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一坪のお店を開くまでと、その後の話。

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両親の介護を終え、その後どうしよう…と思いをめぐらせ、思い立った引越しと小商いの話。
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#引越し

その後の話。

関東に引っ越してきて、9ヶ月。 シロアリが発生したり浴室の換気扇が壊れたり、郵便や宅配の誤配が何度かあったり、シャワーがぬるいか熱湯かしか調節が効かないなどの不便は多少あれど、徒歩30秒で商店街の立地&優しい大家さんの敷地での暮らしはいい感じです。 と同時に、前に住んでいた土地(奈良市)がいかに魅力的な場所だったか、そこに点在するお店の個性やクオリティがいかに得難いものか、思い知ることにもなりました。 先日、こちらで知り合った奈良出身の方が「地元にいた頃は大阪や京都、兵庫

すべて借り物だから。

9回目の引越しを終え、片付けや整理がおおかた終わりました。 自分の人生をすごろくに例えて振り返ったり現在地を俯瞰することがある私は、引越しについても1コマ進む、2コマ進む、一回休む、などと考えてきたのですが、今は新たなステージにコマを進めた心境です。 とはいえ、引越し後の荷ほどきをしながら、コーヒーを飲みたいのに(豆とフィルターはあるのに)ドリッパーがなかなか出てこず、数日かかってダンボール(全部で50個)を開け続けても出てこないので、荷造り中に捨てたか忘れてきたのかも、

幸せな散歩を求めて。

夏の散歩は夕暮れ時に限る。 昼間、酷暑の中で目的もなくぶらぶら歩くことは危険だから、散歩好きの私も寄り道せず、目的地へ急ぐばかりだけれど、夕暮れ時は別。 夏の夕暮れの空は、何層かになったカラフルなジュースのようなグラデーションだったり、雲が奥行きを感じさせてくれて大きな空色のドームの下にいる気分になったり、四季の中でも格別だ。だけど油断して夜になったら、またぼんやりよそ見して歩くことなどできないから、ほんのわずかのハッピーアワーだ。 私の好きな散歩は、整備された並木道や