「令和6年6月第1週のアマプラ配信作がアツい」2022/6/8

・令和6年6月第1週にアマプラで配信が始まった映画がアツい。

・5日、6日の土日休みを使って3本作品を観た。とても楽しめたのでちょっと紹介したい。自分の良かったと思う経験や情報をインターネットで発信することで、わずかでも世界が良くなったら嬉しい。己の発信を買い被っている。


スパイラル:ソウ オールリセット

地下鉄の線路上。舌を固定され、宙吊りの男。
舌を引き抜いて生きるか、ぶらさがったまま死ぬか?
猛スピードの電車が轟音を立てて迫り、やがて無残にも男の体は四散する。
それはジグソウを凌駕する猟奇犯が仕掛けた、新たなゲームの始まりだった――。
ターゲットは《全て警察官》。
不気味な渦巻模様と青い箱が、捜査にあたるジークと相棒ウィリアムを挑発する。やがて、伝説的刑事でありジークの父・マーカスまでもが姿を消し、追い詰められていくジーク。ゲームは追うほどに過激さを増し、戦慄のクライマックスが待ち受ける。
公式HP

・「無残にも男の体は四散する」んだってさ。大変だね。

・みんな大好きソウシリーズの新作。ソウシリーズはシリーズを経るごとに「いかにトリッキーな拷問マシーンを作れるか選手権」みたいなノリになっていき、初期のシンプルかつ魅力的なソリッドシチュエーションスリラー空気が薄まっている、とはよく言われるお話。実際そう。

・ソウ1~7で1シリーズが完結し、再起動した前作「ジグソウ:ソウ・レガシー」が割と界隈で評判だったので、今作スパイラルが上がったハードルを超えられるか気になっていたが、概ね良作だったと思う。少なくとも私にとっては。

・ソウシリーズのよくあるパターンとしては【Aパート】監禁された人間がジグソウのゲームに挑戦する、【Bパート】ジグソウを追う警察の攻防、の2軸が並行して展開される流れだ。Aパートのゲームの斬新さと、閉鎖空間の息苦しさが私は好きなのだが、今作は基本的にBパートが中心に進んでいき、ゲームは連続殺人のアクセントに使われているに過ぎないように感じられた。まぁ、独自性の高い殺人スタイルは映画の見せ場として機能していたし、とても良かったけど。

・セブンの冷たくシリアスな捜査展開にソウの殺人ギミックを盛り込んで、どちらにも振り切らなかった映画、という印象を受けた。

・ソウシリーズの面白さの肝ってどんでん返しだけど、割と簡単に予測できてしまった。1作目結末の衝撃に及ぶのはやっぱり難しいよな、と思う。

・ここまで批判的な文章を連ねてきたけど、普通に面白かったっちゃ面白かった。どう面白かったかを書くとネタバレになってしまうので書けないのが、この手の映画の厄介なところだ。そこを伏せて読者に興味を持たせるようプレゼンテーションするのが映画ライターでありLiLiCoなのだろうが、私は映画ライターでもLiLiCoでもないので、こんな感じの文章になってしまった。面白さを保証することは出来ないが、私は人生のうち93分をこの映画に使って良かったと思う。

・あと、原題「Spiral」を邦題「スパイラル:ソウ オールリセット」にするのちょっとダサくないか?前作で「Jigsaw」が「ジグソウ:ソウ・レガシー」になった時もちょっと思ったけど。プロモーションとしてはこのタイトルの方が波及効果があるってことか。


スカイライン -逆襲-

15年前、地球に出現した宇宙船は、青い光を放出し大量の人間を吸い上げていった。彼らエイリアン〈ハーベスター=収穫者〉の目的は、人類を資源に使うこと。母親が妊娠中に捕えられ、青い光の影響で特殊なDNAを持って生まれたローズは、父親代わりのマークらと抵抗軍を結成。10年後、リーダーに成長した彼女は、コアドライブを積んだアルマダ艦を打ち破り〈ハーベスター〉は地球から姿を消した。それから5年、戦いで心に傷を負い抵抗軍を離れていたローズは、コアドライブが敵の惑星コバルトワンに転送されていたことを知らされる。既に〈ハーベスター〉は反撃の準備を整え、洗脳から逃れ地球で暮らす30億もの〈パイロット〉を再び操り始めるという。残された時間は72時間。地球では〈パイロット〉の群れが人々を襲い始めていた――。
amazon紹介文

・あらすじ、映画内の特殊用語が多く出ていて、すとんと内容が入ってこないな。映画を鑑賞済みの私でさえそうなんだから、未視聴の人からしたら宇宙言語だろう。要するにおもしろSFアクション映画ということ。

・あなたは宇宙人、好きですか?私は大好きです。

・「スカイライン -征服-」「スカイライン -奪還-」からの3作目がこれ。1作目ではNYが徹底的に破壊・侵略される様子を、逃走を試みる小市民の目線で描き、2作目で別視点から宇宙人に抵抗する様子を描きつつ宇宙船や宇宙人の構造を描いた上での3作目。

