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【考えさせられる話】不機嫌で黙り込む人について考えると、少しキャパが増える

フキハラという言葉が出てきましたね。不機嫌ハラスメント。要するに不機嫌は迷惑だし、当たり散らしたり黙り込んだりするんじゃねーよということですが・・・。自分を省みず不機嫌を垂れ流すだけの人はともかくとして、そんな自分に悩んでいる人もたくさんいます。こんなことで不機嫌になっちゃいけないとか、こんなことで傷ついたり怒ったり悲しんだりしてはいけないと思うのに、どうしてもそうなってしまう。しかも、そうなった自分が迷惑がられることを知っているから、相手の顔を見て、さらに悲しくなってしまうわけです。

そんなの信じられます?不機嫌さに直面して何度もうんざりした経験がある人は、「だからと言ってあんな態度は許されない」と、理解したくない気持ちもあるでしょう。自分がその被害に遭っていると思うと、まるで相手がその場で優位に立つために不機嫌さを出しているのではないか・・・という気さえしてきます。まぁ・・・自分の中のストレスを緩和するために、場に緊張感を持たせて制することに慣れてしまった人はいます。自然と「不機嫌な態度」を道具にしてしまっている人は実際にいるにはいるんです。でも、不機嫌になってしまう自分に本当に困っている人もたくさんいるんです。

例えば感受性が強すぎたり、感情のアップダウンが激しい人というのがいます。例えば自分が感じたことを上手く説明できない人もいます。それが表現力という問題でできない人もいれば、単に感情が動きすぎて上手く言えなくなるという人もいます。例えば元々罪悪感が強かったり、責められすぎて罪悪感が高まりすぎていたり、人に迷惑をかけると思って罪悪感が強まっている人もいます。そうすると、無理して愛想笑いする人もいますが、不機嫌という形で表に出すしかないということにもなるのです。これら全てがセットになっている人も少なくありません。

みなさんの性格の偏りは、たとえASDやADHD、双極性障害、統合失調症などの名前がつくような何かにならないとしても、それぞれがちゃんと何かの方向性を持っているものです。モラハラ、DVだってそうです。校長にももちろん性格の難しいところはあります。相手が「普通」に見えるほどに、そういった難しい部分は理解されなくなりますが、どうにもならない不機嫌さだって、そういった特徴によってもたらされているんです。

だから何だよって思うかもしれません。「それでも、そういう人に直面したら、やってられない」と。まぁそうでしょう。でも、こうした理解は、少し自分のキャパを広げてくれます。優しく包むまで大きくなれないにしても、どこかで「まぁいろんな人がいる。仕方がない部分はある」と思うような、ありのままに受け止める土台になったりします。

そして、不機嫌さ、黙り込みに直面したら・・・。これも厄介な話ですが、とりあえず15分待ってください。何か憂鬱な気持ちなどは15分でどうにもなりませんが、話が通じないほどの感情の高ぶりは、15分で落ち着いてくることになっています。その間に「何か言えよ」と問い詰めるのも、「ちっ。どうせだんまりなんだろ。待てばいいんだろ」とドアを思い切り閉めるのも、やめてください。まぁそれが分かっていても、何か言ってやらなきゃ気が済まないような状態になっているでしょうから、そこが厄介なのですが。気持ちを落ち着かせるまでに時間がかかるんだ、時間がかかるということも自ら言えないような気持ちなんだ、と理解して少し場を冷ましましょう。

何より大事なことは、普段から、そういう面について「そっとしておいてあげる」ことです。「そっとしておく」が我慢ならないと、無視するとか見捨てるという方向に走りがちですが、そうではなく。まぁそれぞれに偏りはある、それはそれでいいと、少しゆったり構えてください。自分の正しさを押し付けたり、「まとも」と呼ばれる性格に変えねばならないと思い始めたところから、不幸が始まります。べつにこれは神様のような器が求められるようなことではありませんよ。そういう面まで愛せとは言いませんから。緩く構えて「そっとしておく」です。

よくよく考えると、べつに不機嫌になりやすい人でなくても、すぐに切り替わらない気持ちを待ってあげたほうがいい場面はありますよね。相手を傷つけた後で「謝ってるのにまだ怒ってるのかよ。なんなんだよ」とキレる人もいますから。ということで、みんなで「不機嫌な人」を叩きながら「いやよねー」と共感してせいせいするだけでなく、理解を深めるということが、人との接し方全般にも役に立つのです。理解するということが、困っている人のためだけでなく、自分のキャパのために、心の平穏のために、役に立つのです。

あなたのキャパは少し広がりましたか?
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