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希死念慮と癌

こんにちは。36歳独身女性ステージIV肺癌患者です。

普段から希死念慮があり、長生きしたくないと思うことも多い不徳な私ですが、今日はあんまり早く死にたくないなと考えていました。

今年1月に癌の診断を受け、分子標的薬タグリッソを使い始めてから4ヶ月が経ちます。今のところ薬は非常に奏功しており、副作用もほとんど無いというありがたい状況にあります。一方で、気力・意欲は充実とは程遠く、毎日をダラダラと過ごしています。

タグリッソという薬は、いずれ癌に耐性を獲得されてしまい、いつか効かなくなります。耐性がつくまでの期間は、平均で1年半〜2年、早い人では半年だそうです。私は既に4ヶ月を無為に過ごしてしまったわけです。私の主治医は、タグリッソの後は抗がん剤を使おうと考えていると言っていました。そう、あの悪名高い抗がん剤です。髪が抜けたり、気持ち悪くなってしまったりといった不快な副作用で知られる抗がん剤。しかも、効くかどうかはやってみなくては分かりません。

タグリッソがいつまで効くのかは誰にも分からず、完全に運次第です。そう考えると、身体に負担感なく過ごせる期間はもしかしたらそう長くないのかもしれません。なんとなく自分にはタグリッソが何年も効くんじゃないかなという根拠のない甘い考えでいたのですが、今日「そういえば服薬を始めてからもう既に4ヶ月経つな」とふと思い至って、急に少し怖くなりました。

希死念慮のある私にとって、あと数年で死ぬかもしれないというのは屈折した癒しでもあります。積極的に死にたいわけではないけれど、長い間生きていく勇気も自信もないから消えてなくなっちゃいたい、楽になりたいのです。でも、さすがにあと1年とかだと短いなぁとも思います。難しいですね。仮に癌が寛解しても双極性障害や生きづらさは残るし、30代のこの時期に癌に罹患することで奪われる人生の選択肢についての葛藤もおそらく消えることはないでしょう。

希死念慮が出ているということは、現在メンタルの調子が思わしくないということでもあります。今、毎日何をするのも億劫で何も楽しくなくてやりたいことが思いつかないというこの状態をどうにかしたい思いがあります。でもどうしていいのか分かりません。私はフリーランスなのですが、今月はほとんど働きませんでした。このまま1年くらい仕事をセーブして、死んでも思い残すことがないような生活ができるように色んなことの治療やケアに専念するのもいいかもしれないと今日は思案していました。

まあ、全ては来週に控えた引越しを無事完遂してから考えればいいのです。一人だと考えてもしょうがないことばかり考えてしまいますね。今日はこれから通訳学校の授業です。終わったらタグリッソと抗不安薬を飲んでさっさと寝るつもりです。


肺癌診断までの経過を書いた有料ノートです。読みものとして面白いという感想もいただいております。長いですが、たくさんの方に読んでいただけると助かります。拡散も大歓迎です。


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