・1作目、2作目、3作目と完全に筋は通ってるし、1本の面白ストーリー群として繋がっているのに、それぞれが全く別ベクトルに面白い。カタストロフィSFの1作目、肉体派アクションの2作目、異星・宇宙バトルの3作目。

・回を重ねるごとに予算が増えてる感じも嬉しい。細かい戦略とかは置いておいて、バトルでの動きとビジュアル第一のキメ画で大雑把に楽しめる映画。作品はメッセージ性や心に何を訴えるかが最も大事だ、みたいな映画哲学が存在するとしたら、そんな哲学なんて無視して単純に楽しめればいいという方向性の娯楽性全振り映画で楽しい。

・ライトなネタバレだが、このシリーズではちょくちょく人類味方エイリアンが登場する。そして人類の味方エイリアン=善、人類の敵エイリアン=悪、みたいにきっぱりと二極化して扱われ、善エイリアンの眼は赤く発色し、悪エイリアンは青く眼が発色するのだが、これに終始違和感を持ったまま映画を鑑賞した。あぁ、王蟲による刷り込みって凄いなと、あらためて実感した。

・元々、1作目を午後のロードショーで観て知っていたクチだが、この3作目を楽しむために前2作も再視聴した。3作続けてみると、連続した物語でありながら、1つずつが1エピソードの枠を越えて独立した作品に感じられるほど内容が充実している。

・調べたら午後ローにスカイラインが登場したのは8年前だった。時が経つのは早い。

・ネタバレがあるので上記リンクには気を付けてほしいが、4作目の製作に向かっているという話もある。実現したらいいね。


オールド

休暇で人里離れた美しいビーチを訪れた複数の家族。楽しいひと時を過ごしていた矢先、ひとりの母親が突然姿を消した息子を探している――「私の息子を見かけませんでしたか?」「ママ、僕はここにいるよ!」母親が息子の姿に気付かないのも無理はなかった。なんと6歳だった息子は、少し目を離した隙に少年から青年へと急成長を遂げていたのだ。一体このビーチで何が起こっているのか?海岸に打ち上げられた女性の死体、次々に意識を失う人々、砂浜に残された謎のメッセージ――不可思議な出来事に直面する彼らは、やがて自らが急速に年老いていく事に気付く…。果たして、極限状態に追い込まれた彼らの運命は?
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・これすごかった。シチュエーションスリラー系でこれまでこの設定って使われたことないんだろうか。全時代、全人類の共通する根幹的恐怖って、殺人鬼ジグソウでもエイリアンの襲撃でもなく結局「死」なんだよなぁ、とわざわざ思い出さしてくれる。死に附随する老いや病も、とびきりネガティブかつ効果的にストーリーに効いてきて参ってしまう。

・M・ナイト・シャマラン監督の作品、「シックスセンス」や「アンブレイカブル」だけじゃなく、批判も多い「サイン」も好きなんだよな~。ただ、本作オールドは、私の中ではそれらを越えている。とても良い。

・劇中でビーチ上の1時間で肉体年齢が何年進むという究明があり、その時間進行の上で成長や病の進行していくビジョンが説得力を持って見せ場になっている。本来同一速度で進む人生の経過を早送りで見せるだけでこんなに面白い映像体験になるとは。

・この公式予告映像、そこそこネタバレかましている。

・本作の感想、評価を調べたら賛否がぱっきり両論分かれていて驚いた。大概の賛否両論あるタイプの映画は「面白いけど否定意見もありそうだな~」と観ながら感じるが、この作品は一切それがなかったから。自分の中ではスタンディングオーベーション映画だった。

・私が人間の不可逆な崩壊しゆく肉体と絶対な死を日頃から意識しつつ暮らしているから、そのことを恐怖や人間ドラマを挟みつつ可視化したこの映画に心を打たれてしまっただけなのかもしれない。私は死や老いをつかみどころない不安をもって捉えている。なんなら恐怖であって、一切意識せず平気な顔をして生きている人たちの方が奇怪に見える。普段ゆっくり死ぬために生きているが、死の方が目に見えて急速に迫ってくる体験は唯一無二だ。

・オールドのwikipedia、賛否両論の批評が細かく紹介されている。鑑賞後に読んで、自分の脳で同意反駁しつつ批評を追ってみてもいいかもしれない。

・とにかく私にとっては人生の中で上位に入る好きな映画なので、気軽に友達にも勧めよっと。どうせ私はLiLiCoじゃないし、何も考えず好きな映画をこんな感じで適当に紹介する。


まとめ

・アマプラ入会すべし。


【今日得た知識】
・障害年金は疾病、または負傷によって、所定の障害の状態になった者に対して支給される年金の総称。「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類がある。
・障害基礎年金が等級に応じて年金額が一定額に決まっているの対して、障害厚生年金は等級とこれまでに納付してきた保険料・加入期間の月数に応じて年金額が変わる。

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