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ソーラーパネルに「リコピン」ぶち込んで性能上げてみた

段々と日差しが強くなってきて、最高気温が30度を超える日もちらほら出てきだしたよね。日傘を刺す人も目立ってきた気がする。そんな陽射しによって皮膚を傷んだりシミができてまうのは、紫外線を浴びた皮膚細胞に生じる活性酸素(フリーラジカル)が肌のハリを保つコラーゲンなどを破壊してしまうからやって言われてる。

紫外線はお肌の天敵やけど、実はソーラーパネルも紫外線に悩まされてる。というのも、ソーラーパネルが太陽光で発電してるとき、パネルのポリマーが紫外線を浴びることで活性酸素が発生する。この活性酸素によって材料が酸化してボロボロになり、腐食の原因になったり、発電効率が下がったりすることが知られてた。つまり、ソーラーパネルもお肌と全く同じ原理で劣化してたの。

ところで、みんなは紫外線対策にどんなことしてる?日焼け止め塗ったり、日傘を刺したりしてる人が多いと思う。トマトを食べてる人もいるんじゃないかな?なぜなら、トマトの赤い成分「リコピン」には高い抗酸化作用があり、紫外線にさらされた皮膚で発生する活性酸素を消去してくれる働きがある。リコピンの抗酸化作用はビタミンEの100倍以上で、健康や美容に対して様々な効能が期待されており、「食べる紫外線対策」とも呼ばれてる。

トマトはナシやリンゴに比べて高い抗酸化作用をもつ/ Credit: X. Zhuang et al., "Learning From Plants: Lycopene Additive Passivation toward Efficient and “Fresh” Perovskite Solar Cells with Oxygen and Ultraviolet Resistance", Advanced Energy Materials, 2022

そこで、中国の吉林大学の研究者たちは、次世代型ソーラーパネル「ペロブスカイトソーラーパネル」をお肌にみたてて、トマトのリコピンを加えてみはった!ペロブスカイトソーラーパネルは高い発電効率で次世代の主流になると期待されてるんやけど、既存製品よりも酸素や水分の受けやすく脆いから、長期間しようしても継続的に発電し続けてくれる安定性の向上が課題と言われてた。せやから、リコピンの抗酸化作用でパネルの劣化を抑えて安定性を向上させれるんちゃうかって考えはったの。

じゃあ具体的にどうするか…ソーラーパネルにリコピンをそのまま練り込んでみたんやって笑。料理ちゃうんやからなんか工夫なかったんかいな笑、そんなんで効果でえへんやろぉ…いやいや奥さん!それが効果あったんですよ!リコピンはペロブスカイトソーラーパネルの内部でも期待通りの抗酸化能力を発揮し、パネルの酸化を抑えて安定性を向上させてた!さらにパネルの結晶構造内部で電気の流れを邪魔しとった微小粒子を減らすことで、電気をよりスムーズに流れるようにしてくれて、最終的には発電効率を3~4%向上させることもわかった。

地球温暖化防止の切り札的な存在である太陽光発電、その性能を天然由来の低コストの添加材で上げられるなんてほんとお得な話やと思う。セール好きの関西のおばちゃんも喜んでくれそうな技術かも笑。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/aenm.202200614


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