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夜中にソーラー発電してみた

太陽光発電は、枯渇せえへん日光をエネルギー源として、排出物を伴わないクリーンな発電方法として知られている。また、可動部がなくて保守が簡単で長持ちするってことやったり、システムの規模の大小に関わらず発電効率が変わらへんのも魅力やったりする。

せやけど、発電量が季節や地域、天候に左右されるし、当然ながら夜間は発電できひん。せやから、蓄電池を併設することで昼間につくった電気を貯めておいて、夜になるとそれを使えるようにするシステムが組まれることが多い。

「太陽出てへん夜も発電できたらええのにな~笑」このとんち話みたいな課題に対して真剣に取り組んではんのが、豪ニューサウスウェールズ大学(UNSW)や。ほんで最近、暗視スコープに利用されてる材料を使って、赤外線放射を利用した夜間発電機の開発に成功しはったらしい!

赤外線放射とは、日中に地表が太陽光で温められ、夜にその熱エネルギーが赤外線として宇宙空間に放出される現象である。太陽光発電といえば、エネルギーが上空から降ってくるときに発電するのが普通やけど、今回開発された夜間発電機は、逆に地面から放射されるエネルギーを電力に変えるというのだ。

夜間の赤外線放射/ Credit: N. J. Ekins-Daukes, "Night-time solar’ technology can now deliver power in the dark", ACS Photonics, 2022

この赤外線エネルギーを電気に変換するため、熱放射ダイオード(thermoradiative diode)が新たに開発された。この半導体にはHgCdTe(テルル化カドミウム水銀)という素材が採用されてて、暗視スコープなどに搭載される赤外線センサなどにもよく使われてるらしい。

開発された熱放射ダイオード/ Credit: N. J. Ekins-Daukes, "Night-time solar’ technology can now deliver power in the dark", ACS Photonics, 2022

実験の結果、夜間でも発電できることが実証された!とはいえ、発電能力は2.26mW/㎡と、一般的なソーラーパネルの約10万分の1くらいのパワーしかあらへんかった。ちなみにこの能力は、熱放射ダイオードをバスケットボールコートが2面とれる体育館くらいの広さ(1,300㎡)に敷き詰めて、一晩中発電したら、やっとカップラーメン1杯分のお湯を沸かせるくらいやねんて笑。研究者曰く、理論的にはソーラーパネルの10分の1程度の電力を生み出すことが可能らしいから、今後の進展に期待やね!

都市部で夏場に起こる熱帯夜は、日中に吸収された太陽光の放射熱によって引き起こされる。このことを考えると、かなりのエネルギーが夜間に放射されてるんやろから、これを効率良く発電に利用できたら嬉しいね。

また赤外線放射は熱帯夜に限らずあらゆる温度を持つ物体が行ってることなの。せやから、熱放射ダイオードの性能が向上したら、ありとあらゆる所から電気を生み出せるようになるかもしれんな~。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsphotonics.2c00223


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