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春爛漫


花を見るために出かけられるなんて、いい季節。

街行く人の顔も心なしか明るく見える。無意識にでも、花を見上げて歩くからかもしれない。桜の名所まで行かずとも、街中でこんなにお花見が楽しめるんだから。

間違いなく、この国が一番美しくなる季節。そう思ってはまた一つ、自分が暮らすこの街が好きになる。

冬の厳しさと真夏の気怠さ、梅雨の憂鬱さがごちゃ混ぜになったみたいな春の空気はどことなくカオスで、それでいて驚くほど軽い。

今年もまたカメラをもって「お花見」へ。街中でも桜は楽しめるけれど、日常に忙殺されている間に気づいたら散ってしまうものだから。その儚さがまた、人を魅了するんだけれど。

諸用を済ませて銀座からお花見スタート。いつの間にかすっかり多国籍に戻った並木通り。日本語英語中国語、スペイン語に韓国語。知った場所なのにこちらがアウェイみたいな気持ちが不思議。

桜をカメラに撮る観光客の皆さんへ、声を大にして言いたくなる。「ね、春の日本は綺麗でしょ」って。

最初の目的地は国立劇場。都バスで行くのが最短らしい。東京でバスに乗るなんて何年ぶり?有楽町、日比谷、半蔵門。いつもは地下鉄で移動する駅、実はこんなに近かったらしい。

国立劇場の桜。個人的にはここの桜が東京で一番好き。規模は大きくないけれど、花の色も大きさも様々で楽しい。程よく混雑している賑わい度合いが、ちょうどいい。

毎日聴いてる東京FMのパーソナリティは皆、この時期になるとこぞってここの桜に言及するので必然的に見に来たくなる、というのもある。

「お花見の日」にしたこの日は残念ながら終日曇りだったけれど、ちょっとだけ日が出てきたタイミング。陽の光を受ける桜の花びらほど春を感じるものはない。

国立劇場から東京FMの前を通って皇居のお堀沿いを歩いていく。

千鳥ヶ淵公園もまた、満開〜葉桜あたり。「まだ満開じゃないね」なんて話していたら、もうおしまい。いつにも増して楽しめる時期が短かった気がするのは、おかしな天気のせい。

そう言えば、久々に公園でブルーシートを見かけた。春の風物詩だったはずのあれ、数年振りに見るとちょっとだけ滑稽。この時期は公園で明るいうちにお酒を飲んでもお咎め無し・罪悪感無し。桜の名に免じて、とでも言うべきか。

新年度の忙しなさ、浮き足立つ人々。出会いと別れ。

もうすっかり、春ですね。

お堀を北上?するほど人が多くなったので、気まぐれお花見はこれにて終了。

麹町方面へ抜けて、気になっていた老舗カレー屋さんで早めの夜ご飯とする。

一人で入るには「きちんとしていた」店構えとお値段に気後れしつつ、せっかくなのでと入店。日本人向けにアレンジしていないらしいカレーは、「辛いのダイジョブ?」と店員さんに念押しされた通りしっかりスパイシーで美味でした!

ではでは、桜、また来年。

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