつつも自分にもできるかなと一抹の不安を覚えながら、実際の街へ出発です…。

 散策は、飯能市街の各所にある、歴史的建造物を巡りまして、小野先生には「この建物はこういう見方をして、こんな描き方をすると早く描けますよ~」など、実際の建物を見ながら講義をしていただきました。

「店蔵 絹甚」(飯能市指定有形文化財)
現在はギャラリーやイベントスペースとして使われています
みんなでその場でスケッチ、立ったまま描くのは難しい…!

 その中の一つ、飯能市の指定有形文化財「店蔵 絹甚」を、みんなでスケッチしてみました。
 先程、蔵の前で伝授していただいた技を早速使ってスケッチです。先生の補助もいただきながら、なんとかそれらしいスケッチが描けました!
 ササッと描ける水彩の仕方も教わりましたよ。

ササッと描ける裏技とは…!?
先生のスケッチ。さすが、わずかな時間で建物の空気感を再現しています

 ちょっと外が寒くなってきたので、続きは休憩も兼ね、「蔵」へいったん避難。4月はまだ寒い日もありますね。

蔵の2階が「HENRO-遍路-」展の第2会場になっています

 休憩後、もう一度外に出て、旧・飯能織物協同組合事務所棟をスケッチしました。
 この建物は大正時代に建てられた和洋折衷の意匠が特徴で、通称「オリキョー」と呼ばれ、地域のシンボルとなっています。かつて飯能で栄えた織物産業の組合事務所として長年使われてきました。
 (こちら現在、埼玉ハンノウ大学事務所として活用しております。)

みんなで「オリキョー」をスケッチ
ついつい時間を忘れて夢中になってしまいました

 本日習った、対象物の見方やスケッチの技を駆使して、皆さん、真剣そのもの。ランチの時間が遅くなるのも気にせず、夢中になってスケッチしました。
「描いてるときって、自分の世界に入れるとても贅沢な時間ですね~」など、参加者の方たちと和気あいあいとお話ししたりしました。

マルトクカフェさんの地元食材たっぷりランチ!

 スケッチの時間が終わったら、最後は朝集合した「マルトクカフェ」さんで地元食材たっぷりのヘルシーランチを美味しくいただきながら、本日参加したきっかけなど皆さんで話し合いました。
 先生からは「移動しながらのスケッチは五感をフルに使うので、その時の思い出が鮮明に残ります」と、絵を描くことの楽しさや、イギリスの知られざる生活事情(高速料金はタダ)を色々教えていただき、たくさんの学びがありました!

 忙しく過ごす現代の人は、腰を据えてスケッチをすることはなかなか難しいと思ってしまうところですが、早く描くスケッチのコツさえおさえれば、もっと気軽に、簡単に楽しむことができる!と実感した1日でありました。
 絵を描くのは楽しいですよ♪
 小野先生、ありがとうございました!

(レポート:石渡 信行)


小野たくまさ「HENRO-遍路-」展
好評開催中!

「英国ナショナル・トラスト」で活躍する小野たくまさ氏が飯能まちなかをスケッチしました。

イギリスで20年間、カントリーサイドの歴史建築を描き、毎年個展を開催し、2022年には英国王立芸術アカデミーにも招聘された人気画家・小野たくまさ氏。日本での作品展示は2008年以来15年ぶりです。

今回は飯能の作品とともに、英国ナショナル・トラストを描いた作品の一部も展示されます。
会場の「マルトクカフェ」では原画や限定プリントも販売します。

売り上げの一部は飯能の歴史建築保全活動に役立てるために「織協市民サポート基金」へ寄付されます。

メイン会場 マルトクカフェ  埼玉県飯能市仲町5-7
会 期 : 2023年4月1日(土)〜 5月31日(水)
時 間 : 10:00~16:00
定休日 : 日・月曜日、4/15、5/15、5/20、5/23

第2会場 ビリーフ・プラス 蔵 埼玉県飯能市仲町6-1
会 期 : 2023年4月4日(火)〜 5月31日(水)
時 間 : 10:30~16:30
定休日 : 土・日・月曜日、祝日

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