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もとジャズ研おじさんのつぶやき

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譜面とかが出てこない記事だけ抜粋しています。 「セッションの歩き方」「アドリブのいろんな考え方やコツ」「練習法」「アマチュアジャズマンとしていろいろ考えたこと」などをつぶやいてい… もっと読む
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2023年3月の記事一覧

サブスク時代のジャズ視聴とは(1)

音楽鑑賞のあり方って、私が子供の時と今と随分変わってしまったなと思う。今日はそんなお話です。 サブスク時代私はレコードではなくCD世代(1974年生まれ)。 中高生の頃は、友人に借りたりレンタルCD(アコムが近くにあった)でカセット・テープにダビングした音源を大量にストック。CDもよく買った。タワレコだけでなく、神戸三ノ宮にあったMr.Jackets、新星堂、りずむぼっくす……中古レコード・輸入盤などをよく買ったものである。 (東京に住んでいたらDisc Unionに通い詰

段階別セッションの目標

以前「ジャズ研換算」を書きました。 学年別のジャムセッションにおける目標はなんでしょうか? いきなり結論ですみません。説明させてください。 セッション初心者=ジャズ研1年「ジャムセッション行ってみようかなー…でも怖いなー」という感じの初心者。最初はみんな怖い。 物怖じする場合は、まずは楽器持たずに下見にいくという最終手段もあります。 初心者の方へ。注意点。 まずできる曲を1曲か2曲決めましょう。定番の曲がよろしい(先輩に聞いてください) 最低限必要なのはテーマが吹

水たまりがつながる

クラシックや、ポップス畑で、それなりに演奏経験のある方。 そんな人が、ジャズに進出した時のアドバイスです。 ジャズの練習方法はクラシックと同じではないジャズの上達のあり方は、クラシックやポップスとはちょっと違う。 演奏技術や楽器の弾きこなし方という点では、クラシックがやはり最高峰。楽器の練習方法は完成されている。 プロのジャズマンも、結局クラシックのエチュード練習してます。 また、演奏の解釈だとか、ニュアンスの付け方、細部に至る音の完成のさせかたもクラシックの方が勝って

くすぶっているジャズ研学生へ

ジャズ研は「研究会」でもなんでもなくて、多くの場合演奏が本義とされる。 このNoteでも演奏のヒントになる記事を書いているけれど、ただ、全員がアドリブする……なんて絵空事。 理想論である。 ジャムセッションに参加しアドリブを楽しめる人なんて、リズムセクションでも30%くらい、フロント楽器だと5%、良質なジャズ研でも15%程度の確率ではないだろうか(ジャズ研って、基本的に、ほったらかしだしね) では、そうでない人はどうしたらいい? そうでない人には価値がないんだろうか?

トーナル→コーダル→モーダル(4)

さて「トーナル」というのは結局なんなのか、そして、それがありさえすればジャズになるのか?ということを述べましょう。 「トーナル」とは結局何か?「トーナル」=単一調性でソロを吹くためには、ジャズのリックやフレーズ、パリッとしたコードテンションよりも、はずれない音を用いてメロディメイクを行うことが重要です。 はずれない音でメロディメイクをするのに最適化した楽器が一つある。 ブルースハープだ。 ブルースハープは、ある特定のキーのドレミファソラシドを出せる楽器で、曲ごとにそのキー

トーナル→コーダル→モーダル(3)

ここまで、トーナル=調性感覚ということで、 個人の奏者の能力という文脈で語ってきました。 しかし、本来はジャズ理論の コーダル モーダルが前提にあります。 音楽理論の進化という文脈で「トーナル」を振り返ってみましょう。 ジャズの歴史を俯瞰するジャズの歴史でしばしば語られる コーダル→モーダルですが、 厳密にいうと、コーダルが進化してモーダルにいったわけではない。 むしろコーダルが行き詰まりをみせて、モード奏法によって別の風穴があいた、と考えた方がいいように思います。 進化