つきのふね

森絵都さんの小説
テーマは妄想が大好きな青年と、思春期の中学生の物語。
万引きの中学生を救った青年と結びつくところから物語が始まる。
救ったというのは語弊がありますね。
万引き犯なのに逃しただけなので。

妄想癖というよりも統合失調症なんですけどね、彼。
病院に行くように周りが説得していたけど、なかなか行かないので状況が悪化していきます。
よくある話ですね。

そこで青年から救ってもらった少年少女が次は彼を助ける番になるのですが、これはまだ難しい。
精神障害なので、根性論では上手くいきません。
ゴールは病院で治療を受けさせることです。

「つきのふね」で人類を乗せて宇宙に行くことが彼の夢らしいのですが、ファンタジー展開にならずに良かったです。
精神障害がファンタジー展開で救われるのはなんだか冷めちゃうので。
エンディングは「つきのふね」とは何かを表現してくれてよかったです。


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